前回からの続き。
今まで患者さんのZMP波形を周波数と振幅で見る、スペクトルについて解析してきました。
今回は振幅にもう少し注目して解析してみました。
「先輩!ここまでありがとうございました。これからはスペクトルからちょっと離れ、統計的に考えてゆきます。」
「どういうことだ・・・・」
「今までは周波数に注目してきましたが、今回はもう少し振幅に注目したいと思います。
地震工学の方では、振幅の大きさを横軸に、そしてその発生度数を縦軸にした「確率密度スペクトル」という分析方法を採用しています。」
「はじめて聞くな・・・つまり波形の発生度数・・・と言う事はヒストグラムみたいなものか?」
「そうです。なぜスペクトルという表現をするのか分かりませんが、参考になりそうなので採用させていただきました。」
「まだ良く分からない・・・」
「では早速患者さんのZMP波形を確率密度で見てみましょう。下の図をご覧ください。」
「上が前後ZMP波形の確率密度です。下は左右のものです。デー多数は1024個です。」
「上の図は床面重心バランス位置5cmの位置が、約140回(140/1024)出現していると言う事だな。」
「そうです。ちょっと分かりにくくて申し訳ありません。」
「これは完全なヒストグラムだな・・・と言う事は平均値、偏り、バラツキ等をうまくまとめれば、統計的に処理できる・・・と言う事か?」
「そうです。この各データ、つまり統計学で言う説明変数をまとめ、多変量解析すれば患者さんの診断に役立つものと思われます。」
「そうか・・・それで出来たのか?」
「いや~まだなんです・・・」
「ちょっと手早くした方がいいな・・・・」
「意外と大変で・・・・まとまったら報告させていただきます。もう少しお待ちください。」