第1問

ちょっと変わった指し方がありました。
A 54歩 B 47銀 C 79角
第2問

後手の言いなりでは負けます。
A 45同桂 B 24歩 C 34歩
第3問

いろいろありそうですが、ちょっと指しにくい手にしました。
A 55桂 B 45歩 C 53桂
第4問

これで有利になります。
A 55桂 B 86桂 C 88角
20180830今日の一手
5月5日の名南将棋大会から、SさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀銀と角金歩3の交換で、成銀を作られていますが先手の駒得です。終盤なので重視しません。
玉の堅さは69飛を入れれば先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角角金金桂桂で6枚。十分です。
後手の攻め駒は58成銀と持ち駒飛銀銀銀桂桂で7枚。十分です。
総合すれば先手有利か。
何手で詰めろになるか数えてみると、後手玉は42金などで詰めろ、現状2手すきです。
先手玉は69成銀で詰めろ。現状2手すきです。
先手番ですから先手有利です。
☆ 大局観として
先手玉は68飛から追われても詰みはありません。もっと駒を渡すと危なさそうですが、角2枚渡すと詰み筋があるようです。
ある程度駒を渡してもよいので後手玉に詰めろあるいは王手を続けて受けなしにすれば勝ちです。
寄せのセオリーに従えばほぼ間違いがなく、小さい駒で詰めろをかけると思っていれば良いでしょう。
× 受ける手としては飛車を逃げても仕方ない(38飛などがある)ので88玉の早逃げくらいですが、69成銀
角を渡さなければ詰みにくい形ではありますが、攻防の58飛が生じるのは後手の得です。これは形勢逆転しているでしょう。
× 歩を使うのは43歩でも69成銀
後手玉は詰みません。
○か× 実戦は42金で
わかりやすい詰めろです。後手は31銀と受けたのですが、53角
が詰めろになっていませんでした。69成銀ならば負けです。これを見逃してもらって42銀同角成31銀54桂69成銀
31馬同玉に42金が悪手。21玉の時に後手玉が詰まず、69玉
と手を戻したのですが、49飛59歩47角58桂57桂以下先手玉を1段目まで追っての詰みがありました。(68金同玉56桂以下早く詰んでいましたが。)
さて31銀の受けには31同金
しかありません。これが詰めろかどうかですが、69成銀に32金打同金同金同玉54角43桂21角
以下詰将棋のような詰みがありました。(私には到底解けませんが、21同玉43角成32金33桂22玉31銀同金21桂成12玉24桂同歩11成桂22玉21成桂12玉22金22金同金同成桂同玉23香同玉15桂12玉23金11玉33馬21玉22金まで32金打から数えて35手詰めです。)この詰み筋が見えないと負けるところです。
○ 25桂は
33金を狙っています。同時に69成銀には33桂成同玉25桂、42玉には31角
これは金3枚持っているのでわかりやすく詰みます。
43玉には32角
52玉には53歩が利いて、61玉83角
が見えれば、合駒に52金以下詰みが分かるでしょう。
25桂は詰めろだったというわけで、42銀と受けるくらい。
33桂成同銀43金
32銀同金同玉54角43銀41銀
下段に落として43角成で受けなしです。
33桂成を同玉ならば
54角43銀打25桂・・・でも良いですし、25桂43玉41角
21角と52角打の詰めろで受けがありません。
○ 42角はやはり簡単な詰めろで
31銀の受けには33角成同玉25桂
金を取って後手玉を追えます。42玉55桂52銀75角
後手は歩切れなので53歩の受けがないから詰めろ/王手を続けるのは難しくないです。54金としばって45角で取られたら負けそうですが、それだけ避けておけばよいでしょう。
42角に32飛
飛車を打って抵抗されると難しいですが、41金12玉25桂22銀
