名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-10 居飛車穴熊に藤井システム(2)

2023-05-31 | 基本定跡の研究

藤井システムの別の形を見てみます。

43銀ではなくて52金左の形、多分こちらのほうが初期型です。対天守閣美濃の形でもありますから。居飛車の急戦にも対応しやすいでしょう。57銀95歩77角64歩88玉74歩66歩

居飛車もどうせ66歩を突かせられるのだからと先に66歩を突いて後手の攻めに備えます。73桂25歩33角67金45歩78金

この辺りまでは先手の駒組手順は同じです。後手は美濃囲いをあきらめて63銀というのが藤井システムに特有な手でして、先手は98香

そろそろ穴熊を見せるのでしょう。85桂86角65歩

33角の利きは強烈ですが、飛で攻められているわけではありませんから、まだ攻めつぶされる形ではありません。 (69金を36歩に代えて、65歩に78玉と戻す将棋もありました。) 55歩同角24歩同歩同飛

75歩54歩同銀75角

43金28飛62飛

でも後手の飛が攻めに参加しました。43金の形が今一つなので、昨日紹介した41金43銀型に進化したのでしょう。56金33角55歩

74歩53角成同金54歩

先手は駒損になりましたが、後手の玉頭に食いついています。54同金55歩66歩

強く反撃されて、54金を取る余裕はなく、66同銀39角68飛

96歩同歩65歩77銀

55金同金同角53銀

こういう進行例で評価値は+31、形勢不明の終盤です。

AIで検討してみると、違和感のあった後手の43金のところは63金が良いと言います。

確かに自然な感じがしますね。56金33角28飛72飛

これも後手の飛が使えるようになります。55歩同銀65金64歩55金同角

この図で評価値は-423で後手有利です。居玉の薄さが気になりませんし、後手の攻撃力が高いです。

もっと戻って、先手のどこがまずかったのか。

24歩同歩同飛の効果が薄かったのです。56銀と角を追って、33角65銀46歩54歩

54同歩42角成同角46歩

この図で評価値は+114、先手ペースのような、後手振り飛車としては健闘しているといえるような。

対穴熊藤井システムは、振り飛車が指せないこともないようです。

 

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SS1-10 居飛車穴熊に藤井システム(1)

2023-05-30 | 基本定跡の研究

今日からは居飛車穴熊に対する藤井システムを調べます。私は穴熊が苦手なのでどうしようかと思っていたのですが。居飛車穴熊に組めばつぶされるし、振り飛車穴熊にしても作戦負けになるし、良い思い出がないです。なのでほぼ関心がなかったのですが、ブログを書くついでに調べてみました。穴熊と急戦の両方に対応するのが大変で、さらに居飛車のミレニアム囲いが見直されて、3つには対応できなくて指されなくなったみたいですね。

初期のころの居飛車穴熊は

66銀型で引き角にしています。右金が59~69と動くのが特徴でしょうか。この図で評価値は+256、先手の作戦勝ちです。角を移動して(金の位置を保留して)、75歩同歩78飛と7筋を攻める将棋もありました。

藤井システムは

こんな図を目指します。居玉のまま右桂を跳ねて穴熊をねらいます。この図で評価値は-83、後手の作戦勝ちと見て良いでしょう。98香65歩77銀85桂となれば後手有利です。

73桂や54銀とされると、居飛車としては66歩を突く必要があり、最初の図の堅い穴熊にはなりません。なので右金は58~67と動くことが多くなりました。

序盤も94歩に対して58金右とします。この頃は端歩を受けてから居飛車穴熊にすることも多いようです。それは藤井システムとは離れますから、端歩は受けない形を調べます。後手は43銀型も52金左型もあるのですが、43銀57銀95歩77角25歩33角74歩88玉64歩66歩

