後手番大山先生の手を考えます。
第1問
いわゆる大山流です。
A 64角 B 63飛 C 33金
第2問
攻めましょう。
A 55歩 B 47歩 C 27歩
第3問
固められましたが、攻めるのはここからです。
A 65香 B 86歩 C 54角
第4問
攻防です。
A 86歩 B 83香 C 64香
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
いわゆる大山流です。
A 64角 B 63飛 C 33金
第2問
攻めましょう。
A 55歩 B 47歩 C 27歩
第3問
固められましたが、攻めるのはここからです。
A 65香 B 86歩 C 54角
第4問
攻防です。
A 86歩 B 83香 C 64香
今日の棋譜20190801
昭和43年12月、中原誠先生と連盟杯争奪戦記念対局です。中原先生が優勝しました。大山全集では中原先生の肩書が6段なのですが、この時には棋聖を取っているはずです。
大山先生の四間飛車です。
中原先生は棒銀を選びました。
大山先生は32金から角交換でしのぎ
少し駒組みの後35歩で動き出します。
大山先生は73角で65歩をみます。中原先生は34歩から38飛で
65歩に36飛~37桂が間に合いました。
6筋に位を取られたままで収めるわけにはいきませんから
35歩から77角で攻めていきます。
平凡に35歩同銀34歩。33角成同飛34銀か、44銀同金同角35銀同飛同歩11角成(53角成か)37角成、駒損になるので決行するかどうかは難しく、一度下がって
83銀を見てどちらかの筋を決行です。35同歩同銀34歩44銀同金同角35銀同飛同歩53角成でしょうか。
72金だったので(重いですが)3筋を押さえ
24歩は同歩25歩を見たのだとだと思います。大山先生は62飛とまわり
23歩成同金に11角成の前に44角。64角11角成のほうが得だということでしょう。
大山流は33金53角成43金ですよね。飛を取られても27角が残ります。
31馬には46歩同歩55歩、銀を使います。
金も前に進んで圧力をかけ55銀ねらい。
77金寄に66歩
47銀にも56歩。金銀をぶつけて交換し、67に打ち込みたいのです。
中原先生は79桂~88玉と受けましたが、84角~67歩成~48角成を見せられて
56銀同金54馬を決行しました。これは
飛が死んでいるのですが
飛と銀桂の二枚換えです。馬もあるので駒得ですが玉の堅さが違います。駒得が生きるのは26銀37桂が使えた時なのですが、それは難しいので後手有利でしょう。
大山先生は28飛~29飛成。68歩がありますね。
63歩には22飛で先手を取れました。
69金~84角も銀二枚を埋められて粘られます。
中原先生は13桂成、香を取ったのですが
銀を取られて角と桂香の二枚換え、やはり13成桂17香が働かないので思わしくありません。
32飛~66香の反撃で
62歩成同歩63歩同歩同香成、これで金をはがし
桂頭を攻め
66金右で攻め続けようということろでしたが、大山先生は角を切り
46竜で反撃です。中原先生は少し駒得になったので金を埋めて粘りました。
大山先生は8筋を攻め
31飛成は底歩で受け
47歩同竜25角と追われた拍子で竜を潜り
83香が厳しい手です。
69同銀には86歩で寄り筋です。
中原先生はやむなく馬で83香を取ってから68金を取りました。
それでも86歩は厳しいです。
反撃してみましたが
玉頭の勢力が負けているので
ここまで。
飛と銀桂の二枚換えで馬を作っているというのは駒得なのですが、余計にある銀桂が遊んでいる状態では有利にはなりません。働くまで時間がかかる場合は形勢不利です。その差は無くなりませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/12/01
手合割:平手
先手:中原誠6段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 7二銀(71)
17 5八金(49)
18 7一玉(62)
19 3六歩(37)
20 8二玉(71)
21 5七銀(68)
22 6四歩(63)
23 6八金(69)
24 1四歩(13)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 3七銀(48)
28 3二金(41)
29 2六銀(37)
30 4五歩(44)
31 3三角成(88)
32 同 金(32)
33 6六歩(67)
34 5四銀(43)
35 6七金(58)
36 7四歩(73)
37 3五歩(36)
38 7三角打
39 3四歩(35)
40 同 金(33)
41 3八飛(28)
42 3三金(34)
43 3六飛(38)
44 6五歩(64)
45 3七桂(29)
