昭和52年6月、森雞二先生と第30期棋聖戦第1局です。

森先生の中飛車で、大山先生は端の位を取って、穴熊にしなさいと言っています。

森先生は金の動きで1手損ですが

結局両者高美濃になりました。こうなると端の位が大きいです。

大山先生が怖いのは65歩の筋。角を移動してけん制します。

結局44銀型の四間飛車に4手角を狙う将棋になりました。ただし端の位の分だけ大山先生が作戦勝ちです。
この形、今では後手が1手待って、26角に53銀37桂44角とぶつけて千日手が狙えるということがわかっています。だから今では(定跡書の中でだけこの4手角の筋が出てくるのですが、後手振り飛車なら千日手、先手振り飛車なら避けるので)実戦では見なくなりました。

森先生は35歩から向い飛車に。

その時には27歩と謝るのが形です。

45の歩を取れて、大山先生が良さそうに見えるのですが

森先生は飛車切りから角を打って

角を切って75歩。うるさい攻めです。

大山先生は87玉からかわして受ける、角筋を避けてこれが本筋ですか。ちょっとびっくりしますね。

森先生は76銀から67歩を決めて1歩補充

桂馬が取れます。これで2枚換えですが

大山先生の34角が攻防に効きます。

2枚取られているのでかなり薄い玉ですが、後手は歩切れで攻め駒3枚。

桂馬を取るのは受けに使うためで

桂馬を合わせて受けます。森先生も73桂を跳ねられたので攻め駒が増えています。

玉頭でのやり取りがあり

守りの金も前面に出てきました。大山先生は大駒の利きでどうにか受けようとしています。

58桂はぴったりした受けでしたが、45銀もよさそうな手です。

大山先生は受けきれないので攻め合いです。64銀と打って、森先生の38角も攻防の手ですが

これで後手玉は詰めろ、ほぼ受けなしです。

先手玉は詰みません。端の位がここで生きました。

投了図。
かなりの好局、名局と言っていいでしょう。大山先生が作戦勝ちなのですが差はわずか。森先生が激しく攻めて大山先生がしのぎ、最後に1手勝ちにしてしまいました。
どちらを持っても楽しめると思います。
#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:森雞二8段
後手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 5四歩(53)
5 5六歩(57)
6 4四歩(43)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 5八金(49)
10 5二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 4三銀(42)
15 9六歩(97)
16 7二玉(62)
17 9五歩(96)
18 8二玉(72)
19 5七銀(48)
20 4二金(41)
21 7七角(88)
22 6四歩(63)
23 6六歩(67)
24 7四歩(73)
25 6七金(58)
26 5三金(42)
27 3六歩(37)
28 7二銀(71)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 8八玉(78)
32 6三金(53)
33 7八銀(79)
34 7三桂(81)
35 5九角(77)
36 4五歩(44)
37 3七角(59)
38 4四銀(43)
39 7七桂(89)
40 4二飛(52)
41 1六歩(17)
42 1四歩(13)
43 8六歩(87)
44 8四歩(83)
45 4八飛(28)
46 3五歩(34)
47 2六角(37)
48 2四歩(23)
49 同 歩(25)
50 2二飛(42)
51 4六歩(47)
52 2四飛(22)
53 2七歩打
54 6五歩(64)
55 同 歩(66)
56 5三銀(44)
57 4五歩(46)
58 2六飛(24)
59 同 歩(27)
60 3九角打
61 4九飛(48)
62 5七角成(39)
63 同 金(67)
64 7五歩(74)
65 8七玉(88)
66 7六歩(75)
67 同 玉(87)
68 7五歩打
69 6七玉(76)
70 7六銀打
71 6八玉(67)
72 6七歩打
73 同 金(57)
74 3六歩(35)
75 4四歩(45)
76 6七銀成(76)
77 同 銀(78)
78 6六歩打
79 同 銀(67)
80 7六歩(75)
81 3四角打
82 4四角(33)
83 5五歩(56)
84 7七歩成(76)
85 同 玉(68)
86 7五歩打
87 6八玉(77)
88 3五角(44)
89 4六歩打
90 5一金(61)
91 3一飛打
92 4二銀(53)
93 2一飛成(31)
94 7四桂打
95 7五銀(66)
96 6五桂(73)
97 6四歩打
98 7三金(63)
99 5七桂打
100 同 桂成(65)
101 同 玉(68)
102 8三桂打
103 7六歩打
104 7五桂(83)
105 同 歩(76)
106 6四金(73)
107 7四歩(75)
108 5五金(64)
109 5八桂打
110 4五銀打
111 同 角(34)
112 同 金(55)
113 6四銀打
114 3八角打
115 6三銀打
116 5六角成(38)
117 6八玉(57)
118 4六金(45)
119 7五桂打
120 4七金(46)
121 7七玉(68)
122 7六歩打
123 8七玉(77)
124 6二歩打
125 5一龍(21)
126 同 銀(42)
127 7三銀成(64)
128 投了
まで127手で先手の勝ち