居飛車としては後で66歩を突かされるので、先について受けの形を作ってしまえと。73桂67金62飛

後手は飛を移動して、後手の右翼からの攻撃力を高めます。こうなると98香よりは78金と固めたいわけで、52金右36歩65歩

68銀上32金55歩41玉

もう相居飛車の将棋ですね。 56銀66歩同角63銀79玉64銀58飛

こんな進行例で、評価値は-253。後手が指しやすいです。

戻って

この図で評価値は+78あります。86角のけん制が有力で、52金右36歩

45歩24歩同歩37桂32金78金

84歩35歩85歩68角35歩45桂

桂馬を単騎で跳ねていくのがAIの好みです。22角77桂44歩33歩

31金には53桂成同金24飛、33同桂ならば同桂成同角46銀

攻勢を取っている方を指しやすいと見ているようで、評価値は+200くらい。先手ペースです。この図を見ていると9筋の位が生きていないなあという感じがします。

互いの手の組み合わせで局面が変わりますから、深入りはしないでおきます。

藤井システムにもいろいろな形がありまして、今日のような相居飛車に近い形を好む振り飛車党は限られます。美濃囲いに組めないのは嫌だとか、理解できない人もいたでしょう。

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(15)

2023-05-29 | 基本定跡の研究

後手番の天守閣美濃はうまくいかないのですが、AIに聞いてみると、24歩~23玉~32銀の代わりに42金上

金無双で待ちなさいと言います。26歩にも94歩と待って、もし96歩と受けたら75歩

75同歩同飛67銀76歩88角95歩

9筋で1歩持てば指せるのだと。95同歩同香同香86歩

香を取り返したり87歩を打てたりします。先手も抵抗をすると

5同香ではなくて96歩とし、86歩には78銀

(86同歩は87歩79角77歩成)というくらいでしょうか。でも96香97歩73桂

96歩85桂67金77桂成

77同桂同歩成同角(77同金には76桂)55桂

後手の攻めが続くのです。評価値は-377で後手有利。玉側の香を捨てるよりもリスクは小さいですね。

先手としては、9筋は受けずに98香とすれば

後手の攻めは封じられそうですが。75歩同歩同飛67銀64歩

ここは76歩を打つか、78飛73飛779歩

互いに飛交換に備えた指し手になり、83飛65歩77角成同飛73歩

もう定跡化も難しい手将棋ですが、評価値は-100ほどで後手ペースなのでしょう。天守閣美濃とはずいぶん離れてしまったのでこの辺りまでにします。でも天守閣美濃を見せることで、

先手側にこの陣形を限定させたということはあります(67銀型は攻めやすい) 。金無双以外にも

エルモ囲いも選べます。後手番の右64銀急戦の話になってしまいました。

 

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(14)

2023-05-28 | 基本定跡の研究

天守閣美濃+急戦が居飛車にとって有力だとわかりましたから、後手番ではどうなるか調べてみます。

初期配置で評価値は+77なのですが、四間飛車に組み始めたところでの評価値は-81、AIは振り飛車を嫌うのがわかります。飛角の(攻めの)働きがないからでしょうね。

後手は天守閣美濃と右64銀急戦を考えています。先手が藤井システムを意識していれば39玉型で、36歩を突いて待つのでしょう。72飛にも26歩としたら

75歩同歩64銀の攻めには65歩88角成同銀75銀64歩同銀83角で十分に対応できます。75歩同歩同飛が厄介で、67銀と受けると

76歩88角86歩同歩15歩

端攻めが絡むと先手は受けにくいです。後手は1歩手に入れて87歩を打てば後手有利になります。15同歩同香同香同飛

18飛成が生じるので39玉型をとがめられてしまうというのは昨日までに調べた通り。後手有利です。16歩75飛~87歩や87香などがあります。

よって振り飛車が先手でも28玉と入らざるを得ないでしょう。

24歩26歩23玉37桂32銀

この図で評価値は-22、互角です。先手が善戦しているとも読めます。方向は3通りあって、27銀75歩同歩同飛47金73桂38金74飛56歩76歩88角64銀

昨日まで調べたように、後手は右の石田流のような形を目指します。45歩75銀25歩同歩69飛

振り飛車が先手だと1手早いわけで、後手玉頭からの反撃が間に合ってきます。評価値は-23、後手は変に攻めない方が良さそうで、86歩同歩同銀87歩75銀35歩同歩36歩

