嘉田さんの新著 「知事は何ができるのか」 を、ようやくにして読了した。
なにせ、京都大学大学院・ウイスコンシン大学大学院終了の、農学博士の才媛である。
一介の歌詠みには、その緻密で論理的な文章を、例えば池波さんや五木さんの小説のように
いちページを右から左へと、斜めに読んでいくことは不可能であった。
正確で堅い文章の行間からは、このおひとの誠実で、粘り強く交渉していく姿勢、女性ならではの
しなやかな香りを、共感をもって嗅ぐことができたのだった。
桐咲いていもうと川は華やげる
姉川へ入るながれや桐の花
埼玉県・本庄市のご出身である嘉田知事は、修学旅行で比叡、琵琶湖を初めて観て、
感動されて、京都の大学へ進まれてから今日まで、県庁に入り、琵琶湖研究所、琵琶湖博物館の
研究員を経て、知事として活躍される今日までの40数年間、びわ湖と周辺の暮らし、自然を愛し
続けてこられたのである。
「近い水」「遠い水」という表現が、印象的だ。 むかしは川が一番の子供たちの遊び場であった。
生き物とのふれあい、危険への事前の備えなど、上級生が下級生にそれとなく教え、自然を最高
の友としていたのだったが、現代は大人にとっても「遠い川」「遠い水」になってしまった。
昭和30年代、三丁目の夕陽の頃の精神を、滋賀とびわ湖に取り戻すことを基調として、
日々、知事としての仕事に励まれておられる。
近江とは水の王国風薫る
さくら花いのちを見つめ尽くすまで
原発問題、ダム計画、生態系の保護、そして県民の生活・・・・等々、難問は山積みである。
一歩下がって二歩進む、嘉田由紀子知事ならば、既成の政治家は決して持たなかった視点と
方法で、明るい未来への架け橋を築かれるだろう。
埼玉のご親族が 「由紀子は、滋賀県へ嫁にやったもの」 と言われているとか。
可愛くて、賢いこのお嫁さんを、滋賀県は絶対に失ってはいけないのだ。
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