自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『はれときどきぶた』

2008-12-17 18:10:47 | 絵本
久しぶりの雨でしたね。

冷たい雨でした。

今日は午前中外を歩きまわっていたので、すっかり冷えてしまいました。
ようやく「冬」って感じです。

去年の梅雨時に『おじさんのかさ』をブログで紹介しました。佐野洋子さんの名作です。

きょうは矢玉四朗さんの『はれときどきぶた』

小学3年生の畠山ノリヤス君。
自慢は、「毎日日記をつけている」こと。

先生からも褒められるし、「人に見せるものじゃない。だから先生にも見せなくていいわ。そのかわり本当のことを書きましょう」と励まされます。
「はずかしいなんておもっちゃだめ。いいことばかりじゃなくて、失敗したことも間違ったこともみんな書いておくの」

こんな風に大好きな先生に言われたら張り切って正直に書いちゃいそうです。



ノリヤス君もそう思って、学校からの帰り道にクラスの女の子とケンカしたことを
正直に書きました。
ところが、ある日、お母さんから、「小関さんてどんな子?女の子に負けちゃだめよ、ほほほっ」と言われます。

お母さんが呼んでいることを知ったとき・・・・(これ嫌ですよね。ボクにも覚えがあります)・・・・ノリヤス君はびっくりです。

それでノリヤス君は、変なことを書くことに決めました。
「あしたの日記」です。

ところが、「おかあさんがえんぴつをてんぷらにあげました」と書くと、不思議なことに、次の日は本当に鉛筆のてんぷらです。
お父さんはおいしそうに食べるのです。

次から次に、変なことをあしたの日記に書き付けると、それがすべて現実に起きてしまいます。

ついには、「はじめははれていましたが、ごごからぶたがふりました」と書いてしまいます。
そして、空いっぱいにぶたが浮かんでしまうのです。

こういった、荒唐無稽なお話は、現実離れをしていますが、「想像する力」をものすごく刺激してくれます。
「非現実的だ」と言ってしまえば、それで解決ですが、何か寂しさも残ります。

先日のエニアグラムのワークショップで、「いろんな食料がなる木」をタイプ7の人たちが発表してくれました。
リンゴと、野菜と、お菓子や飲み物が一本の木になっている絵が描いてありました。

ほかのタイプの人が「非現実的だぁ」と言って、みんなで笑ったのですが・・・。先日、ある本で、何種類もの作物をならせる木が研究されていることが書いてありました。

素直に反省です。(タイプ7のみなさんごめんなさい)

誰かが想像しなければ、今のこの世の中は存在しなかったんですものね。

確かにぶたが空から降ってくることはなさそうですが、イメージの広がりは生活を間違いなく豊かにしてくれます。

冬の雨は冷たいし、寒いし。
でも、このお話を思い出してボクは道を歩きながら空を見上げてにんまりしてしまいました。

今日もいい日だった。

<只今読書中!!>
『おくればせの愛』ペーター・ヘルトリング
『フングリコングリ~図工室のお話会』岡田淳
『朝一番のおいしいにおい』佐藤はつめ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