評価値は0近辺ですが、こういう展開は後手が難しいでしょうね。

先手には他の選択肢もあって、

67銀と上がって、攻めてきなさいと言います。75歩同歩64銀65歩

77角成同桂75銀83角

82飛74角成76歩

75馬77歩成69飛67と同飛88角

変化の一例ですが、これも評価値は0近辺です。後手がちょっと駒得ですが、あとで玉頭を攻められそうです。やはり1手の違いは残っているのでしょう。

3つ目は

65歩を突いてしまえば別の展開になります。77角成同銀44歩

これからの将棋です。特にねらいはないので先手が良いとも思えませんが。

いずれも先手番で互角ではつまらないと見るか、振り飛車で評価値が悪くならないからいいとみるかは、その人の考え方次第です。居飛車側から見ると、後手番ではむずかしいなあというところでしょう。

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(13)

2023-05-27 | 基本定跡の研究

最後は後手が54歩を突いて待つ形です。

これが一番難しいようですが、35歩同歩同飛に43銀ならば

34歩22角55歩と攻めます。

先手は1歩はしいわけで、55同歩ならば24歩同歩55角

これが決まると先手有利(評価値は+611)です。23歩31角33歩成の筋と64角がありますね。

後手は55同歩ではまずく、32飛くらい。

でも飛交換は先手が良さそうで、54歩63金56銀54金

後手の最善も難しい手順です。55銀45金38飛85歩同歩86歩同玉36歩

先手玉頭に手がついて、簡単ではありません。24歩同歩54歩52金46銀

46同金53歩成同金23歩31角46歩

49銀の割打ちは先手の飛がさばけることになるので歓迎です。22金があるので34飛ですが41金

角を取れます。63金31金同飛45歩

35飛44歩73桂97桂

こんな戦いで評価値は+181、先手ペースではあります。54銀43歩成同銀11角成33桂77角・・・と続きますが、こんな感じで難しいと理解できていれば良いでしょう。

戻って後手が43銀ではなくて63金と待てば

46銀73桂37桂65歩36飛

昨日も出てきた、35銀~24歩同歩同銀23歩33歩成同桂35銀~34歩の筋をねらいます。

後手の積極策は45歩ですが

この場合は38飛85歩同歩86歩98玉73桂

8筋は互いに嫌味があってイーブンです。34歩88角成同玉の形か、24歩(同歩22歩)の筋を見て先手が指せる(評価値は+410で先手有利)ようです。

 

ということで、藤井システムを回避して、天守閣美濃にするのはかなり有力な作戦です。四枚美濃を目指すのではなくて右46銀急戦をみるのが、今のAIの時代らしいところです。明日からは後手番でも使えるかどうか見ていきたいと思います。

 

 

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(12)

2023-05-26 | 基本定跡の研究

藤井システムを回避して、後手の待ち方の続きで、43銀と65歩の次は73桂。玉頭攻撃を見た手です。

これには35歩同歩同飛が良いようで、桂頭を守る83銀には34歩を打ってしまうのが簡明です。

22角46銀72金36飛54歩35銀

後手から動く手が少ないので待機するのでしょうが、先手は手数がかかっても35銀の形を作れました。65歩24歩同歩同銀23歩33歩成

駒損を回避するのは33同桂ですが、35銀63金左34歩25桂26飛

これで桂を取れます。後手も暴れてくるのでしょうが、それに対応するだけ。評価値は+267、先手が指しやすいです。

戻って、後手が積極的に動くならば45歩を突きます。

55歩54歩37桂

55角同角同歩ならば66銀

AIは(人間から見ると怖い手ですが)75歩同歩74歩を中心に考えています。22角や45飛や54歩~45桂も選べるので先手が指せるのは間違いなく、評価値は+434で先手有利だと言います。

ちょっと戻って、後手55角ではなくて44角が最善だと。

この後の指し手に驚くのですが、45飛43銀44飛同歩54歩。

31角をねらって指せるのだと言います。39飛だとして31角、41飛でも43飛でも22角成で先手有利になります。余裕があれば46歩~45桂も有効です。評価値は+251。

実戦的には後手から8筋を攻められたときにどう対応するかがあるので、それほど簡単ではないのでしょうが、先手有利になりやすいです。

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(11)

