忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

必見 清水比庵展

2015-09-20 18:02:41 | 言葉


「富士山の見ゆるところにをる人はあした夕べにたのしかるべし  比庵90歳」



「絵手紙の元祖」と言われた清水比庵の遺作展が
JR本郷台駅前すぐの横浜市栄区民文化センター「リリス」のギャラリーで
明日(21日)正午までの会期で開催されています。

もう少し早くお知らせできればよかったのですが、
このところ書展の準備に追われていて、
近くで開催しているのに、
なかなか出かけられず、今日やっと行ってきました。

これから行こうという方は、
明日の午前中しかありませんが、
是非ご覧になってください。





歌人であり、画家であり、書家であった
清水比庵は、晩年「いま良寛」と呼ばれ、
豪放磊落、自然体の作風は、とても現代的。



「今 良寛といはれてわれは汗かきぬ 本良寛はゐねむりてござらう 比庵92歳」


作品を所蔵されている清水比庵の孫にあたられる方が、
栄区に在住されている経緯から、
本郷台で開催されたそうで。

会場には、思いがけず以前お世話になったY先生がいらっしゃり、
懐かしくおしゃべりをさせていただきました。
Y先生はこの比庵の作品整理を手助けされ、
この書展を主催される会の一員でいらっしゃるとのこと。
ご丁寧に説明をいただき、
そのお孫さんにも、ご挨拶をさせていただきました。



漢詩を書いて、その次に漢字かなまじり文、
あまり見ない作風だが、一つの比庵の特徴となっていて、面白い。

明治大正昭和の時代を生き、とくに高齢になってからの作品は、
若い時よりも勢いを増し、前衛の要素も加味しているように感じられる。




「毎日佳境」の有名な作品があるが、
田宮文平先生が比庵の言葉とともに
次のような紹介文を書かれておられます。

(前略)
清水比庵は歌にも書にも独特の考えの持ち主であった。
「私は歌のあるグループ(『窓日』主宰、田宮注)におりますが、
そのグループの人達に、人間は社会に奉仕しなければいかん。
奉仕のできるような人間でなければいかんと主張している。
その奉仕の一つとして顔の奉仕がある。
人間はよい顔をしておれば、それが社会への奉仕になるという主張なのです。
よい顔をしておる人が集まると、自然平和にもなる。
それから和やかにもなる。
それからまあ文化の発展をする。
人間はそれで顔が良くなければ仕事も良くいかん。
例えば書道で言いましても、顔のいい人でないと、書がうまくないと、こういう結論になります。」
そういう意味を敷衍して考えると、
この『毎日佳境』のおおらかな書は、
清水比庵翁八十五歳の顔が生み出したものと言えるのかもしれない。
古来、「書は人なり」という。
プロの技術で書く書人の作だけが、「書」ではないということでもあろう。





今回拝見した「毎日佳境」は梅の絵が添えられ、
その花ざかりで「佳境」をより強調していますね。






書23点、画21点、絵手紙20点が一同に展示。



ご覧になる方は、明日の10時~12時、急いでください

前を向いて その2

2015-09-11 23:22:03 | 書展

本日の書展めぐり第2弾
銀座 清月堂画廊での
浅田聖子先生の「message」と名付けられ展覧会

素敵な書作品と宮上 誠さんの陶器に囲まれて、お客様がみなさん笑顔。
会場の居心地の良さに加えて、心のやすらぎをいただける空間でした。

初めて浅田先生とお話させていただいたのですが、
本当に明るく気さくな方です。
温かいお人柄を感じました。

柄にもなく、大変興奮していました

その先生をサポートされる方々も
とてもご親切で、
浅田先生は素晴らしい人格者だからこそ、
皆さんがついてこられるのだと思います。


会期中につき、会場風景のみのご紹介。







この後ろ姿の方、御存知の方も多いでしょ

会場で偶然お会いしたW先生とKさん。
世間は狭いもので、みんなが繋がっているのだと思いました。

人は困難にあったり、心細い時には、
周囲の手助けがあります。
でも、それは常に自分が前を向いていることが必要。
常に自分のことだけではなく、周りの方への思いやりと気遣いが必要。

浅田先生に始めてお目にかかり、
多分先生はそれがあるからこそ、
こんな素敵な書展を開催されるのだろうと思いました。




その後、表参道に回って、CACA現代アート書展へ。
ハイセンスな作品の数々、大変勉強になりました。

今日は収穫一杯の一日でした



前を向いて その1

2015-09-11 22:49:20 | 書展
一夜明けて、常総の被害状況が明らかになってきました。
そのうえ、今日は宮城県の川も決壊し、
その他の地域も被害が大きかったと聞きます。

