ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

男女で大きな差あり!左右ZMP(ゼロモーメントポイント)波形

2009-09-14 17:42:07 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

左右ZMP波形を高速フーリエ変換すると、男女で形に大きな違いがありました。
女性の方が高周波領域の波形ピークが目立ったのです。
それならばもう少し吟味してみようと言う事になりました。

「数学モデルで患者さんのZMPを、もう少し診断に応用してみようと思います。」

「どのようにやるんだ?」

「今回は男女で違いの大きかった、左右ZMP波形について考えてゆきます。
まず今までのおさらいからしましょう。
実際のスペクトルから簡易的なフーリエ逆変換を行い、波形に分解します。
次に分解した波形を一つずつ重ね合わせ、左右ZMP波形がどのように変化するか見てゆきます。」

「なるほどね・・・」

「実際のスペクトルを見ると、基本周波数fに対し、3f、5f、7fの領域にピークが発生しています。
これを基本に波形の数学モデルを作成しました。」

「言葉では良く分からない・・・・実際にどうなったのか見せてくれ。」

「では図をお見せします。」


左が男性の基本波形で周波数f=1Hzの数学モデル。右が女性の数学モデル。

「これは足踏み周波数1Hzと仮定したものです。男性はおきな振幅を持っていますが、女性は小さい事が確認できます。」

「つまり女性の横揺れ周波数は、足踏み周波数とほとんど一致していない・・・・と言う事だな!」

「そう考えられます。それでは基本周波数fに3fの波を合成してみましょう。



「男性は基本波形にやや乱れが乗った程度ですが、女性は大きく変形しています。骨盤が大きく左右に振動しているのでは?と考えています。」

「ずいぶん違うな・・・・」

「それでは次に基本周波数f+3f+5fを見てみましょう。」



「男性は多少変化があっただけで、基本波形と大きく違いはありません。しかし女性は着地時に衝撃のような反応が出ています。」

「つまり女性は着地時に大きく腰を揺らせている・・・と考えられるな・・・・」

「そうですね。これが股関節痛などを発生させる原因かもしれません。それでは次に基本周波数f+3f+5f+7fを見てみましょう。」



男性は基本的には方形波で、二足歩行ロボットのような動作と考えられます。しかし女性は遊脚時や着地時の横揺れが確認できます。股関節痛を持つ患者さんに多い動作です。」

「問題はどの周波数が股関節に影響を与えているか?だな・・・」

「そうです。調べる必要があります。そしてもう一つの問題は整体治療法です。どのような治療が有効か?こちらも検討が必要です。
現在5fと7fが確認された女性は、全て股関節の整体や運動療法を採用しています。」

「この分析が多くの患者さんに、少しでも役立つといいな。」