第1問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/1a/50b5c28c0bc9134cee197d16ec5a6075.png)
いろいろありますが、先手陣を乱します。
A 88と B 69角 C 57角
第2問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/6a/ab59019607d85b1373c54f8ed93ae784.png)
平凡な手ですが、意味があります。
A 77歩成 B 99と C 58馬
第3問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/af/e8c96151c4e2012a52709a0301699772.png)
桐山先生は駒得になったので、遊び駒を生かします。
A 11香 B 75銀 C 77歩成
第4問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/e9/b9d27cea0c43546e150f5f40e8823baa.png)
強気で寄せ合いに出ます。
A 18歩 B 69飛行成 C 56銀
第5問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d4/5172428c966e6ce5e67bbc17daa001aa.png)
どう受けますか?
A 64歩 B 55香 C 83玉
20171129今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、NさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。後手Fさんの角交換四間飛車で
自陣角を打って動きました。75歩55銀同銀同角66銀64角24歩同歩同飛23歩28飛に35歩
先手Kさんは銀交換にも銀を打ち、なるべく穏便に対応していますが、飛車は26に引いておけば35歩はなかったです。ただし後手がうまくいくかかどうかは微妙なところです。26飛36歩同飛に25銀
こんなところに銀を打つのは空振りだとひどいことになるのですが。35飛24歩というのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度ですが、先手は76の空間が気になります。少し後手のほうが堅いと見るべきかも。
先手の攻め駒は35飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は64角1枚。25銀が攻め駒だとは言いにくいです。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
後手Fさんは自陣角を打ち、交換した銀も中途半端なところに打ってしまいました。「技をかけに行った」わけです。形勢互角なのに技をかけに行くのはかなり怖く、多くの場合はとがめられる手段があります。問題図では76に空間があるので、無理にでも飛車を取りに行きました。これがうまくいくかどうか。
先手としては飛車を取られるまでに2手かかりますから、助けるか、捨てるか、選択権があります。どれが一番得かという考えどころです。
△ 歩を使う手から考えてみます。実戦は34歩と「敵の打ちたいところに打て」でした。後手の23金で
またも飛車取りを狙われます。この図なら33角と指したくなります。33同金同歩成44飛43と
34飛45飛(同飛もある)27角44と36銀
互いに素直に応じないと面白い手順がありますが、結局は飛の取り合いです。角金交換だけれど と金が残りますから良い勝負でしょう。
実戦は33角と打ちこまずに22歩
後手は22歩を取るのは利かされなので、勢い34銀同飛同金21歩成39飛
飛と銀桂の二枚換えです。ただし桂香を取られるので駒得は消えてしまいます。けれどこの局面なら76桂と打てば角を取れますね。だからまだ形勢は互角のはずでした。それを逃して
逆に76桂を打たれては負けでしょう。
△ 先に22歩なら
22同金は31飛成、33桂は34歩ですから、34歩25飛同歩21歩成39飛76桂
やはり飛と銀桂の二枚換えになります。実戦と同じようなことで、76桂を打てば形勢互角です。後手の左金の位置が34か32かという違いです。
△ 46歩もあって
飛車を助けようとしています。46同歩には43歩
がぴったりで、どう応じても飛車を助けられます。
46同歩でなければどうするかが後手は悩ましいのですが、例えば33金(飛詰めろ)で催促して、45飛同飛同歩
36歩48銀19角成76角
くらいでしょうか。良い勝負だと思います。
○ 次は角打ちを考えます。31角が一番厳しい手で
52飛に22歩33桂34歩
角を犠牲に飛を助けています。31金33歩成36歩43と51飛
36銀同銀同飛19角成42銀
飛車は取れます。ここで41金がうまい受けで51銀成同金左32飛成76香77桂打
と金と銀の交換くらいで、と金で金を剥がして2枚飛車で攻めていきます。まあまあ攻め手が続くので形勢互角でも先手が勝ちやすいかもしれません。
× 他には56角と打てば
後手は45飛あるいは角を防げないので飛車は助かります。31歩と打ったら45角~56角か18角でゆっくり指します。
33金で催促して、45飛同飛同角39飛18角
角を引いて桂を守ります。37角成同桂19飛成45角76香
角を打っての飛交換では先に76香(か桂)を打たれるのが厳しくなります。(46歩の変化のように、76角打でもいいから先に埋めておきたいのです。)
× 18角でも同じことでだめですが、さらに36歩
と打たれるかもしれません。ただし36同角と取って互角ではあります。
○ 76角あるいは65角と打ってみると
この角の筋は止められないです。34歩に32角成同飛45飛
後手は角だけなので飛成を防げません。飛を成れば桂か香を取れそうです。後手からの角の打ち込みには金を打って守ることもできます。
ということはの変化は先手有利です。
☆ まとめ
76の空間があいているので、9段目に飛車を打たれて76香あるいは桂の筋がかなり怖いです。けれど飛を取りに来られて、ちょっと困ったかなあ、という問題図でした。
角を打って飛を助ける(飛交換にする)56角あるいは18角はその理由でうまくいきません。
実戦の34歩~22歩、あるいは単に22歩で飛と銀桂の二枚換え、というのは受ける駒を手に入れられるので有力です。ただし飛車を打ち込まれて桂香を拾われる筋に無力なのですが、先手から76桂と打って角を殺せました。