33桂不成同銀21角同玉31金打
と追いかけていけば寄せられます。
あるいは31角打
31同飛同角成同玉51飛41桂42金
(58成銀を抜いても勝ちでしょうが)42同玉54桂は詰み、22玉41飛成で受けなしです。こちらのほうがすっきりしています。
○ 53角と打てば
やはり詰めろ。先ほどの32飛31角打以下は同じ寄せ方です。
31銀に33角成とはできないので25桂
これは21金同玉21桂不成以下の詰めろです。42銀打33桂成に同玉は45桂
33同銀には43金42銀打25桂
と攻めれば寄り筋です。
△ 54角もわかりやすい詰めろで
32銀に25桂
で金をはがしていけばよいです。
51飛
が攻防でびっくりしそうですが、21金同飛25桂
金を捨てて寄せるしかないです。32金打33桂成同金25桂32銀33桂成同玉
53金42銀同金同玉75角53桂63角成
後手の歩切れに助けられてどうにか寄せられる感じです。
× 51角
では詰めろになっていないので69成銀で負けます。
☆ まとめ
正確に指せば(詰みが読めれば)先手の勝ちになる手が多いのですが、後手に持ち駒が多いので抵抗されます。
次に31角を狙う手である、42金、42角、53角のほうが受けやすくて
唯一に近い守り駒の33金を狙う25桂(42角もですが)のほうが受けにくいのです。
直接後手玉をねらうほうが厳しいですが、守りの駒をねらうほうが(遅いかもしれませんが)受けにくいというのは寄せの理論(セオリー)です。
次に31角を狙う42金(わかりやすい詰めろ)は31銀同金69成銀
の時に後手玉を詰まさねばなりません。追いかけていけば詰みそうではあるのですが、かなり難しいです。(銀を1枚もらっていますが32金打で1枚捨てることになります。)
単に25桂が詰めろになるというのを考えるほうが易しく感じないでしょうか。
33桂成同玉25桂以下角角金金金ならば詰みそうに見えます。
(桂金を交換しています。)
駒を取りに行く(33金を取りに行く)よりも、取らないで詰めろをかける42金のほうがスマート、というのが常識的です。「長い詰みより短い必至」と言われますね。しかしこの場合は後手の持ち駒が豊富(金が無いですが)ので抵抗されてしまいます。
駒得しながら寄せていけば優勢になりやすいものなのです。自分の攻撃力が上がり、相手の守備力が下がります。
後手番田中先生の手を考えます。
第1問
好判断でした。
A 84飛 B 75角 C 25銀
第2問
穴熊ですから。
A 47飛成 B 89馬 C 25飛
第3問
ぴったりの手がありました。
A 41金打 B 61歩 C 26桂
第4問
嫌なところに手を付けられました。
A 26桂 B 33銀打 C 33桂打
第5問
こんな手も成立します。
A 57飛 B 58同角成 C 59飛
20180828今日の一手
5月5日の名南将棋大会から、EさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得で、後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は25桂77角と持ち駒銀で3枚。
後手の攻め駒は73角1枚。
総合すれば先手が少し指しやすいです。
☆ 大局観として
後手が44に銀を打ったところなのですが、駒損なのに我慢した手で、これならば先手が指しやすいだろうという気がします。後手は穴熊が堅いというのが主張ですが、先手は端攻めできるのですから、鉄壁ではありません。
さて先手としては飛車をさばいて攻め駒4枚にするというのが理想です。それならば後手玉を攻略するのも難しくないでしょう。飛車を使わないで端攻めだけでは寄せきるまでには至りません。
その前に先手玉を固めておくかどうか。後手は歩切れでも35歩同歩同銀~46銀という攻め筋はありますから、それに対応していなければなりません。
△ 実戦は37銀で
