最後のテーマは
角道オープン四間飛車に対して、居飛車が66歩と止める形です。評価値では+200くらいあったものが+116に下がるので良く無い手です。先手は居飛車穴熊などの持久戦にして、見慣れた形で戦いたいと思うのでしょうけれど。33角56歩22飛58金右24歩
後手はすぐに向い飛車にして動きます。24同歩同角46歩
これは79角成同角28飛成を防いだもの。32金47銀42角25歩
飛交換拒否は仕方ないでしょうか。25歩のところを26歩ならばもう少しゆっくりになるのですが。33桂65歩25飛
25同飛同桂28飛17桂成同香22歩
この図の評価値は-75、黒沢先生の本でも後手ペースとなっています。だから66歩は突いてはいけません。で終わりにして良いのですが、後手がゆっくり指した場合も書かれています。
33角56歩64歩57銀62飛
それでも何か動きを見せたいので6筋をねらいにします。58金右65歩同歩同飛55歩
これは先手に66歩と止めさせたのに、それをこじ開けて先手の金銀を使いやすくさせるという意味で疑問の構想です。62飛68銀上
52金左67銀63金56銀左
このまま収めるわけにはいかないので、54歩同歩88角成同玉54金
66歩55歩67銀22飛78金42銀
こんなところですが、評価値は+374、黒沢先生の本では先手ペースとありますが、それ以上です。
第3のコースは
58金右に65歩と行かないで、持久戦を進めます。42銀67金右54歩77角74歩88玉73桂98香
ここは85桂~65歩で先手玉が危ないようですが、86桂には95角が飛取りで、63飛78玉
と戻してしまうと難しいです。65歩同歩99角成88銀98馬66銀52金左
この図の評価値は+265の先手ペース。後手は少し手が足りていないようです。
なので
この図では65歩を先にするのですが、99玉と入られて攻めが続きません。53銀78金64銀88銀
穴熊が完成してしまい、94歩36歩95歩24歩同歩
本では35歩85桂86角35歩を後手ペースだとしているのですが(評価値では+221の先手ペース)、AIによると68角65歩77銀引22飛
46角63銀35歩同歩75歩
75同銀76金
46角の利きを生かした攻めが厳しく先手有利です。評価値は+326
互いの角筋が通っている、止まっている、という違いがありまして、通っている方がうまく動けば有利になっていきます。今日取り上げた66歩は序盤構想の疑問手だと言えましょう。
気が付けば2か月近くかかりましたが、(やっと)角道オープン四間飛車を終わりにします。ちょっとした形の違いで変化が変わるので、全部覚えるなどできそうにありませんが、基本的には先手ペースで、要領がわかってくれば先手有利になりやすいでしょう。後手はあれこれ新構想を考えだすのですが、どれも対抗策があります。
相居飛車の後手一手損角換わりと同じで、後手番で手損するから有利には程遠く、序盤を研究するほどに苦しさがわかってくるという感じが似ています。
明日からは三間飛車、第2章に移ります。