それよりは角を捨てて飛車を助けるほうが、筋は悪いですが有力です。
31角から攻め続けるか、76角(あるいは65角)から角金交換で飛を成る順にするか。
筋は悪いのですが、飛を助けると後手が25銀と投入したのが空振りに終わります。攻めている間に駒損が消えて行くのです。
後手から見ると銀を打ったのに24歩と突いて手番を渡した問題図はかなり怖いです。
将棋は自分一人で攻めるよりも、カウンターで攻めるほうがはるかに勝ちやすいゲームです。戦力互角なら当たり前な気はしますが。
20171127今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、KさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
この将棋は先手三間飛車で腰掛銀
という珍しい組み合わせでした。後手の65歩急戦には腰掛銀から玉頭銀というのが有力な対抗策です。
ここから向い飛車に転じて飛車をぶつけたら
かなり乱暴な指し方ですが、85歩を打ってもらえるなら十分です。後手は歩を打たずに86同飛同角87飛で有利でしたが。
さて無理を聞いてもらい、玉頭銀を進出して端攻めから
後手の86歩の突き出しに93歩成も利かせた
というのが問題図です。かなりやりたい放題の展開ですね。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、と金を作っている分だけ先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は34銀93とで2枚。77角88飛99香は(全部は無理ですが)使えそうです。
後手の攻め駒は22角1枚。84飛は使えそうです。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
3つの要素を少しずつですが上回っています。攻め駒を増やすことを念頭に、飛角をさばいていければ優勢になるでしょう。
後手からは87歩成が狙いです。成らせてさばくか、成らせないか、という選択です。
△ 利かしとしては53歩同金
を入れるかどうか。まだ持ち歩があるので、多分損にはならないです。先に利かせるほうが良い変化もあるでしょう。
× 86飛が一番強い手です。
86同飛同角87飛
でも角金桂取りで飛車を打たれてしまいます。ここではどれを取られるのも思わしくないので、「両取り逃げるべからず」で83と86飛成73と99香成63と同銀
これでも大きな駒損ではないので戦えます。形勢は悪くないですが、他の変化に比べて劣ります。
○ 86角なら
ちょっと嫌な形なのですが、65桂に67金としておけば後手から厳しい手は少ないです。55角くらい。
46角~36歩とか79角成の狙いです。47銀では離れ駒が多いので、85歩同飛77桂
桂馬をさばいたらどうか。77同桂成同角88飛成同角87飛77角85桂88歩
77桂成か77飛成で駒損になります。飛車をぶつける筋はうまくいかないようです。
であれば83と
と金を捨てて香車を取っておきます。83同飛91香成46角26香
香を持つとここに打てるのが玉頭銀を生かす指し方です。後手の角が22にあったらかなり厳しかったのですが、こういう時は24歩同香22歩というのが受けの手筋です。そこで65歩
これで22香成から77角の王手飛車の筋を狙えます。79角成は怖くないわけで、手順に桂香を得したのですから、先手有利が広がっています。
○ 65歩というのが振り飛車の常套手段です。
77角成同桂87歩成に66角
86飛11角成88と55歩
飛車を取られても香銀と取れますから(後手玉がさらに薄いのに注目で)先手優勢です。
後手は44角と合わせて馬を消すと
44同馬同歩64歩同銀97角
(これが見えなければ64歩と取り込まないで95角でも良いです。)これも先手優勢です。
○ 実戦は83と
83同飛91香成の駒得です。87歩成に84歩同飛95角
と切り返しで出れば、85飛73角成88と26香
二枚換えで攻められますから十分でした。
実戦は95角を逃して85歩同飛86歩77と
ここで飛車を取り合って(85歩88と)26香
ならばまだ先手が有利でした。
実戦では77同桂と二度目の疑問手で、95飛に26香
では飛車がさばけていません。攻め駒不足で逆転、押し切られました。
○ 92歩だと
香を取るのが1手遅れます。でも87歩成95角85飛に58飛
で78と には86歩を打てるので、案外に悪くありません。後手が攻めあぐねている形です。
○ 単に58飛だと
87歩成95角85飛92歩なら前の図に合流します。(先手有利)
後手は85飛を先にしたらどうか。83と
と対抗します。87歩成73と77と同桂87飛成91香成77竜63と同銀
全部取り合うとこの図です。ほぼ角と銀香の交換で2枚換えです。
攻め駒が多いので53歩同金45桂44金33香
と攻めていけるから、先手が十分に指せます。
☆ まとめ
先日にもやりましたが、振り飛車が向い飛車にして86歩同歩同飛とぶつける筋は、85歩と謝ってもらえるなら振り飛車の得になることが多いです。そこから手がなくて87歩と謝るとか、問題図のように後で居飛車から86歩と突きだされてまずかった(この場合はまずくなかったです)、ということになると話は別なのですが。
でも86同飛同角で角が浮いてしまい、その角でなにか(金銀とか)を取る筋が無ければ無謀です。居飛車党としては少し自玉が薄くても取ってしまえばよいことのほうが多いでしょう。振り飛車党は交換で飛車を打たれた時の対策がなければいけません。
問題図では無理(疑問手)をやったのに相手にとがめられなかった、とすれば疑問手が好手に替っています。さらには玉頭銀が大きいので先手有利の局面でした。
65歩から角をさばき、飛車を捨てることになっても優勢です。
86飛は前述の理由でうまくいきません。
86角はかなり不安な形ですが、この場合は何とかなっていました。
それ以外には
92歩~58飛と飛を逃げておいても(角は95角で逃げます)先手が有利でした。それまでの貯金があったからです。58飛が先でも良いようです。
実戦の83と同飛91香成でも、飛車を捨てて26香を打てれば有利です。
対抗型で居飛車急戦の場合には、振り飛車は駒を捨ててもさばいて指せる、ということが出てきます。飛車を捨てても角をさばければ、さらに左桂をさばければ、ということは多いです。
背景には振り飛車の美濃囲いが堅いから、という貯金があるためです。ここでは美濃囲いが乱れていますが、玉頭銀が大きな存在でした。