名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS3-4 ダイレクト向い飛車(6)

2024-03-31 | 基本定跡の研究

大石先生の本には先手の変化も書いてあります。

74角43角成52金右の時に75歩

これが今日調べる先手の変化で、後手は対応策が必要です。85角は65馬と逃げられるので、43金74歩同歩

この図の評価値は+61です。なお後手は52金右の所を52金左とすると

この図にもっていくこともできます。評価値は+113で、後手としては最初の図のほうが良いみたいです。結局同じことになりそうではあるのですが。戻って

とりあえず駒の損得は無し。後手が手得をしているようです。右金の位置が乱れているとも言えますが。

ここから、78金に72飛から相居飛車で指すこともできます。まあダイレクト向い飛車を指したい人は振り飛車党でしょうから、78金62玉46歩52金47銀64歩77銀72銀79玉94歩96歩63銀25歩54金58金65歩、後手は6筋の位を取ろうというのが工夫です。対して先手は82角を打って

73角同角成同玉という形にさせるのがささやかな工夫です。以下定跡本では後手が64角を打つ流れで後手の作戦勝ちとされているのですが、

評価値は+117ですので、先手ペースです。

戻ってこの図から

73角同角成同玉に、AIのおすすめは56銀です。

後手は73桂と跳ねられないので、42飛47金72玉66歩

6筋の位は消えてしまうのです。66同歩同銀73桂65歩

この図の評価値は+250ほどで先手の作戦勝ちです。後手の6筋位取りは失敗でした。

では後手がどう指せばよいのかAIに聞いてみましょう。

78金62玉46歩42飛

47銀54金48飛

先手は4筋を守るしかなさそう。52金77銀94歩96歩44銀58金55銀

後手は左銀を中央へ。56歩64銀66歩75銀

67金左73桂76歩84銀、そこで分岐しますが、例えば25歩を突けば45歩と合わせます。

こんな戦い方をすれば、評価値は+60のまま。今日の先手の変化については、後手も対応できるようです。

(新しい戦型でまだまだ経験値がないと、大石先生でも駒組や形勢判断に間違いが増えます。)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(5)

2024-03-30 | 基本定跡の研究

手順のおさらいから。

22飛 (ダイレクト向い飛車) には65角があります。74角43角成52金右

52同馬同金75角

ここで42飛が大事な手で、74金同歩からこの図まで進んで

先手が36歩を突いたら、後手は自陣角を打ちます。昨日は37銀に35歩でしたが、後手がうまくいきません。AIの選択は73桂。

56歩に45金を打って

24歩同歩55歩同金35歩

先手は軽く2,3筋を攻めます。95歩同歩97歩に86銀は受けの形です。

ここで65金があって、76金~87金を防ぐために先手は97銀

76金88銀97歩同香85桂

77歩97桂成76歩88成桂同玉

この図の評価値は+231の先手ペースですが、本当でしょうか。27香に55歩45角46歩

飛角の取り合いにするというのは考えにくいです。28香成45歩29成香82角

評価値は+377の先手有利になっているのですが。61桂91角成39飛59角

ここまで進めば先手有利ははっきりします。知っていればの手順で、先手が知らなければ違う変化を選んで互角だろうと思います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(4)