各地で亡くなられた方や不明の方も多く、
泥まれの家や町の様子に呆然としておられる
被災者の方々には、心からお見舞い申し上げます。

長かった雨の日々が終わり、
今日はやっと晴天。

書展めぐりをして元気をいただいてまいりました。


銀座 鳩居堂4階にて、
濱道子先生個展「天人合一」

「天人合一」とは、
天・人を対立するものとせず,本来それは一体のものであるとする考え方だそうで、
そのメインの大作が画廊正面に堂々と飾られて、すごい存在感でした。
富士山に近い禅道場の野外で書かれたそうで、
その迫力はに圧倒される。



人と自然は調和と統一の中にあり、「天」と「人」の調和こそが最高の理想。
でも、人は自然に反するようなものを作り出し、自然を破壊するような行為を繰り返している。
その反動が最近起こる異常気象なのかも。


濱先生にご許可をいただき、作品掲載させていただきます。









とてもエネルギッシュな作品達です。

会場に来られている一人一人のお客様に声をかけられて、
濱先生のパワーは凄いと感嘆いたしました。

常に前を向いて活き活きと、
見習わなければ・・・

先生のお言葉に
「限りある命と生かされている瞬時を凝視しながら、
今を生る書を目指していきたい」
とありました














現代の書を求めて

2015-09-11 00:18:08 | 書道
常総の鬼怒川の決壊。
自然の脅威。
またもや、「いままでに経験したことがない大雨」
家も車も全てが流されていく。
その流れの早さ、
言葉になりません。

被害に遭われた方に、
心よりお見舞い申し上げます。

先日、同世代の友人が言いました。
「いつまで生きていられるかわからないのだから、
元気なうちに精一杯書かなければ・・・」と。

私たちもそんな言葉を口にする世代になってしまったのだと、
しみじみ思いました。
自分の運命にどのような未来があるかは、
神のみぞ知ることなのでしょう

さて、本日はすでに開催中の
CACA現代art書展

年間何回か開催されるCACAの書展ですが、
伺うたびに新たな発見があります。






それと私が密かに大ファンの浅田聖子先生が陶芸の宮上氏とともに展覧会を開催されています。
浅田先生と面識はないのですが、作品が大好きで・・・

SEIKO ASADA ・MAKOTO MIYAGAMI EXHIBITION

  ー 浅田聖子・宮上誠 作品展 ー


会期:2015年9月8日(火)~13日(日) 11:00~18:00
   ※ただし、最終日は17:00まで。
※12日(土)13日(日)共に14:00〜15:00会場にてギャラリートーク開催!
会場:銀座 清月堂画廊
   東京都中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビル2階



もうお一人濱崎道子先生の個展
濱崎先生もネットで作品を拝見しているだけなのですが、
パソコンの画像からそのエネルギーが伝わってきます。





実は、一昨日伺うつもりだったのですが、
この大雨で出そびれてしまいました

近日中に拝見したいと思います。


パラアートスクール30周年記念展

2015-09-02 21:56:24 | 書展
パラアートスクールは、障害者の稀有な才能を引き出すことを目的に
30年前に障害者カルチャースクールとしてスタートしました。


今年、30周年記念の作品展を開催する。
スクール生の個性的な作品(絵画・書)90点を展示するほか、
特別展として、鈴木達也さんの作品20点が展示されます。

達也さんは、脳性マヒによる四肢体幹機能障害のため、
ヘッドキャップに筆をつけ、頭を動かして力強い線を生み出しています。




達也さんの作品「天地玄黄」


以前、私の書展を達也さんがサポートをしてくださる方と一緒に見に来て下さり、
その熱心な書への情熱を感じさせていただきました。

身体がご不自由でも、懸命に打ち込まれる姿勢、困難に屈せず諦めない姿に感動です。
五体満足な私たちが、言い訳ばかりしているのを、恥ずかしく思います。

是非、「パラアートスクール30周年記念展」をご覧いただき、
達也さんの作品から、元気を吸収していただけたらと思います

「パラアートスクール30周年記念展」

[会期]
9月7日~9月10日 10時-17時

[会場]
豊島区新庁舎 東京都豊島区南池袋2-45-1
「としまセンタースクエア

[問い合わせ]
(公財)日本チャリティ協会 
03-3341-0803