外教生活 in 中国山東省濰坊-淄博-泰安-済南&北京=>故郷へ

北京五輪の翌年(2009年)からの外教(外国籍教師)生活と地元での留学生との触れ合いを綴っています。

週終わりの疲れ

2010年11月12日 | 日記
11月12日(金) 晴れ

朝5時40分、昨日の砂嵐が効いたのか今朝は霞さえない晴天。
まだ太陽が昇ってこない空は冬の代表星座オリオン輝きを放っていました。
あと2ヶ月もすればこの星座が冬の空にしっかりと位置づくのですね。

今日は金曜日、午前に1年生、午後に2年生の授業です。
この1日が最近はとても疲れます。
前半は心地よい疲れ、そして後半は悶々とした疲れになります。

1年生の授業はテキストを使っていません。
日本語講師養成講座の内容を少しアレンジして授業に使っているのですが
生徒が下を見ないように内容はほぼ黒板に書いています。
プリントにすることも可能なのですが、どうしても下を見てしまうと私から
生徒の口が見えなくなるのですね。
しっかりと口を開けて発声できているかどうか、それを見ています。
ですから、授業内容も次の進行を頭に描きながら生徒を当てています。
生徒も毎回必ず当たるので、何かしら答えを返してきます。
どんな簡単な答えでも今はOKなのですね。
反応があるから、やる方も力が入ります。
しかし、終わった後の疲労感は半端ではありません。
なにせ、台詞のない劇を90分やっているようなものです。
幸い1年生の授業の後は時間が空くので少し休むのですが、たいていは
熟睡してしまいます。

そしてその後の2年生の授業。
昼休み後ということもあるのか、最近は遅刻してくる子が多い。
授業は前半が文法を基にした小作文。作文とはいえ1文を8問です。
後半は日本のドラマ鑑賞。
大半の生徒は文章を読めばだいたい理解は出来ます。しかし文章を作る、
何か表現を作るのはまだまだ。
実際、何らかの文章を書けるのは全体の3分の1程度。後方に座っている
生徒達はペンさえも動きません。
できない生徒達には苦痛だと思うのですが、敢えてやっています。
事前にプリントは配布するのですが、一応15分ほど書く時間を作ります。
その間に書いている内容を見て、誰を指名するか見つつ個別に修正を
かけます。そして発表してもらいます。
この方法で既に3週間ほどになりますが、ちゃんと事前にやってくる子も
何人か出てきました。私が見に行くと質問を用意している子もいます。
誰を指名したのかも記述しておりますと、だいたい当てる子は決まっています。
できるだけやって来た子を指名します。そして正解であることを伝える。
修正しても何故なのかを説明すれば納得します。
例え小さなことでも日本語は僅か1文字で意味ががらりと変わります。
・そのペンをもら【い】ませんでした
・そのペンをもら【え】ませんでした
難しい内容かもしれませんが、日本語能力試験を控えている生徒達には
非常に重要なことなのです。

この前半は残りの生徒達は全く部外者になってしまうため、後半は
ドラマを見せています。全てこちらのサイトからのダウンロードなので字幕付。
私はドラマが終了した後の残り時間をどう過ごすか考えるのみです。
 
授業後はドラマの余韻とともに生徒は笑顔で帰って行きますが、ここから
私の自問自答が始まります。『これでいいのかいな・・・』
2年目の1学期半ば。既に大半の生徒が授業中にボーっとしているか
隠れて携帯電話を触っています。
昨年の今頃は今の1年生と同様必死に食らいつく目をしていました。

ここは専門学校でもなければ職業訓練校でもありませんから、生徒の
自主性に任せるしかありません。やる気のある子だけが成長する。
押し付けても逃げていくだけです。
口にしたくない言葉ですが、4年制という学歴として認められる学校なら
まだしも日本で言えば専修学校に近い学歴になります。
資格というもののないまま卒業して行っては、日本なんて比較にならない
学歴社会の中、将来の限界はほぼ見えたようなもの。
それがどうにもやるせなくなってしまうのですね。
コメント
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