湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

墓を建てる物語 ②

2013年01月14日 | 詩歌・歳時記

母の一念発起で墓を建てることになった訳だが、墓石に刻む文字で悩んでしまったのだ。

浄土真宗では、「南無阿弥陀仏」と 刻まなければいけないのだ。

「〇〇家の墓」「先祖代々の墓」と記された墓石に、僧侶が経を詠み、拝めるはずがないとか。

墓石は仏そのものであるとのことである。

    

湖北の墓石・ウオッチングの始まりだ。 だが、素敵な「南無阿弥陀佛」にはついぞ逢えなかった。

いっそ俺が書くか? と思い極めた頃、大阪の弟が親鸞聖人の真筆を見つけて持ってきた。

なんという優雅な、そして質素な「南無阿弥陀仏」の文字であろうことか。

          米研ぐや寒九の水に耐へ耐へて

だが、あまりにも小さな文字である。 そこでさぁ、グラフッイク・デザイナとして、むかしとった杵柄

の血が騒ぎだしましたのさ。墓石の面積にぴったり合う、文字の大きさに拡大・・・・また拡大。

どこにもないであろう、墓石が出来上がったのである。

      

          父の墓

          建てたる母が背を伸ばす

          ふたり静は山かげの花

2月7日は、母の一周忌である。 父のお側へ母のお骨を納めまする。