46 6六歩(65)
47 同 金(67)
48 6五歩打
49 6七金(66)
50 3四歩打
51 3五歩打
52 3二飛(42)
53 7七角打
54 3五歩(34)
55 同 銀(26)
56 3四歩打
57 2六銀(35)
58 1三香(11)
59 1六歩(17)
60 8四歩(83)
61 1七香(19)
62 8三銀(72)
63 3五歩打
64 7二金(61)
65 3四歩(35)
66 同 金(33)
67 3五歩打
68 3三金(34)
69 2四歩(25)
70 6二飛(32)
71 2三歩成(24)
72 同 金(33)
73 4四角(77)
74 3三金(23)
75 5三角成(44)
76 4三金(33)
77 3一馬(53)
78 4六歩(45)
79 同 歩(47)
80 5五歩打
81 2一馬(31)
82 5六歩(55)
83 同 銀(57)
84 4四金(43)
85 7七金(67)
86 6六歩(65)
87 4七銀(56)
88 5六歩打
89 7九桂打
90 5五金(44)
91 8八玉(78)
92 8五歩(84)
93 5六銀(47)
94 同 金(55)
95 5四馬(21)
96 6七歩成(66)
97 同 金(68)
98 同 金(56)
99 同 金(77)
100 4七銀打
101 5七金打
102 3六銀成(47)
103 同 馬(54)
104 2八飛打
105 5八歩打
106 2九飛成(28)
107 6三歩打
108 2二飛(62)
109 2五桂(37)
110 6九金打
111 6八銀打
112 8四角(73)
113 7七銀打
114 7三桂(81)
115 1三桂成(25)
116 2六飛(22)
117 同 馬(36)
118 同 龍(29)
119 3二飛打
120 6一歩打
121 6六香打
122 7一銀打
123 6二歩成(63)
124 同 歩(61)
125 6三歩打
126 同 歩(62)
127 同 香成(66)
128 6二歩打
129 7二成香(63)
130 同 銀(83)
131 6三歩打
132 同 銀(72)
133 6四歩打
134 7二銀(63)
135 7五歩(76)
136 同 角(84)
137 6六金(57)
138 同 角(75)
139 同 金(67)
140 4六龍(26)
141 7八金打
142 8六歩(85)
143 同 歩(87)
144 8七歩打
145 同 桂(79)
146 8五歩打
147 6三歩成(64)
148 同 銀(72)
149 3一飛成(32)
150 4一歩打
151 4七歩打
152 同 龍(46)
153 2五角打
154 4九龍(47)
155 3三龍(31)
156 8三香打
157 6一角成(25)
158 6八金(69)
159 8三馬(61)
160 同 玉(82)
161 6八銀(77)
162 6九角打
163 7九金打
164 8六歩(85)
165 8四歩打
166 同 玉(83)
167 8五歩打
168 同 桂(73)
169 6五香打
170 8七歩成(86)
171 同 玉(88)
172 7五銀打
173 8六歩打
174 7六角打
175 投了
まで174手で後手の勝ち
*夏バテというか夏風邪というか、頭が働かないので今日の一手の記事はしばらくお休みします。記事のストックができたら再開します。ごめんなさい。
20190801今日の一手
6月9日の名南将棋大会から、OさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角1枚。
75角1枚。
総合すれば先手もちです。
☆ 大局観として
後手Kさんが玉を囲う前に攻めてきたのですが、「浮き駒に手あり」で危なく見えますよね。先手はしっかり銀冠まで囲えているので強く攻めることができます。どれでも良くなりそうなのですが、簡単だと思われた方は、どれが最善か?ともう一度考えてみてください。
☆ 簡単なまとめ
一目は44角ですが案外に難しいです。
であれば25桂で駒得がわかりやすく、他には45歩や35歩も考えてみたいです。
△ 実戦では68角と引いて角取りです。
実は後手Kさんが角取りに気づかず22玉75飛で敗勢になったのですが、なぜか大逆転がありまして、後手Kさんの勝ちに終わりました。
さて角を引いてもつまらない(先手の作戦勝ちになる)ので66角が強い手です。先手としては77角とぶつけるくらいしかありません。
75角68角で千日手にはならないでしょう。77同角成同飛88角
部分的には後手の99角成が大きいので先手の嫌な形ですが、25桂24銀66角
この角の働きが良いので先手が指しやすいです。
△ 88角とすれば
後手の66角はないです。53角74歩62銀77角