2024-03-29 | 基本定跡の研究

ダイレクト向い飛車の課題は、内藤大山戦のころからあるのですが

65角を打たれることです。

74角43角成52金右

ですが先手の馬は死にます。52同馬同金75金

後手の角も死んでいて、この図の評価値は+106で先手ペース。しばらくの手順を省略しますが

自然に指せばこれくらいの図になるでしょう。先手は1歩得、後手は金も手持ち (攻め駒) にしています。ここから先手は右四間飛車にして

後手に隙があれば16角を打ちます。

54歩44歩同銀43歩

43同金同角成同飛34金

この図の評価値は+846の先手有利。1歩得したら得した筋の歩を伸ばすのが筋の良い指し方です。

後手はこれを回避しなければなりません。この図に戻って

42飛74金同歩58金右64歩78玉62玉77銀72銀25歩63銀96歩94歩36歩54角

後手が先に42飛としておけば、先手の右四間飛車をけん制できます。この54角がねらいのある手で、37銀に35歩

35同歩とは取りにくく、26飛36歩46銀

でも36歩も取れない (36同銀に15金があった) のでは後手が良く、44銀24歩45歩23歩成46歩

ここまで進めば後手良し、評価値は-246あります。

途中で

35同歩とは取りにくいのですが、27金48飛37金同桂27角成の時に、大石先生の言う38金を打たないで、AIは82角が良いと。

93香91角成72銀打82金

37桂は守らないで、桂を取り合うような形のほうが優ります。この図の評価値は+173の先手ペース。玉に近いほうの桂香を取られる方が痛いです。

後手の最善は・・・長くなったので明日に回します。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(3)

2024-03-28 | 基本定跡の研究

「逆棒銀」の変化で

先手が36銀ではなくて36歩と受けたらどうか。25銀38金52金左37桂

この37桂はちょっと危ない手です。26銀27歩39角

後手に強攻手段があるのです。29飛には37銀成

ここはどちらかを取るのですが、39飛は47成銀同金27飛成

評価値は-55で後手ペース。

戻って

37同金は48角成38金47馬同金38銀

評価値は-414で後手有利。

あとは

39同金として、37銀成66角33桂打38銀

28成銀同金48飛68銀46飛成

この図の評価値は+60の互角。先手が悪いわけではないけれど、危険だということはわかりました。

ということで37桂に替えて68金と待つのが良いのですが

大石先生の解説にある14歩というのは疑問手です。 (14歩37桂27歩15銀と進むが、15銀の所で39角も難しい。) 41角と打って

33桂23歩42飛37桂

ここは角を捨ててしまうのが良い手順です。41飛22歩成

この図の評価値は+250の先手良し。角損は取り返せます。

なので正しくは

この図から33桂24歩14角

24同飛には15角があったので、大石先生は14歩を突きたかったのでしょう。代わりに14角ではパッとしません。66角44歩同角43金66角

35歩16歩24飛15歩

32角35歩26銀25歩

25同飛36銀23飛45歩

AIは難しい手順を最善だとしていますが、この図の評価値は+227の先手ペース。

次の案はこの図に戻って

26銀27歩15銀

早く銀を出て27歩を打たせることです。56歩14歩45歩33桂66角

24銀37桂64歩29飛65歩

57角45桂同桂44歩

ここは64桂も見えますし、16桂 (銀は逃げられない) 45歩24桂

銀得にするのもあります。33角41銀

24角同角同飛52銀成同金

44角21飛33角成

桂歩と金の交換で馬を作っているから先手の駒得と見ますが、評価値は+51しかありません。後手には攻め駒が多いから難しいのでしょう。一例ですが、後手はこれが一番良い感じです。後手をもってこの図が嫌だと感じるならば、ダイレクト向い飛車はやめておくことです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(2)

2024-03-27 | 基本定跡の研究

後手としてはこの図から

24歩同歩同銀がどうかです。先手が36銀と受けて

25歩に56角

12角23歩同角25銀同銀同飛32金28飛

大石先生は28飛の所で24歩12角23銀が指し過ぎなので難しいとしているのですが。14角22飛成同金28飛25飛同飛同角28飛24歩68金

この図まで進んで、評価値は+122です。先手ペースですが、それほど高くはないという数値。

大石説は途中の12角に23歩ではなくて58金右と待って

33桂16歩52金左15歩35歩

12角成同香47銀26歩同飛25銀28飛

以下26銀11角27銀成22角成28銀で後手自信なしとされています。でもAIによるとここで39角があり、38飛には36銀が利く (同歩は29飛成、39飛は47銀成同金28飛成) のです。なので先手は11角を選んで

28角成22角成19馬33馬29馬

この図の評価値は-117の後手ペース。

他に大石先生は12角の所で33桂

34歩を取らせる指し方も書いています。手順省略で

この図になり、98香から穴熊で一局としているのですが、AIに聞くと45歩62金48飛

43角成同金44歩の攻めを見せつつ、後手が何もしなければ98香から穴熊にするほうが良いと。この図の評価値は+238で先手の作戦勝ちです。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(1)

