選挙:伊賀市長選 候補者アンケート/上 /三重
毎日新聞 2012年11月07日 地方版
任期満了に伴う伊賀市長選(11日投開票)で、毎日新聞は立候補した元民放アナウンサー、岡本栄氏(61)と元市企画総務部長、赤澤行宏氏(62)=ともに無所属新人=に、主要課題についてアンケートを実施した。両候補の考えを、2回にわたって紹介する。【伝田賢史】
◆質問
(1)市役所建設
伊賀市役所は現行計画通り現在地で新築し、南庁舎は取り壊すべきですか。そうでない場合、庁舎整備はどうしますか。
(2)芭蕉翁記念館
新芭蕉翁記念館は、基本計画通り桃青中学校跡地に建設すべきですか。そうでない場合はどうすべきですか。
(3)地域医療
市立上野総合市民病院の勤務医不足にどう対応されますか。同病院の振興策も提案してください。
(4)震災がれき
東日本大震災で発生したがれきを処理するため、伊賀地域で受け入れるべきですか。
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◇岡本栄候補(61)=無新
(1)現在地で市庁舎は新築しません。厳しい財政状況の中、当面は残された南庁舎を使用し、各支所とともに耐震補強をして、相互補完的に使用します。その後、住民投票も視野に、時間をかけ市民が納得できる形で進めたいと思います。南庁舎は地域経済への効果を生み出すよう集客施設、観光拠点として整備します。
(2)当初の計画から予定面積が縮小され、従来の計画は場所、規模、内容など、あらゆる角度から再考されるべきだろうと考えます。ただ、建設については、私たちの誇りである芭蕉翁の顕彰のため、早い時期の建設が望まれます。
(3)市民病院の勤務医も、市内各所の民間のクリニックも地域医療においては等しくその責任を負っていると考えます。救急医療など地元医師会への一層の協力を要請します。市民病院のあり方については、再編、民営化あるいは県市合同などあらゆる可能性を探ります。
(4)震災がれきの受け入れは市民の間に大きな混乱と不安をもたらしています。東北との絆を結ぶ以前に私たちの絆に亀裂が生じるようなことがあってはなりません。また、確かな根拠がない風評被害にさらされるようなことがあれば、全国トップランクにある伊賀米、伊賀牛など地域経済への影響は免れず、絆を結ぶことすらできなくなります。
◇赤澤行宏候補(62)=無新
(1)現在地での新築に向けて作業が進んでいますが、景観条例にかかわる諸問題が法制面などで何ら問題がないのか要因をすべて洗い出し、しっかりと分析、検討します。その結果、万一解決できない大きな問題点が生じた場合は、一部または全部を他の場所で建設することも検討しなければなりません。
(2)基本計画に対し、上野公園への連絡橋の建設について見通しが立たないことから、他の場所で新築すべきだとの意見が出ています。しかし、当初計画通り建設する場合にデメリットとされる集客力は、見て、触れて、食べて、楽しい今日的な施設の要素に加え、創るという要素を加えれば必ず集客できるものと思います。
(3)2次救急医療体制は、現体制を維持するため3病院が必死になって取り組んでいますが、市民病院の医師確保に全力を注ぎます。また、市民病院の経営改善や経営形態の見直しに着手し、公営企業化または独立行政法人化を進めた後、伊賀地域の医療再生計画の再検討を進めます。
(4)震災がれきの処理は、国全体で対応すべきだと思いますが、政府は既に広域処理計画を断念しています。伊賀市においても、協定書の存在により賛成が得られない限り、受け入れは困難だと思われます。
〔伊賀版〕
(Web記事より転記)

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