自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

何気ない親切、でもなかなかできない親切

2011-01-13 06:37:34 | ひとり言
今年に入っても、母親の病院通いはなかなか終わらない。


かえって増えているくらい。



医者に行っても、薬を処方されるだけで、いわゆる「治療」はすることができないので、ボクとしては、彼女の安心と満足だけのために付き添っているような状況。


昨年秋に転倒して、ひと月の入院を経て、今は自宅療養ですが、圧迫骨折は止まらないようで、骨が痛いらしい。



それでも気丈な彼女は、しっかりと独居を続けているのですが、ボクとしては電話が入るたびにドキッとする繰り返し。



「便りのないのはいい便り」っていう言葉が身にしみる。



先日の病院での出来事



12時の予約。


10分前に到着して、掲示板を見上げると、「45分遅れ」



完全予約制になったこの病院なのですが、一人あたりの診察時間を少なめに見積もっているのかもしれない。



ため息をつきつつも待つしかない。



10分ほど経過したころに、掲示板には「60分遅れ」



さらに待ち時間が増えている。



予約の意味がないじゃないか!

と、いら立ちを抑えながら、「そうだ、こんな時にこそ『晴れやかに生きる』」



母親に「おひるごはん食べようか?」



ゆっくりと時間をかけて、一階にある病院のカフェへ。



「ここはおいしくないんだよね」と母親のつぶやきに、耳をふさぎながら、メニューを見つめる。



ようやく選んだのが「エビピラフ」


注文を取りに来てくれた女性に、「エビピラフと、チャーハンをお願いします」というと、

「二つ食べられますか?」と・・・。



ボクは、「はい、二人ですから」



おかしなことを言う人だな、と想っていると彼女は、


「お母様、そんなに召し上がれますか?ひとつで十分じゃないですか?もし足りなければすぐに作りますから」とニッコリ。


二人だから二つ注文するのが当たり前だと思っていたボクは、しばし混乱。



「それでよければ・・・一つだけで・・お願いします、ありがとうございます。」



さらに、エビピラフが運ばれてきたときに、トン汁が二つ。


「どうぞ召し上がってください。」



この親切を、申し訳ない気持ちで受け取ったのですが、なんだかその親切を受けるしあわせを強く感じました。



母親はそれを知ってか知らずか、黙々と食べ始めます。



この何気ない親切、いや思いがけない親切に、母親にとって「おしくない」はずの料理は、とても温かくおいしいものに生まれ変わりました。



神様が、心がけをよくしていると小さな幸せを運んできてくれる。



昔母親からだったか・・・・そんな風に言われたことがあったなぁ・・・。


滞在時間、約3時間の病院での小さな想いやりのお話しでした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