35歩同歩同銀に36歩で銀を追いかえせるようにしたのだと思います。あるいは18飛の構想もあり得ます。
後手は24歩で催促して、13桂成同銀14歩
銀を引くのも難しそうですが、14同銀同香同香45銀
少し駒損なので攻め続けるしかないです。55歩34銀22香13歩同桂15歩同香14歩
駒損は回復したものの難しい戦いが続きました。
○ 28玉と入城したらどうか。
35歩同歩同銀に14歩同歩13歩同桂33歩
うまく反撃しているようですが、25桂32歩成同飛
これは大失敗です。先手玉がもちません。
途中35歩同歩同銀に57銀
と受けて、36歩37歩同歩成同銀
しっかり受けに回れば悪くはありません。
それよりは35歩を取らないで84歩
84同歩64歩同歩63銀53飛74銀成36歩
角を取ると37銀が生じるので難しくなりますが、33歩同桂同桂成同金45桂
桂を渡すだけにして、銀を手に入れて(将来受けに使い)後手の攻めをけん制する指し方ならば先手よしです。
後手としては64歩には同角
のほうが攻撃的です。84飛82歩74飛73歩64飛同歩63角
飛車をさばいて後手の飛車をいじめる(あるいは81角成)展開ならば十分でしょう。
84飛には73桂
のほうが穴熊らしいですね。81飛成65桂66角45銀
55銀同飛同角同角同歩36銀33歩
寄せ合いになりますが、二枚飛車で攻められる先手のほうが勝ちやすいです。
△か○ 29玉だと
73角の筋に入らないというメリットがあります。だけど35歩84歩同歩64歩同角84飛73桂81飛成65桂66角82飛
同じように進んで飛車をぶつけられた時に29玉の位置が不安定です。
この場合は83飛成として
65桂ならば44角同歩63竜で有利です。後手は桂を跳ねられず、先手は74竜~63竜を狙う感じです。
○ すぐに84歩だと
84同角が王手になるので、28玉55歩
1歩渡して攻められそうです。これがまずそうに見えるのですが、64歩同歩84飛同歩63角
飛車を切って(さばいて)角を打ち込んでみれば先手よしです。
○ 64歩から入って
64同角84歩だと手を抜いて55歩
でしょう。(取れば前の変化と合流します。)65歩42角55歩73桂14歩同歩54銀
後手の角を42に追ったのでなんとか抑え込んでしまいます。83歩成が実現できれば先手よし、なのですが65桂同銀55飛でさばかれますね。
下から銀を打って(56銀)65桂66角
このほうが暴れられません。先手が指しやすいです。
△ 75歩は
75同歩に74銀51角63銀成
後手の角のラインがずれるので、後手の攻めは怖くなくなります。はっきりしていませんが先手がまあまあ指せます。
△か○ 14歩と攻めると
14同歩でほかの変化に合流することもできます。13歩同桂同桂成同香25桂
攻め続けると55歩13桂成同銀64歩同歩(64同角は69香~63香成)18香打22桂
くらいの進行です。後手の角筋を止めたので14香同桂15歩くらいでまあまあです。
× 他には55銀とすると
後手の中途半端な44銀を相手にしてしまいます。55同銀同歩同角同角同飛
後手の66角を良い形で受けにくいです。
☆ まとめ
形勢判断してみると、先手の攻め駒が3枚だとわかります。端を攻めると19香も攻め駒になるわけですが、先手の守りの駒でもあるわけで、難しい判断です。
それよりは88飛を使う方が良いです。64歩か84歩か、その前に28玉か29玉か、というのは迷うのですが、飛車をさばいてみたいのです。
先手玉がしっかりしていれば(28玉と入っていれば)角と交換して打ち込むくらいでも十分です。
先手玉が薄ければ交換せずに竜を作ってけん制します。
その時の含みに持ち駒の銀を打ってけん制する、64歩同歩63銀という筋が関係しています。後手がこれを嫌うなら64歩には同角、ならば84歩同歩同飛が実現する(その手順が悩ましいですが)という仕組みでした。
先手だけ持ち駒の銀という利点を生かせました。