自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『 クエスト 』 アーロン・ベッカー

2016-03-11 07:02:28 | 絵本
あの日、ボクたちはそれぞれの、あの瞬間を生きていた。


あれから5年が経過した。


「 もう 」 なのか、「 まだ 」 なのか、どちらにもとらえることのできる5年。


あの時に、「 生き方を変えなければ! 」、そう決意したことを今でもはっきりと覚えている。


ボク自身が直接の被害を受けたわけではないけれど、福島の被災した方々とは今でも交流が続いている。


3年前に訪れた富岡の駅は、津波に流された車がレールの上でひっくり返っていた。


警戒区域で入れなかった名所、夜の森の桜並木では、今年は花見ができるのだろうか。


楢葉の天神岬の公園で元気に伸びているゼンマイは、今年も元気に育っているだろうか。


でも、会うたびに、底抜けの笑顔を見せてくれる子どもたちには、いつも救われる。


まさに、「 子どもたちは私たちの未来 」 だ。


先日、スタッフのさとちゃんが、「こんな絵本を見つけました」と手渡されたのが


『 クエスト ~ にじいろの地図のなぞ~ 』 アーロン・ベッカー


なんと、ボクたちのための絵本のような!!!


文字のない、でも、どのページもいつまでも観ていたくなるほどにイメージが広がる絵本だ。


作者によると、「 この絵本をきっかけにして、子どもたちが想像する楽しさに気づいてほしい 」とある。


いえいえ、子どもたちだけじゃなくて、大人であるボクも、十分に想像を楽しめる絵本だった。


言葉がないからあらすじと言うわけはいかないけれど、絵本の表紙には


「 奇妙な王様に託された、にじいろの地図。その謎を解くため、ふたりはまほうのマーカーで、新たな冒険の扉を開く! 」とある。


これを読んだだけで、ボクはワクワクしてしまった。


想像力は子どもたちのもの、と思われがちだけれども、実は大人のボクたちにこそ、大切で必要不可欠なもの。


魔法や、怪獣が出てくることは、現実離れしていると言う人はいるけれど、よく考えてみれば、現実の方こそ信じられないようなことが日々繰り返し起きている。


毎日の新聞やニュースで報道されるたびに、一体どれほど「信じられない」という言葉が出てくることか。


魔法がない現実は、ボクたちの想像力と言う魔法を使うことで、切り抜けられるといったことを、河合隼雄先生も言っている。


この想像力は、創造力にもつながっていく。


描くことは、なにも絵を描くだけのことではない。


イメージも 「 描く 」 と言う言葉を使うように、頭の中や心の中に描くことが、どれほどボクたちの人生を苦しみから救い、豊かにしてくれる。


描く力は、大人のボクたちも育てることができる。


いや、大人こそ、育てなければいけないのかもしれない。


アートの力を借りて、そんなトレーニングを週末に行います。


一緒にクエスト ~ 探求していきましょう。




































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