2023-05-25 | 基本定跡の研究

昨日は藤井システムを回避しての43銀の対策を考えましたが

今日は65歩を見てみます。対急戦には64角の反撃筋があるのですが、35歩同歩同飛(46銀のほうではない)45歩

ここは33飛成同銀55角打が簡明です。

73桂に33角成ではなくて、34歩同銀11角成

先手玉の堅さが生きていて、評価値は+574で先手有利です。

後手としては先手の飛を追いたいのですが

43銀とすると、55角73桂75歩

小びんを攻められてピンチです。34歩と打っても74歩の取り込みが厳しすぎます。仕方なく83銀ですが、74歩同銀34歩22角24歩

1歩持たれたので、24同歩には23歩がありますね。32銀75歩63銀77桂

評価値は+792、先手優勢に近いです。

なので後手としては35歩同歩同飛には73桂が自然でしょうか。

66歩同歩75歩83銀66銀

後手の桂頭をねらい、玉頭方面で戦って十分な棋勢です。評価値は+310で先手有利。飛の働きが違いますし。

なので後手としては63金

65歩は差し上げますという手ですが、これはただ取りせずに66歩同歩同銀73桂65歩

位を取るほうが本筋です。このまま進めば作戦勝ちですし、83銀には64歩が利くようです。

64同金には55銀同金同角72金64金・・・、62金引には77桂~65桂で、すでに先手有利と見て良いようです。評価値は+426もあります。

後手が飛を使いたいと思えば

66歩同歩同金に62飛で反撃をねらうのですが、55銀には34歩

1歩損でも3筋を収めるしかないようです。34同飛43銀36飛34歩67金

54歩66銀43角65歩73桂79角

1歩得で先手の作戦勝ち。評価値は+504もあります。

後手の65歩は危険すぎて、先手から厳しい攻めを食らうのでした。

 

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(10)

2023-05-24 | 基本定跡の研究

袖飛車の攻めをみせることで藤井システムを回避することはできました。

後手が43銀と備えた場合にどうするか。今日はこの変化を考えてみます。

右46銀急戦のつもりで46銀と出てみると、これは手順が悪いのです。45歩33角成同桂55銀

38飛の働きが悪く、厳しい攻めはありません。評価値は+37なので互角なのですが。

戻って35歩同歩46銀

歩を突き捨ててから銀を出ます。45歩33角成同桂35銀27角

28飛もあります。37飛49角成34銀同銀同飛32歩

銀をさばいた図で評価値は+35、これも互角です。

途中34銀ではなくて26銀として

36歩同飛27馬33飛成26馬66角

この図も評価値は+60、互角の範囲です。(むしろこの図で後手良しではない方が不思議に思いますが。) 

最初に戻って

AIの第一感は35歩だったのですが、読み進めてみると結構難しい図になります。第2候補は55角で、63金に35歩同歩46銀と攻めてどうか。

同じように45歩33角成同桂35銀27角

違いは後手の左金が52か63かということです。37飛49角成26銀

33飛成が飛取りになりますね。だから36歩同飛27馬は利きません。32飛34歩36歩同飛27馬39飛

34歩が厳しくなっていて、評価値は+418で先手有利です。34銀とされたときに同飛26馬43角25馬

35歩31歩33飛成同飛25角成

これは一本道を外れないように指さないといけないのですが。ここから駒得で息長く指すのではなくて、28飛61馬同銀44角

強く攻めて優勢に持っていくのだと言います。

戻って、55角63金35歩同歩46銀の図で

後手45歩は先手有利になりました。32飛と受けるのは穏やかで、35銀51角34歩

44銀のねらいがあるので、54金77角65歩46歩

73角36飛63角37桂

先手は攻めの良い形ができたのですが、角交換はできないので85歩を取れず、24歩86歩88玉24歩45歩

玉頭に拠点を作られましたが、77角をさばければ先手が良くなります。66歩同歩62飛44歩52銀22歩

こうなれば先手有利(評価値は+392)です。後手の応手も変化するでしょうが、先手が手順を間違えなければ良くなるのでしょう。

また戻って

最善手は54銀のようですが、77角45歩33角成同桂57銀

これは77角~35飛ねらいなので、後手から44角66角同角同歩44角34角

65歩23角成66歩77桂75歩同歩64金34歩

先手玉まわりが乱れていますが、駒得のほうが大きくて評価値は+147の先手もちです。ただし受け損なうと後手有利になるでしょう。AIの最善手を追いかけると面白いのですが、76歩同玉25桂33歩成62飛