先手の作戦勝ちでしょう。
○か△ 私は見ていて44角ではないかと思ったのですが
44同銀75飛66角
1歩かすめて71角があるしと。ところが66角で覆されます。99角成とされるのも嫌なので77角75角44角33桂35歩43金右71角成
飛銀交換ですが馬を作り後手玉に嫌味があるので先手有利です。
あるいは73飛成と切ってしまい
73同桂74歩65桂同銀99角成73歩成
飛香と銀桂の交換で駒損ですが、と金を使えそうですし、後手陣も乱れています。これも先手有利。
○ 25桂が一番わかりやすいようです。
42銀44角となれば
角香の両取りです。
後手は銀を逃げられず、53角と引けば33桂成同桂35歩
33同桂のところを33同金ならば45歩
駒得で攻めが利くのですから先手優勢です。
後手は強く返さねばなりません。76歩でどうするか。
88角86歩76飛
53角33桂成同桂86歩
これも駒得です。少し駒組みをしてから
73銀を見ればよいでしょう。
変化としては76歩に33桂成を選ぶこともできます。
77歩成32成桂同玉77飛66角72歩
角桂と金銀の交換は同等として、後手玉が薄くなっているので先手有利ですが、ちょっと攻めにくくなっている感じはあります。
○か△ 45桂とすると
45同歩は33角成同桂75飛
駒得で後手玉が薄いですから、後手から46歩や66角があるにしても先手有利です。
この場合は後手の76歩に対して
88角は45歩、桂を取られてしまうので選択できません。33桂成しかなく77歩成32成桂同玉77飛66角72歩
こういう順を選ばなければならないので、45桂よりも25桂のほうが良いです。
○ 45歩が自然な攻めです。
角の働きが良くなり、37桂か56銀が攻め駒になります。45同歩ならば33角成同桂75飛で優勢というのはわかりますね。
後手は局面が収まらないので76歩でしょう。88角86歩76飛
53角86歩
という図は先手が歩を得しただけですが、4筋に手が付いているし飛角の働きが良い(攻め駒になっている)のではっきり有利です。
後手は87歩成とできなければいけないのですが
44角同銀75飛
53銀83歩同飛61角82飛84歩
反撃が好調です。
○か△ 35歩も突いてみたいところです。
35同歩ならば34歩同銀44角が両取り
というのは25桂と同じです。
やはり後手は76歩ですが
88角86歩76飛87歩成34歩
互いの角が当たりになっていますが、その瞬間に34歩が利きます。銀をかわして44角とすれば先手有利です。
後手は今の順を避けて87歩成ではなく53角
34歩同銀86歩75飛66飛
1歩渡したので75歩を打たれるのが嫌なところですが、この図自体は作戦勝ちです。歩得で少しゆっくり指せばよいでしょう。
後手は76歩が面白くないと思えば86歩なのですが
今度こそ44角同銀75飛66角
77角75角44角
この角が厳しくなっている(86歩35歩の手の交換が得)のです。
△か○ おとなしく指すならば後手の76歩を避けて67銀
53角45歩43金右44歩同銀45歩33銀56歩
先手の作戦勝ちです。
△ 利かしとしては64歩の突き捨てが見えます。
これは64同角ならば25桂76歩66角
この位置に角をかわせるという意味です。
後手は手抜きもできて76歩とすることができます。
88角86歩63歩成同金76飛53角86歩74銀
先手が損をしたわけでもないですが、ちょうど金銀を使われるのも気になります。
△ 他の利かしは74歩
74同銀で少し損ですが、後手の角が移動しにくくなった面はあります。
△ 72歩は有力で
取ってくれるかはわかりませんが、81桂が逃げにくい形での71歩成は有効です。
☆ まとめ
後手Kさんの立場としては、相手の飛の前に角が浮き駒で出ていったら危なすぎます。
先手Kさんとしては何でもありそう。
一目は44角でしたが、後手に返し技(66角)があるのでその先を考えておかないと難しいです。
対抗型で居飛車が矢倉を選ぶことが少ないのは、25桂と跳ねられるからです。ここでも25桂が有効で、すぐに25桂と跳ねたら駒得になります。その時にまだ先手の銀冠がしっかりしているのに対して、後手は囲いとは呼べないくらいに弱体化します。
比較で考えるならば45歩や35歩が筋の良い手です。
これら4つを比較検討できれば十分でしょう。形勢が良い時は自然な手から考えるべきです。
44角はあまり自然でもないですが、飛も攻め駒になります。角が移動する手の中では一番働いています。
25桂は桂が攻め駒になり、銀を逃げて44角という手の味が良い(好手)です。銀を逃げられないならば自然な駒得です。後手に桂の使い道がない(せいぜい55桂くらい)ことだけは確認しておきます。
45歩は銀か桂が働きやすいですし、35歩は後手の囲いが乱れます。銀頭の歩を突くのは良い攻めのt寧なることが多いです。