繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

スポーツカーは「狭いが深い商品」がいい

2016-08-19 11:17:15 | 日記

以下のURLは「オートプルーブ」という、クルマ好きのサイトですが、そこにスポーツカーの事を書かせていただきました。

http://car.autoprove.net/2016/08/30249/

 

まずは、これを読んで欲しいですが・・・、これからの時代は、「狭いが深い商品」が良い。

と言いたくて書きました。

 

特に、スポーツカーは、若者狙いや企業ブランドの象徴など、カーメーカーの都合から造られているのが現状と思うのです。

本当に、スポーツカーは楽しい乗り物で、顧客にこの楽しさを味わって欲しいという想いで造られないと、ジリ貧になると思うのです。

今でも、スポーツカーは殆ど売れていませんが。

つまり、スポーツカーなのに、少しでも投資を少なくとか数の売れるように等、事業性自体を考えるのは悪いことではありませんが、それが商品に出てしまうことがダメだと思うのです。

 

スポーツカー顧客の本質価値観を捉まえることが大切です。

 

「スポーツカー顧客の本質価値観」を捉まえるには、キチンとしたマーケティングが必要です。想像や主観では間違います。

(「キチンとしたマーケティング」のやり方は私に任せて下さい。・・・営業です。笑)

特に、カーメーカーは過去に作れば売れる時代を長く、印象強く経験しています。

 

そんな中で、一つ言えるのはクルマ以外の商品をみると、万人向けは価格競争になっており、いわゆるシロモノ化、コモディティ化しており、逆にその商品領域に詳しい一部の顧客に向けての商品にヒットが結構見られます。

 

喫茶店の中では「スタバ」。

音楽界では「AKB」。

家電業界では「炊飯器」。

 

しかし、メーカーには、その産業構造上の「投資コスト」という呪縛があります。

ファブレス・メーカーもありますが、だいたいは自前の工場を持って、その敷地から生産設備、操業コスト、人件費等など、商品を作り、販売して代金回収までの時間差分のコストは、メーカーのリスクです。

どうしても「必ず売れる」というのが大切になります。

 

だから、「必ず売れる」から出られないメーカーは、シロモノ化、コモディティ化した商品になっていき価格競争になります。

 

そんな中で、顧客や世の中の変化を良く見て将来こうなっていくだろうという確信を持つ事ができるメーカーは、それにそって比較的リスク少なく、商品開発出来ます。

 

簡単に言うと、シロモノ・コモディティ化した商品で、コスト競争で勝ち抜く企業としてやっていくのか、世の中に提案する商品で、勝ち抜く企業としてやっていくのか、これは社長が決めればいいことです。

 

ココで言いたいのは、スポーツカー商品は後者だと言うことです。

だから、顧客価値観や世の中トレンドを捉えて提案できるコンセプト商品にすることが必要なのです。

 

形は違ってもコンセプトがどれかと似たような商品、前にあったような商品では、ダメなんです。

顧客がこういうのが欲しかったと言うような、新しいコンセプトでないと。

ロードスターは、86は、S660は・・・新しいコンセプトでしょうか?

 

その為には、今一番カーメーカーがわかっていても、気づいていないと思われるのが、SNSを中心とした顧客とのコミュニケーションの変化です。

テレビコマーシャルなんて、費用対効果はどうなのでしょうか?

また、DMやチラシなど。

 

SNSを中心とした顧客とのコミュニケーションのやり方をうまく創造し使えば、「数の出る万人向け」でなく「狭いが深い商品」でも、イヤその方が、結果数が出ることが期待できるのではと思います。