一昨日の夕焼けがとてもきれいでした。
西の空に沈む太陽が残していくやわらかい橙が富士山を染めながら、次第に薄墨に変化していきます。
あっという間の光景だけれども、色のある世界が色のない世界にゆるやかに交代していくのを見るのは、感動します。
絵本は、通常鮮やかな色にあふれているものだけれども、今日紹介する絵本は別。
『はまべには いしが いっぱい』 レオ=レオニ 訳 谷川 俊太郎
スイミーを始め、レオ=レオニの作品の多くを谷川さんが翻訳を手がけている。
以前にも紹介したように、レオ=レオニの作品は、いつもテーマがアイデンティティ。
谷川さんは、見事に言葉を紡ぎだしている。
この絵本は、全部が白黒の世界。
まるで白黒の写真のような「はまべのいし」たちが描かれている。
どうやらレオ=レオニは鉛筆で、この絵本を仕上げたようだ。
無数にある小石に、文字や数字を見つける。
ときには動物や生き物の姿を見つけ、人の顔を見つける。
子どもたちが描きそうなイメージが、この絵本のどのページにもあふれている。
言葉はほんの少ししかないのに、どのページにも目が釘付けになってしまう。
そして、絵本から目を離し外の世界に目をやると、そこには様々な色のある世界が広がっている。
『カラーオブハート』と言う映画がある。
17歳になる双子の兄妹が、ひょんなことから古き良きアメリカのテレビドラマ「プレザントヴィル」の世界に入り込んでしまう。
そこは、すべてが白黒で、毎日が全く同じことの繰り返しの世界。
平和で争いのない健全な街。
現代社会から二人が持ち込んだ≪価値観≫によって、その町の人たちは戸惑い混乱させてしまう。
喜びや、感動、そして怒りがその町の人たちの心に芽生え、ついには白黒の世界に色がもたらされていく。
ボクたちの、仮面の下に隠されている、豊かな感情・・・つまり「生きるチカラ」がその町に広がっていくのです。
そして「色づき始めた人たち」と「保守的な白黒の人たち」との対立が生まれ、やがてその町は・・・・
と言った、ボクの大好きな映画の一つです。
映画の話に脱線してしまったけれども、白黒の世界の良しあしを言いたいのではなくて、実は白黒の世界は多くのイマジネーションを刺激してくれるという事。
ボクはこの絵本を見ていると、かえって色鮮やかな世界が向こう側に見えてくるのです。
白黒の、それも濃淡で描かれた石ころたちが、お互いに会話している声が聞こえてきそうだし、その石ころたちの世界がどれほどにぎやかで楽しいのかが伝わってきます。
色のある世界に身を置いていることで、見えなくなってしまっていることもたくさんあるような気がする。
確かにボクが小さいころは、テレビは白黒だったし、映画もそう。
カラーで見られるようになった頃も、「総天然色」なんていう大げさな表現をしてたくらいだから、ボクたちの世界のベースは白黒だったのかもしれない。
その分、イメージが刺激され、創造力が沸き起こっていたんじゃないだろうか。
今度はまべに行ったら、石ころたちの世界をじっくりと楽しんで来ようと思う。
西の空に沈む太陽が残していくやわらかい橙が富士山を染めながら、次第に薄墨に変化していきます。
あっという間の光景だけれども、色のある世界が色のない世界にゆるやかに交代していくのを見るのは、感動します。
絵本は、通常鮮やかな色にあふれているものだけれども、今日紹介する絵本は別。
『はまべには いしが いっぱい』 レオ=レオニ 訳 谷川 俊太郎
スイミーを始め、レオ=レオニの作品の多くを谷川さんが翻訳を手がけている。
以前にも紹介したように、レオ=レオニの作品は、いつもテーマがアイデンティティ。
谷川さんは、見事に言葉を紡ぎだしている。
この絵本は、全部が白黒の世界。
まるで白黒の写真のような「はまべのいし」たちが描かれている。
どうやらレオ=レオニは鉛筆で、この絵本を仕上げたようだ。
無数にある小石に、文字や数字を見つける。
ときには動物や生き物の姿を見つけ、人の顔を見つける。
子どもたちが描きそうなイメージが、この絵本のどのページにもあふれている。
言葉はほんの少ししかないのに、どのページにも目が釘付けになってしまう。
そして、絵本から目を離し外の世界に目をやると、そこには様々な色のある世界が広がっている。
『カラーオブハート』と言う映画がある。
17歳になる双子の兄妹が、ひょんなことから古き良きアメリカのテレビドラマ「プレザントヴィル」の世界に入り込んでしまう。
そこは、すべてが白黒で、毎日が全く同じことの繰り返しの世界。
平和で争いのない健全な街。
現代社会から二人が持ち込んだ≪価値観≫によって、その町の人たちは戸惑い混乱させてしまう。
喜びや、感動、そして怒りがその町の人たちの心に芽生え、ついには白黒の世界に色がもたらされていく。
ボクたちの、仮面の下に隠されている、豊かな感情・・・つまり「生きるチカラ」がその町に広がっていくのです。
そして「色づき始めた人たち」と「保守的な白黒の人たち」との対立が生まれ、やがてその町は・・・・
と言った、ボクの大好きな映画の一つです。
映画の話に脱線してしまったけれども、白黒の世界の良しあしを言いたいのではなくて、実は白黒の世界は多くのイマジネーションを刺激してくれるという事。
ボクはこの絵本を見ていると、かえって色鮮やかな世界が向こう側に見えてくるのです。
白黒の、それも濃淡で描かれた石ころたちが、お互いに会話している声が聞こえてきそうだし、その石ころたちの世界がどれほどにぎやかで楽しいのかが伝わってきます。
色のある世界に身を置いていることで、見えなくなってしまっていることもたくさんあるような気がする。
確かにボクが小さいころは、テレビは白黒だったし、映画もそう。
カラーで見られるようになった頃も、「総天然色」なんていう大げさな表現をしてたくらいだから、ボクたちの世界のベースは白黒だったのかもしれない。
その分、イメージが刺激され、創造力が沸き起こっていたんじゃないだろうか。
今度はまべに行ったら、石ころたちの世界をじっくりと楽しんで来ようと思う。
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