第4章として中飛車編を始めます。
昔は当たり前だった角筋を止める中飛車は、すっかりゴキゲン中飛車のような角筋を止めない中飛車に変わってしまいました。(四間飛車では言うのに) ノーマル中飛車というのも聞きなれませんが、角筋を止める中飛車から。居飛車の急戦を調べていきます。
初手から76歩34歩26歩44歩48銀42銀56歩52飛
中飛車なので32銀でも42銀でも良いわけですが、54歩~53銀~64銀と使う手もあるので、42銀のほうが手広いです。また54歩を突く (のが常識だった) 前に52飛と振るのは、大昔の常識破りで、「英ちゃん流中飛車」という名前もついていました。山口英夫先生の工夫です(同年代に山口千嶺先生もいたので英ちゃんと呼ばれたのでしょう)。68玉62玉78玉72玉58金右43銀25歩33角36歩82玉96歩94歩57銀72銀46銀
右46銀の急戦はどうなるでしょうか。適当な定跡書が思い当たりませんが、32金と備えられて無理な急戦だと思われていたはずです。35歩に45歩
どちらが角を換えるかどうかで枝分かれします。45同銀88角成同銀35歩
この図の評価値は-30、互角ですが先手番の居飛車としては失敗でしょう。
戻って
33角成同桂55銀54歩66銀64角55歩35歩
この図の評価値は+10、これも互角だけれど面白くないです。
というように後手は32金と備えられるというのが中飛車の利点です。43銀の位置が52飛のツノだということで、片ツノ銀ということもあります。木村美濃で43銀63銀32金72金の形をツノ銀中飛車と呼びます。もちろん四間飛車でも32金とできるわけですが、中飛車のほうがその後で飛を活用しやすいです。
ところで
46銀に54歩というのもあるようです。35歩に45歩、33角成同桂57銀
64角37角同角成同桂64角27飛
後手はここまで利かしておいてから、32金と守ります。なお22飛には16角が好手で、後手は3筋を守れません。
32金24歩同歩34歩同銀24飛
23金34飛同金43角
22飛34角成28飛成33馬37角成95歩
飛と金銀の二枚替えになり、端を攻めて先手が指せるようです。評価値は+115しかないですが。
まあ先手はすぐに仕掛けなければ、後手は32金とすることになるでしょう。
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