名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(102); 三間飛車から乱戦

2016-03-22 | 大山将棋研究
昭和48年6月、花村先生と第14期王位戦です。


花村先生が三間飛車、大山先生は居飛車に。

後手の角筋が通っているためか、普通の位取りの将棋にならず、大山先生は46銀と繰り出します。大山先生はこういうほうが多いですね。花村先生は妖刀、金を繰り出して反撃の構え。

花村先生は右4間と言っていいのでしょうか、6筋を狙います。

右銀を引けば後手の攻め駒は3枚なのでつぶれはしません。

花村先生は攻撃続行ですが、6筋は取り込まずに33角から少しゆっくり指すほうがいいのでしょう。

金銀交換の後、86角と打つものですか?これはよくわからない手です。

花村先生は53を受けずに桂馬を跳ね、大山先生はじっと歩を突きます。45桂が入るとうるさそうですから。

21飛成のほうが普通の手なのですが、飛車先突破が確定すれば角は取ってもらった方がよいという催促で桂馬を跳ねます。

大山先生は寄せ合いで勝とうと思っていませんね。角を取られなかったら33桂をいじめに行きます。

花村先生は桂馬を捨てて歩を垂らし、勝負の形を求めます。取れば33角。

当然ではありますが金打で受けます。67角には66銀なので花村先生の6筋の攻めはここまで。

花村先生は2筋を逆襲しますが、53角成が残っていて

大山先生は角を急所に移動できました。これで66の歩を払えます。

花村先生の65銀から64歩は形つくりに近く、大山先生は34歩から駒の取り合い。先に銀をもらっているので文句はありません。

投了図。


花村先生らしいやや無理な動きを余す大山先生の指し方が独特です。86角や77桂や35歩が大山流ですか。飛車成を重視していないで、生飛車でも横利きを生かして中段で使うのを好んでいるし、玉の囲いをおろそかにはしないのですが、がっちり固めるよりは柔軟性のある形を好んでいる(77玉と逃げ出す)という印象です。少し得が残ればそこからは欲張らないで相手の言い分を聞いて面倒を見てやり、簡単に勝とうとしないのだなあ、と思いました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山9段
後手:花村元司8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 6八銀(79)
6 3二飛(82)
7 6七銀(68)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二玉(62)
11 7八玉(68)
12 8二玉(72)
13 5六歩(57)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 4八銀(39)
18 5二金(41)
19 2六歩(27)
20 6四歩(63)
21 5七銀(48)
22 6三金(52)
23 4六銀(57)
24 5四金(63)
25 2五歩(26)
26 6二飛(32)
27 5八金(49)
28 6五歩(64)
29 5七銀(46)
30 6六歩(65)
31 同 銀(67)
32 3六歩(35)
33 同 歩(37)
34 6五金(54)
35 同 銀(66)
36 8八角成(22)
37 同 玉(78)
38 6五飛(62)
39 6六歩打
40 6二飛(65)
41 2四歩(25)
42 同 歩(23)
43 8六角打
44 3三桂(21)
45 4六歩(47)
46 4二銀(31)
47 2四飛(28)
48 8五銀打
49 7七桂(89)
50 7六銀(85)
51 3五歩(36)
52 6五歩打
53 同 歩(66)
54 4五桂(33)
55 同 歩(46)
56 6六歩打
57 7八金打
58 3三銀(42)
59 2六飛(24)
60 2五歩打
61 2八飛(26)
62 2二飛(62)
63 2七歩打
64 6二金(61)
65 6四角(86)
66 6三金(62)
67 5五角(64)
68 4四歩(43)
69 6六角(55)
70 6五銀(76)
71 同 桂(77)
72 6四歩打
73 3四歩(35)
74 6五歩(64)
75 3三歩成(34)
76 6六歩(65)
77 2二と(33)
78 7六桂打
79 7七玉(88)
80 投了
まで79手で先手の勝ち




コメント
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