前回からの続き
「今まで患者さんの床面重心バランスZMP(ゼロモーメントポイント)波形をスペクトル解析してきました。その中で、ちょっと気になったことがあります。」
「もしかしてノイズの事が気になっていたか?」
「その通りです。身体座標と工学座標にはどうしてもズレが生じますし、ばらつきも大きいです。」
「それでどうやって調べるんだ。」
「前回確認したアトラクター線図では、患者さんのアトラクターと、ノイズのアトラクターには差がありました。」
「左がsinカーブ+ノイズ波、右が患者さんの左右ZMPのものだな・・・・」
「そうです。明らかに形が違います。よって今までノイズの事については、あまり考えていませんでした。
しかしやはりある程度のばらつきは覚悟しておいた方がいいです。そこでスペクトル波形を比較して見ました。」
「ほ~早速だが見せてくれ。」
「同じ患者さん(女性)のスペクトルを5つ集めました。」
「やはり形の変化はありますが、共振点の変化が大きくなかったので、少しは安心しました。もしこれでスペクトルの変化が大きいようなら、測定法を検討するつもりでいました。やはり基本周波数の5倍の位置に共進点がある人は、何度計ってもあります。」
「ちょっと変な表現だな・・・つまり共振点に大きな変化が無いから、このまま今のやり方で継続していくと言う事だな。」
「そうです。今のところそのように考えています。」
「しかし良く考えろよ。測定する前にもう一度考え「この方法でいいのですか?」と自分に問いかけてみろ!」
「分かりました。十分に注意します。一応今回でスペクトルについては課題から離れます。」
「次は何だ?」
「次はもう少し確立統計を考慮した、重心バランスの解析をしてみたいと思います。少々お待ちを・・・・」