森先生の中飛車で、大山先生は端の位を取って、穴熊にしなさいと言っています。

森先生は金の動きで1手損ですが

結局両者高美濃になりました。こうなると端の位が大きいです。

大山先生が怖いのは65歩の筋。角を移動してけん制します。

結局44銀型の四間飛車に4手角を狙う将棋になりました。ただし端の位の分だけ大山先生が作戦勝ちです。
この形、今では後手が1手待って、26角に53銀37桂44角とぶつけて千日手が狙えるということがわかっています。だから今では(定跡書の中でだけこの4手角の筋が出てくるのですが、後手振り飛車なら千日手、先手振り飛車なら避けるので)実戦では見なくなりました。

森先生は35歩から向い飛車に。

その時には27歩と謝るのが形です。

45の歩を取れて、大山先生が良さそうに見えるのですが

森先生は飛車切りから角を打って

角を切って75歩。うるさい攻めです。

大山先生は87玉からかわして受ける、角筋を避けてこれが本筋ですか。ちょっとびっくりしますね。

森先生は76銀から67歩を決めて1歩補充

桂馬が取れます。これで2枚換えですが

大山先生の34角が攻防に効きます。

2枚取られているのでかなり薄い玉ですが、後手は歩切れで攻め駒3枚。

桂馬を取るのは受けに使うためで

桂馬を合わせて受けます。森先生も73桂を跳ねられたので攻め駒が増えています。

玉頭でのやり取りがあり

守りの金も前面に出てきました。大山先生は大駒の利きでどうにか受けようとしています。

58桂はぴったりした受けでしたが、45銀もよさそうな手です。

大山先生は受けきれないので攻め合いです。64銀と打って、森先生の38角も攻防の手ですが

これで後手玉は詰めろ、ほぼ受けなしです。

先手玉は詰みません。端の位がここで生きました。

投了図。
かなりの好局、名局と言っていいでしょう。大山先生が作戦勝ちなのですが差はわずか。森先生が激しく攻めて大山先生がしのぎ、最後に1手勝ちにしてしまいました。
どちらを持っても楽しめると思います。
#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:森雞二8段
後手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 5四歩(53)
5 5六歩(57)
6 4四歩(43)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 5八金(49)
10 5二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 4三銀(42)
15 9六歩(97)
16 7二玉(62)
17 9五歩(96)
18 8二玉(72)
19 5七銀(48)
20 4二金(41)
21 7七角(88)
22 6四歩(63)
23 6六歩(67)
24 7四歩(73)
25 6七金(58)
26 5三金(42)
27 3六歩(37)
28 7二銀(71)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 8八玉(78)
32 6三金(53)
33 7八銀(79)
34 7三桂(81)
35 5九角(77)
36 4五歩(44)
37 3七角(59)
38 4四銀(43)
39 7七桂(89)
40 4二飛(52)
41 1六歩(17)
42 1四歩(13)
43 8六歩(87)
44 8四歩(83)
45 4八飛(28)
46 3五歩(34)
47 2六角(37)
48 2四歩(23)
49 同 歩(25)
50 2二飛(42)
51 4六歩(47)
52 2四飛(22)
53 2七歩打
54 6五歩(64)
55 同 歩(66)
56 5三銀(44)
57 4五歩(46)
58 2六飛(24)
59 同 歩(27)
60 3九角打
61 4九飛(48)
62 5七角成(39)
63 同 金(67)
64 7五歩(74)
65 8七玉(88)
66 7六歩(75)
67 同 玉(87)
68 7五歩打
69 6七玉(76)
70 7六銀打
71 6八玉(67)
72 6七歩打
73 同 金(57)
74 3六歩(35)
75 4四歩(45)
76 6七銀成(76)
77 同 銀(78)
78 6六歩打
79 同 銀(67)
80 7六歩(75)
81 3四角打
82 4四角(33)
83 5五歩(56)
84 7七歩成(76)
85 同 玉(68)
86 7五歩打
87 6八玉(77)
88 3五角(44)
89 4六歩打
90 5一金(61)
91 3一飛打
92 4二銀(53)
93 2一飛成(31)
94 7四桂打
95 7五銀(66)
96 6五桂(73)
97 6四歩打
98 7三金(63)
99 5七桂打
100 同 桂成(65)
101 同 玉(68)
102 8三桂打
103 7六歩打
104 7五桂(83)
105 同 歩(76)
106 6四金(73)
107 7四歩(75)
108 5五金(64)
109 5八桂打
110 4五銀打
111 同 角(34)
112 同 金(55)
113 6四銀打
114 3八角打
115 6三銀打
116 5六角成(38)
117 6八玉(57)
118 4六金(45)
119 7五桂打
120 4七金(46)
121 7七玉(68)
122 7六歩打
123 8七玉(77)
124 6二歩打
125 5一龍(21)
126 同 銀(42)
127 7三銀成(64)
128 投了
まで127手で先手の勝ち