2024-03-26 | 基本定跡の研究

項目を改めてダイレクト向い飛車を調べてみます。後手の急戦向い飛車ではあるのですが、変化が多いです。

後手一手損角換わりと同じスタートですが

途中下車なしで向い飛車にするというもの。1手損ですが、角交換四間飛車で22飛と振り直すことを考えれば、さらに1手損はしないという考えです。私のブログで、大山将棋研究のところから読んでいる人はご存じでしょう。先手が内藤國雄先生、大山振り飛車を封じるために先手から一手損だけど角を交換して、でも後手大山先生が向い飛車にした、という棋譜がいくつかあって、それが源流です。

定跡本としては、大石直嗣先生の「ダイレクト向い飛車徹底ガイド」をもとにします。後手のねらいとしては

美濃囲いに組んでから

下段飛車に構えます。でもこれは33角戦法の所で似た形を調べましたね。33角戦法ならば後手が手損をしないので、それに劣ります。この図ならば先手は56角と打って戦うのが有力で、評価値は+195、先手の作戦勝ちとして良いでしょう。大石先生は先手が居飛車穴熊に組み替える例を示して

形勢互角としています。評価値は0近辺です。

なので後手としては

この図から24歩同歩同銀と「逆棒銀」がどうかです。それは明日から調べますが、先手はそれを嫌うならば、25歩を突かなければ良いです。

こんな形が想定されて、42金 (21飛は45歩同桂同桂同銀33桂の筋ができる) 29飛21飛

この図の評価値は+141で先手ペース、玉頭位取りなどが想定されます。56角の筋が消えている (12角の受けがある) のでちょっと損ですが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-2 急戦向い飛車(29)

2024-03-25 | 基本定跡の研究

先手が居飛車穴熊ではなく

左美濃にしたらどうか。といっても3~5筋の歩を突いていないので、銀冠から穴熊にするのがねらいです。72銀96歩94歩86歩32金46歩

後手が急戦をねらった場合、46歩を突いておくというのが対抗策です。24歩同歩同飛に同飛同角45歩

これがまあまあの厳しさです。26飛44歩52銀22歩

この歩は取れません。33桂21歩成29飛成22と

22同金42飛47歩59銀

この図の評価値は+512の先手有利。

ですが途中に課題があります。44歩の取り込みには54銀とかわして

22歩33桂21歩成29飛成22と

同じように攻めてみると、22同金42飛21歩43歩成51金

飛が捕まってしまいました。評価値は-165の後手ペース。

なのでこの場合は

22歩ではなくて、43歩成同銀11角成33角同馬同桂

この図の評価値は+92、先手ペースといえるかどうか。後手も戦えそうです。

なお後手が急戦を選ばなかった場合、安用寺先生は

こんな図とか (先手十分とされるが、評価値は+106でこれから。55歩同角54銀が有力。)

こんな図を想定しています。(互角とされていて、評価値は+123。)

これで44歩と止める形の向い飛車は終わりです。先手の居飛車穴熊には十分対応できるし、急戦にも弱くないです。後手番振り飛車としては優秀でしょう。課題は中央位取りや45歩急戦です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-2 急戦向い飛車(28)

