「前回お話した、確率密度による統計については、後日お話させてください。」
「それでは今日は何の話になるんだ?」
「実は患者さんのZMP波形をもう少し理論的に見てみようと思います。」
「どう言う事だ?」
「今まで患者さんのZMP波形をスペクトルに変換し、腰痛や股関節痛の診断をしてきました。今度はそのスペクトルを参考にZMP波形を数学的に作ってみようと思いました。」
「簡単なフーリエ逆変換!と言うやつだな。」
「まぁそれはちょっとオーバーですが・・・考え方は近いです。スペクトル図を参考にZMP波形の数式を作り上げ、グラフで確認する・・・と言うやり方です。」
「俺は面白いと思うけど・・・・」
「そうですか・・・それではまず標準の数学モデルと、腰痛、股関節痛の数学モデルを見てください。最初は標準から・・・」
「これは前後のZMP波形の数学モデルです。さすが数学モデル・・・きれいに出ました。」
「左右ZMP波形の数学モデルです。身体のスペクトルを見ていると、このような形が意外と多かったです。」
「上記2つの波を高速フーリエ変換したものです。患者さんのデータもこうなってくれるとうれしいですね。以上が標準の数学モデルです。」
「それで結論は?」
「足踏み周波数1Hzとすると、理論的に重心位置は前後に2Hz、左右は1Hzの振動をする事を以前お話しました。しかし腰痛のある人は前後に1Hzのピーク点が・・・そして股関節痛を持つ女性には5Hz付近にピークがあることを確認いたしました。そこでこれを参考に波形の数学モデルを作成し、詳しく動作を見てみよう・・・と言う事です。」
「つまり簡単に言って、腰痛のある前後スペクトルと、股関節痛のある左右スペクトルをフーリエ逆変換して、波で見てみよう・・・と言う事だな。」
「そうです。その通りです。」
「そうかどんな数学モデル波形になった?早く見せろ!」
「えっと・・・あっ・・・ちょっと待って下さい。」
「何をやってんだよ~」
「データが出てこないんです。申し訳ありません。次回へ続くとさせてください。」
「しょうがないな~急げよ!俺も忙しいんだから・・・・」