34と65銀87玉75金65桂

77歩同銀76歩同銀同金同玉75歩

87玉65飛44と67歩成66歩

76銀88玉77銀不成89玉

66と には32馬、58と には同飛67金28飛66銀成同銀同金78歩・・・後手の攻めが続きますが、形勢は先手有利(評価値は+452)です。

難しい変化で分量も多くなりましたが、先手がおもしろく戦えるようです。

 

 

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(9)

2023-05-23 | 基本定跡の研究

昨日の続きです。

38飛に74歩は先手もちでしたから、後手は82玉と入ります。ずっと前に検討した右46銀急戦では、35歩同歩46銀45歩33角成同銀35銀46歩同銀27角・・・というのは後手良しでした。昨日検討した筋で35歩同歩同飛43銀

34歩22角24歩同歩95歩

この後手玉の位置で成否が変わります。95同歩同香同香23歩

これも成功したように見えるのですが、95飛と取った手が何でもないというのが違いです。(74歩71玉の形ならば飛を成り込めます。) 後手のしのぎは34銀同飛33角

銀を捨てて角を助けます。でも22銀があって43金

と受けます。33銀成同金35飛98香成

この図で評価値は-151、後手もちです。香歩2と角の交換で成香を作られているので、先手の駒得とは言いにくいですし、9筋を破られているというのも大きいです。31角52飛22歩成あるいは22角があるので先手も戦えなくはないのですが。

ということで

この図から天守閣美濃にしてみます。86歩74歩87玉84歩78銀

藤井システムを回避して、天守閣美濃に組めたというわけです。代わりに引き角にしたときの攻撃力が低下しています。

これが藤井システムを回避した新しい基本図です。例えば、手損して四枚美濃に組み替えてみます。43銀66銀45歩79角44銀

28飛22飛37桂54歩77銀引63金66歩73桂

飛は2筋に戻して、四枚美濃には組めるのですが、攻撃力が低下しているので評価は上がらず、0近辺の互角です。

新しい基本図からは

急戦のほうを探るのが良さそうです。

 

 

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SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(8)

2023-05-22 | 基本定跡の研究

昨日は、藤井システムの要素に32銀型があるという話でした。

36歩を突いても43銀や82玉ではなくて64歩の形をとるでしょう。38飛にも74歩だったら。

天守閣美濃には組みにくいので、35歩同歩同飛

46銀と出るのはうまくいかないので、単に飛で3筋の歩を交換します。振り飛車が強く戦うならば45歩ですが、37桂88角成同銀

これは22角や31角のねらいがあります。44角36飛43銀45桂

32飛同飛成同銀34飛

43銀31飛成49飛68金寄

妥当な応酬をしてみると、評価値は+605、明らかな先手有利です。45桂は取られにくく、21桂は取られます。すると攻め駒の数が違うのですね。

後手としてはこの図から

45歩ではなくて43銀のほうが優りますが、34歩22角24歩同歩95歩

この攻め方は実戦であったはずです。95同歩ならば同香同香(とは限りませんが)23歩

これで先手の攻めが続きます。31角には33歩成よりも95飛~35飛とする方が良いようです。端の応対(95同香よりも94歩)が違っても評価値は+300くらい、先手有利です。

後手としては95歩を取れなくて32飛

94歩34銀38飛95歩同香92歩

(ここで46銀や55角63金46銀も有力) 33歩同飛44角35歩

こんな展開になるのでしょう。AIによると33角成同角28飛、46銀25歩28歩、88銀23飛22角成同飛55角、どれも有力で (先を読ませてみると優先度が変わってくる) 評価値は+260くらい。先手まずまずの展開です。

 

後手としては先手の天守閣美濃を気にすると、32銀のまま待機しても、急戦にされたときのリスクが残るというわけでした。

 

 

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