湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

和賀英良と石田三成

2011年08月22日 | 詩歌・歳時記

俳優・加藤 剛の清潔感が好きだ。代表作として映画「砂の器」、テレビドラマ「関ヶ原」を挙げたい。

                                         
「砂の器」は、松本清張の原作を読んで、まぁ並みの推理小説と思った。
それが映画化されるという。あんな複雑な話を、どう料理するのか? 興味津々見に出かけた。


圧倒されました。二人の犯罪者、二人のヒロインを、一人づつに置き換えて、物語がすっきりした。
また、父と子の苦難の巡礼のシーンに映像を絞った点、脚本の大勝利と言えよう。
ラスト・シーンのリサイタルで、加藤剛の演奏とかぶさる、親子の旅の場面に涙がとまらなかった。
「彼は今、音楽のなかで父と逢っている」と言った丹波哲郎の刑事に、理不尽な物を感じた。

                
和賀英良の恩人、緒方拳への殺人行為だけは、許されてしかるべきではないだろうか?
加藤剛の清潔感と、潔癖な凛々しさが、そう思わせるのだろうか。この世の不条理が哀しい。
          
「関ヶ原」は、司馬遼太郎の原作を元にした大作ドラマだ。三成の家老、嶋 左近 の三船敏郎が良かった。        
当時、こんな戯れ歌が流行ったそうだ。「三成に過ぎたるものが二つある。嶋の左近と佐和山の城」。
愚痴になるが、左近の武将としての提案、作戦を総て採用していれば、関ヶ原合戦は勝利していたろう。
それが出来なかったのは、三成の正義感、潔癖さ。戦国の世に、通用しない清潔感であった。
加藤剛とイメージがピタリと重なる石田三成であることだ。
                                           
雨降る松尾山へ、小早川秀秋への説得に向かう苦渋の横顔の加藤剛、いやさ三成の不安感。
戦さ半ば、西軍の優勢に「勝った…」とつぶやく三成の、加藤剛の恍惚とした上気した表情。
見所多い、テレビドラマの傑作である。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