2024-03-24 | 基本定跡の研究

角道を止める向い飛車の最後は

先手が56歩も保留して玉を囲う形です。25歩33角を決めているから、後手のうそ矢倉に対応しやすいけれど、雁木の可能性はあります。ねらいとしては

早く居飛車穴熊に囲おうというもの。後手は32金として

急戦の構え。ここからの攻防ですが、79金24歩同歩同飛25歩22飛36歩14歩46歩

ここから3通りに岐れます。13桂37桂35歩47銀

安用寺先生は先手有利だとされるのですが、評価値は+160の先手ペースというくらい。後手の最善は26歩同飛15角27飛25桂

25同飛37角成22飛成同金45歩

これで評価値は+148、最後の45歩を知らないと銀を逃げそうなので評価値は下がります。

戻って

45歩とするのは、24歩77角成同銀

44角66角同角同歩44角

23歩成同金31角26歩22角成同金と進んで

37銀で互角とされているのですが (評価値は+248の先手良し) 、45歩か41飛を選べば先手有利、評価値は+450くらいあります。

戻って

後手の最善手は44角ではありません。46歩として55角33角同角成同桂23歩成

23同金31角26歩

ここでまた2つに岐れて、53角成52銀26馬64角

37桂25歩27馬24金

この図の評価値は0近辺の互角です。

もう一つは

22角成同金41飛32金88銀

27角同飛同歩成11飛成26飛

この図の評価値も0近辺の互角です。

どれも難しいから、先手の対策が不十分だと結論を出しても良いのですが、

もう一つ54銀もあります。24歩65銀58金76銀

本に書いてある86角52金68金寄24飛同飛同角というのは先手が悪いのですが、55角と逃げておけば評価値は+137の先手ペースです。

また、54銀に24歩ではなくて、86角42金59金

というのも評価値は+127の先手ペースです。

だから安用寺先生は居飛車穴熊が危険だという結論ですが、その理由としては後手がもっと早く

98香を見て32金99玉24歩同歩同飛

25歩22飛36歩45歩

美濃囲いにする前に戦うほうがわかりやすいです。先手はすでにまとめにくい図に見えますが、88角同角成同銀33桂に77角と手放して、21飛59金右

とすれば収まります。この図の評価値は+25の互角です。先手の得は失われているのですから、居飛車穴熊は有効ではありません。後手の向い飛車は先手の居飛車穴熊には強いとわかります。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第251回名南将棋大会(弐)結果速報

2024-03-23 | 名将会

本日は第251回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

荒木昭一さん

美和剛さん

本郷聰弘さん

華房永茉さん

G級優勝

桑山湧吾さん

H級優勝

髙木弘志さん

沢田常夫さん

I級優勝

地下好さん

J級優勝

廣瀬孝さん

木村克司さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

過去12回分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

今日のトーナメント表の画像です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-2 急戦向い飛車(27)

2024-03-23 | 基本定跡の研究

後手の52金左に、先手は78銀が無難な対応です。

後手はすぐに24歩同歩同飛などの動きは無理です。先手は居飛車穴熊を断念したというわけではなく、

銀冠にしてから穴熊に組み替えることはできます。後手も銀冠穴熊にするには、左銀を寄せていくに手間がかかります。なので73桂99玉14歩16歩32飛46歩42角

後手は3筋から動こうとして、先手はそれを阻止する対応を選びます。38飛13桂68銀

安用寺先生は銀を引く順を書いているのですが、これがおかしな手です。25桂79銀35歩同歩37歩

28飛としても36飛に36歩同飛25飛24歩ではまずく、39歩24歩

この図の評価値は-65、互角ですが先手として面白くありません。

戻って

38飛13桂には17桂

しっかり守らねばなりません。以下は進行例ですが、25桂同桂24歩45歩

25歩44歩同銀48飛43歩

45歩53銀44桂

12飛52桂成31角53成桂同角

先手の駒得ですが、後手は桂2枚を持ち駒にしています。この図の評価値は+56の互角。後手としてはこの指し方が最善だと思われます。

安用寺先生の本には他の指し方も載っていて (実戦例でしょうか)

後手は高美濃のまま65歩を突きます。99玉32飛68銀66歩同角35歩

今度は3筋に目を向けましたが、84角45歩77銀

この図の評価値は+335先手有利です。

次の例は

銀冠に組み替える瞬間に24歩と動く指し方。24同歩同飛25歩22飛36歩

後手の35歩~34銀~25銀を阻止します。54歩78金84歩46歩14歩

13桂からの動きを見せられたところで、45歩同歩24歩

24同飛でも同角でも先手が良いとされているのですが、24同飛のほうに面白い変化があります。同飛同角23飛27飛

43飛成57角成は互角です。21飛成46歩同銀32銀

32同竜46角52銀

52同金同竜29飛成

この図の評価値は+193で先手良し。

最後は44銀型です。

99玉42飛に36歩を突いておくのが大事な手で、55歩の攻めに

同歩同銀24歩同歩35歩

先手十分と書いてありますが、評価値は+451の先手有利。

途中24歩に同角のほうが後手の最善手ですが、35歩46歩同歩同銀68銀

この図の評価値は+371の先手有利。

後手としては三間飛車+13桂の形で互角くらいの岐れです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする