名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-15 立石流四間飛車(5)

2024-05-31 | 基本定跡の研究

次の課題に関連するのですが、居飛車は2筋の歩を交換しなくても良いです。後から24歩~25歩と伸ばされるのも面倒でしたし。

銀を上がって、陣形整備を優先します。後手が立石流を目指すならば、玉を移動してから44歩~45歩です。

22角成同銀57銀

32金68銀上44飛66歩82玉96歩94歩67銀72銀68金33桂77桂34飛

先手は26飛としても良いですし、このままでも良いのです。65歩36歩同歩同飛75歩

49金のままなので、とりあえず3筋は無視できます。34飛には35歩があるので

35同飛には44角ですね。後手の3筋歩交換は失敗です。

戻って

65歩に31銀75歩42銀86歩43銀66銀右

4筋が薄くなったので、36歩同歩46歩同歩36飛と動きたくなります。

でも74歩同歩75歩

王手飛車の筋があるので46歩は取り返せず、後手の失敗です。評価値は+228の先手良し。

また戻って

後手はもう少し待機します。54歩26飛52銀16歩53角

角を打って攻めるのが立石流四間飛車のねらい筋だったわけですが、27飛36歩同歩同飛74歩同歩28角

先手はこの筋に角を打つのが良い反撃になります。この図の評価値は+227の先手良し。初期のころに出てきた対抗策なのでした。

でも後手は工夫することができて

角を打つ前に36歩とすれば、36同歩46歩同歩53角

28飛36飛

この図の評価値は+150、先手ペースですが、互角に近いでしょう。AIに聞いてみると、58金寄46飛48金上・・・難しい指し方になっています。ならば先手が26飛としなければ・・・ということもあります。

後手がクリアしたとも言い難いですが、互角に近ければ悪いこともなし、です。

 

 

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SS1-15 立石流四間飛車(4)

2024-05-30 | 基本定跡の研究

後手の工夫を見つけました。飛をぶつけるのはだめでしたが、

24歩を突いて、25歩~24飛~26歩をねらえばよいです。先手はここで26歩を打ってもつまらない (評価値は+27の互角ですが) ので、理想的には48飛25歩28歩26歩38金24飛49飛

2筋は謝りましたが、77桂~89飛~86歩~85歩、地下鉄飛車で攻め味が残っています。この図まで来れば先手十分で、27角の打ち込みは同歩同歩成48金28と36歩

この図の評価値は+267の先手良し。36同歩は35角54飛65角、29と は35歩19と34歩同飛19飛、です。

ただし途中に問題がありまして

48飛には36歩が嫌な手です。

36同歩には27角から馬作りがあります。先手にも21角があって

金を逃げると馬の作り合いでまあまあ。23銀が最善で、32角成同銀35金

金は37でも26でも同じような意味ですが、この場合は後手が飛を逃げると、39金~28飛があります。49角成同飛41飛と進んで

この図の評価値は+47の互角です。後手は1歩損ですが、左金をさばいたと言えます。

戻って

36同歩を嫌えば、38金37歩成同金34飛36歩

この図の評価値は+72で少し優りますが、互角です。

なのでまた戻って

48飛に問題があるのならば、38飛と途中下車して、25歩28歩26歩48飛24飛38金

1手遅れるので49飛を指せていません。27角を取りにくくて、39金36歩

これで35角の筋ができたので、27歩ですが、37歩成同桂27歩成

38歩36歩35角

34飛53角成37歩成、ここでAIIは52角が最善だというのですが

52同金同馬43角同馬同金37歩同と49飛

62金のねらいがありますが、後手は何か受けるでしょう。この図の評価値は0近辺の互角です。

といういうことで24飛のぶつけは成立しづらかったのですが、24歩~25歩~24飛というのが代案で、後手が互角に戦えます。

2つ目の課題がクリアできました。

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SS1-15 立石流四間飛車(3)

2024-05-29 | 基本定跡の研究

次の課題は

飛をぶつけた時に、交換されても大丈夫かということ。AIに聞いてみると、24同飛同歩34角

この図の評価値は+221で先手良しです。先手陣は桂香を拾われるけれど堅いです。後手陣は取られる駒はなさそうだけど薄いです。49飛41飛と打ち合って (49飛には59飛の合わせもあるので、39飛のほうが優りましたね。)

71金52角成29飛成53馬

61桂と埋めても堅くないので、61金23歩同金

11香を取られないように金で取りましたが。( 香を取られると62香71金同竜同玉61香成の筋がありますね。) 65歩 (64歩同歩63歩ねらい) 52歩44馬71角

後手は角を打って粘ります。55馬19竜75歩

桂香得とは言え、この図の評価値は+486で先手有利です。

後手の変化を考えてみましょう。

ここで飛を打ち合わないで51金とすると23歩が来ます。

23同銀同角成同金21飛41角11飛成

この図の評価値は+1127で先手優勢です。44香などが痛いですね。

戻って

31銀21飛も

22歩成があるので後手が困っています。評価値は+1066で先手優勢。

つまりこの形で

飛をぶつけるのは無理なのでした。

どの形ならば後手が良いかを調べてみると、31銀68金上が入っていれば

飛交換は-148で後手ペースです。

31銀77桂が入っていると

24同飛同歩34角39飛65桂

42銀61角成同銀41飛25角

この図の評価値は0近辺の互角です。

先手が58金右ではなくて68金としている形では

24同飛同歩に34角もあるのですが、28歩と打つ方が簡便です。

この図の評価値は+354の先手有利。一段金の場合は後手の飛ぶつけがうまくいきません。

後手が飛のぶつけを保留して銀を移動したら、22歩という手もあります。

22同金は31角32金53角成34飛

74歩同飛35馬

こんな展開で評価値は+124ほど。それほど上がりませんね。先手は22歩などを考えずに駒組している方が良いのかもしれません。

この図の評価値は+151、相変わらず24飛は無理ですから、先手の作戦勝ちくらいにはなるでしょう。

ということで、「2筋の歩を切られても問題なし」とは言えないのです。立石流四間飛車からの理想形への道は遠いですね。

 

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SS1-15 立石流四間飛車(2)

2024-05-28 | 基本定跡の研究

立石流四間飛車に組むための問題点というか、居飛車側の対策を見ていきます。

76歩34歩26歩42飛25歩に35歩とする手順は、24歩ではなくて48銀62玉46歩

先手は47銀型に組んで対応するかもしれません。後手は3→4→3戦法 (石田流) に切り替えることも可能ですが、こだわるならば44歩47銀45歩同歩同飛と攻めます。56銀と反発されて

42飛22角成同銀65角

両取りが受からないし、33角の筋は88銀で受けられる。だから後手の失敗と思ったのですが。AIに聞いてみると、31金83角成36歩同歩15角

58玉が最善ですが、そこで33角とすると

99角成が受かりません。この図の評価値は0近辺の互角です。

なので先手としては47銀とせずに

44歩には68玉45歩同歩同飛58金右72玉78玉32金

この図の評価値は+200ほどで先手ペースの範囲ですが、後手も立石流四間飛車に近い形にできるでしょう。もし無難に組みたいならば、普通の四間飛車か、角道オープン四間飛車から、相手の陣形を見て (56歩を突かれたら) 変化することもできます。

ということで最初の関門はクリアです。

 

 

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SS1-15 立石流四間飛車(1)

2024-05-27 | 基本定跡の研究

小林健二先生の「力戦スーパー振り飛車」に立石流四間飛車が載っています。調べてみましょう。小林先生はこれを使って早指し選手権で優勝しました。立石勝己さんの考案した戦法です。

序盤の手順は前後しても構わない (先手でも後手でも使える) のですが、初手から76歩34歩26歩42飛25歩35歩

3→4→3戦法のような立ち上がりから、24歩同歩同飛に32金

升田式石田流のように88角成同銀22飛・・・は採用しません。28飛23歩48銀62玉68玉72玉78玉

ここで44歩56歩45歩

3筋の後で4筋の歩を突くというのが特徴です。角交換はどちらからかで岐れますが、57銀82玉22角成同銀

先手から角を交換してみます。68銀上72銀66歩44飛67銀33桂58金右24飛

2筋の歩を切られても、飛をぶつけてしまえばよいという発想です。26歩34飛25歩31銀68金上42銀77桂43銀

互いに手損があるので、この図で数えてみましょう。先手は14手、後手は14手、結局手損なしですね。評価値は-27の互角です。どうやらこの先は先手の指し手が難しいようで、65歩52銀26飛54歩75歩53角

良いタイミングで角を打たれてしまいました。66銀右36歩同飛同飛同歩39飛

この図の評価値は-381で先手有利。後手の駒組の仕方、ねらい筋がわかったでしょうか。明日は先手の対策を考えてみましょう。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(11)

2024-05-26 | 基本定跡の研究

次の形は

やはり56銀44歩の形から

後手が端を受けた場合で、先手は銀冠に組んでいます。47金左と上がっていないところがミソで、51角69飛73角49飛

小林先生は「地下鉄飛車」と呼んでいますが、小林小野修一戦の実戦だそうです。73角65歩32飛

この頃は見ないですが、居飛車穴熊から32飛とまわる形が指されていた時期があります。45歩同歩64歩同歩75歩同歩45飛

小林先生の自慢する手順で、先手ペースとしていますが、評価値では0付近の互角です。

AIに聞いてみると、51角と引くところでは

24角として応手を聞きます。49飛ならば75歩同歩72飛

67銀75飛56歩74飛25歩

42角45歩55歩

この図の評価値は-274で後手良しです。先手の攻めが軽いせいで、飛をさばけないとまずいです。

 

 

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第253回名南将棋大会(弐)結果速報

2024-05-26 | 名将会

本日は第253回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

森巌さん

G級優勝

高原秀樹さん

沢田常夫さん

中山賢さん

H級優勝

松岡好美さん

大西啓雄さん

I級優勝

船山松平さん

奥田幸男さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

今日のトーナメント表の画像です。

過去12か月分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(10)

2024-05-25 | 基本定跡の研究

スーパー四間飛車では古い形、最初に出した「スーパー四間飛車」に載っているそうですが、図書館にもないので、最新版に載っているダイジェストから見てみます。

かなり前に並べた大山小林戦の序盤ですが、

四間飛車(大山先生)の先手で、56銀44歩の形です。16歩11玉36歩22銀37桂31金26歩43金15歩74歩65歩

ここは分岐点なのですが、51角47金73角27銀42銀38金

この図の評価値は0付近の互角です。先手番としてはつまらないけれど、AIは振り飛車の評価値が低いことを思えば満足できるところかも。ただしこの後の先手の指し方が難しいです。実戦では42銀38金を入れないで、後手が55歩同銀86歩同歩75歩同歩55角同角86飛・・・という進行でした。後手の仕掛けがあるかどうかは、先手の駒組手順の工夫で回避できそうです。

戻って

この図から、86歩同歩75歩同歩45歩という仕掛けも考えたい (警戒しておきたい) ところです。

AIに聞いてみると、33角成同桂45桂同桂77角

57桂成同金21桂

この図の評価値は-26の互角です。

ですから、この先手のシンプルな形は、先の構想が見えにくいとはいえ、悪くはない形です。

なお後手が端歩を受けて

この形にした方が、評価値は-157で後手が改善しているようです。先手はもう少し工夫したいところでしょう。

 

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(9)

2024-05-24 | 基本定跡の研究

「6筋早仕掛け」の最後は

先手が角を交換せず66歩と打った場合です。後手は6筋の歩を手持ちにして、良い使いみちがあるかどうか。54銀99玉52金左88銀46歩

ここで枝分かれで、46同銀45銀同銀同飛46銀

小林先生は後手が指し過ぎだと書いていますが、評価値は+354で先手有利。

戻って

46同歩のほうは45歩と合わせて後手が面白いとしていますが、同歩同銀48飛46歩79金

先手が後手の言いなりに指しても、評価値は+405で先手有利です。

後手が変化して

35歩を突いて、「浮き飛車作戦」に切り替えても、88銀44飛65歩

34飛33角成同桂22角

後手が指しにくいと書かれていて、評価値は+405の先手有利です。

本には書いてありませんが、32金79金を交換してから44飛としても

65歩34飛66金

この図の評価値は+278の先手良しです。

最後の手段は

後手が向い飛車に転じるのですが、79金44角の所で枝分かれです。

一番まずそうな65歩77角成同桂24歩同歩27歩

さすがに後手良しになりそうなのですが、27同飛49角23歩成

この図の評価値は-38の互角です。まあ先手は選ばないでしょうが。

戻って

46歩同歩48飛33桂

46銀45歩57銀24歩は後手十分だと書いてありますが、銀を引かないで、46銀45歩55銀同銀同歩

この図の評価値は+163、まだ先手ペースです。

また戻って

最後は36歩24歩同歩26歩37桂

24飛25歩23飛に65歩は

先手がだめだとされているのですが、77角成同金39角58飛27歩成55歩43銀45桂37と

まだ評価値は+154で先手ペースです。59飛28角成24歩同飛53桂成

53同金は42角ですね。まだ先手が指しやすいのです。

戻って

65歩ではなくて46歩を突く方が本筋ですが、46同歩同銀45歩同銀同銀

45同桂25飛は後手が指しやすいですが、48飛46歩45桂

37銀78飛45歩成75歩

この図の評価値は+235でまだ先手ペースです。後手が良くなるまでの道は遠いのでした。残念ながら「6筋早仕掛け」は戦法として成立していません。

 

 

 

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(9)

2024-05-23 | 基本定跡の研究

これまでは後手の6筋早仕掛けに99玉としていましたが

65同歩のほうが自然ですね。以下を調べてみます。65同銀67金45歩

33角成同桂66歩39角

後手が強攻する場合ですが、58飛とまわれば76銀はないです。46歩同歩54銀と引いて

38飛57角成同金45歩

まあまあの手順ではあるのですが、28飛46歩48歩

小林先生は後手失敗と書いています。評価値は+195、まだ後手が悲観するほどではないのですが、45飛58金引52金左16角

玉を固めて25飛の筋はうまくいきません。駒損なので次第に悪くなるようで、この図の評価値は+320の先手有利。この16角は後で34角と出られそうです。

戻って

33角成同桂66歩に54銀

39角は指し過ぎだったので、単に銀を逃げておきます。24歩同歩同飛46歩同歩45歩

21飛成46歩48歩47歩成同歩同飛成

ここまでは妥当な進行です。形勢も互角だと思われるのですが、48歩42竜11竜28歩

小林先生は後手十分だと。評価値は-41の互角です。後手ペースでもいいですけど。

ちょっと戻って

AIに聞いてみると、ここは78金が最善で、52金左11竜28歩48香

38竜24角47歩

47歩の所で45桂は同香同銀64桂でしたし、25桂は42香成でした。47同香同竜33角成

64桂があるので、63銀引に42歩

巧妙な手順で先手の評価値が上がっていき、ここでは+345の先手有利です。

またしても「6筋早仕掛け」は失敗なのでした。

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