ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

腰痛、股関節痛ZMP(ゼロモーメントポイント)の数学モデル

2009-09-12 11:10:57 | 整体のできる技術士として

前回からの続き

「前回は大変失礼しました。」

「確りしてくれよ~・・でデータはそろったのか?」

「はい以下の通りです。腰痛の前後波形と、股関節痛の左右波形です。」

まずは腰痛の前後スペクトルから


上が実際のスペクトル、下が数学モデルのスペクトルです。

次に腰痛の前後ZMP波形です。


上が実際のZMP波形、下が数学モデルです。


そして股関節痛の左右スペクトル


上が実際のスペクトル、下が数学モデルです。

次に股関節痛の左右ZMP波形です。


上が実際の左右ZMP波形、下が数学モデルです。

「う~ん・・・これで少しは理論的に分かりやすくなったか?」

「何とか考察してみます。」

「ちょっと大変だな・・・」

「しかし現時点で出来るだけ推定してみます。まず前後です。実際のスペクトルを参考に数学モデルを作ったところ、やはり左右に違いがあります。」

「つまり右足、左足の上げ下げに差がある、又は腰の捻れが含まれている!と考えられるな。」

「そうですね。私もそう思います。次に左右ですが、数学モデルでは遊脚時のフラツキと、衝撃が確認できます。特に7倍の周波数領域が大きく影響しているのではないかと考えられます。」

「実際の波形とスペクトル・・・・数学モデルに似ているとも、似ていないとも言えない・・・難しい問題だな。」

「そうですね。しかし数学モデルを作成することにより、患者さんのZMPがどのような特性を持っているか・・・理論的に考える事が可能になります。」

「そうか・・・それは大切な事だな。」

「これからもたくさんの研究者の方や、先生方、又は学生さんのご意見もたくさん聞いてみたいと思います。」










床面重心バランスZMP(ゼロモーメントポイント)波形の数学モデル

2009-09-11 16:50:25 | 整体のできる技術士として

「前回お話した、確率密度による統計については、後日お話させてください。」

「それでは今日は何の話になるんだ?」

「実は患者さんのZMP波形をもう少し理論的に見てみようと思います。」

「どう言う事だ?」

「今まで患者さんのZMP波形をスペクトルに変換し、腰痛や股関節痛の診断をしてきました。今度はそのスペクトルを参考にZMP波形を数学的に作ってみようと思いました。」

「簡単なフーリエ逆変換!と言うやつだな。」

「まぁそれはちょっとオーバーですが・・・考え方は近いです。スペクトル図を参考にZMP波形の数式を作り上げ、グラフで確認する・・・と言うやり方です。」

「俺は面白いと思うけど・・・・」

「そうですか・・・それではまず標準の数学モデルと、腰痛、股関節痛の数学モデルを見てください。最初は標準から・・・」


「これは前後のZMP波形の数学モデルです。さすが数学モデル・・・きれいに出ました。」


「左右ZMP波形の数学モデルです。身体のスペクトルを見ていると、このような形が意外と多かったです。」


「上記2つの波を高速フーリエ変換したものです。患者さんのデータもこうなってくれるとうれしいですね。以上が標準の数学モデルです。」

「それで結論は?」

「足踏み周波数1Hzとすると、理論的に重心位置は前後に2Hz、左右は1Hzの振動をする事を以前お話しました。しかし腰痛のある人は前後に1Hzのピーク点が・・・そして股関節痛を持つ女性には5Hz付近にピークがあることを確認いたしました。そこでこれを参考に波形の数学モデルを作成し、詳しく動作を見てみよう・・・と言う事です。」

「つまり簡単に言って、腰痛のある前後スペクトルと、股関節痛のある左右スペクトルをフーリエ逆変換して、波で見てみよう・・・と言う事だな。」

「そうです。その通りです。」

「そうかどんな数学モデル波形になった?早く見せろ!」

「えっと・・・あっ・・・ちょっと待って下さい。」

「何をやってんだよ~」

「データが出てこないんです。申し訳ありません。次回へ続くとさせてください。」

「しょうがないな~急げよ!俺も忙しいんだから・・・・」





ZMP(ゼロモーメントポイント)の確率密度

2009-09-10 15:21:09 | 整体のできる技術士として

前回からの続き。

今まで患者さんのZMP波形を周波数と振幅で見る、スペクトルについて解析してきました。
今回は振幅にもう少し注目して解析してみました。

「先輩!ここまでありがとうございました。これからはスペクトルからちょっと離れ、統計的に考えてゆきます。」

「どういうことだ・・・・」

「今までは周波数に注目してきましたが、今回はもう少し振幅に注目したいと思います。
地震工学の方では、振幅の大きさを横軸に、そしてその発生度数を縦軸にした「確率密度スペクトル」という分析方法を採用しています。」

「はじめて聞くな・・・つまり波形の発生度数・・・と言う事はヒストグラムみたいなものか?」

「そうです。なぜスペクトルという表現をするのか分かりませんが、参考になりそうなので採用させていただきました。」

「まだ良く分からない・・・」

「では早速患者さんのZMP波形を確率密度で見てみましょう。下の図をご覧ください。」




「上が前後ZMP波形の確率密度です。下は左右のものです。デー多数は1024個です。」

「上の図は床面重心バランス位置5cmの位置が、約140回(140/1024)出現していると言う事だな。」

「そうです。ちょっと分かりにくくて申し訳ありません。」

「これは完全なヒストグラムだな・・・と言う事は平均値、偏り、バラツキ等をうまくまとめれば、統計的に処理できる・・・と言う事か?」

「そうです。この各データ、つまり統計学で言う説明変数をまとめ、多変量解析すれば患者さんの診断に役立つものと思われます。」

「そうか・・・それで出来たのか?」

「いや~まだなんです・・・」

「ちょっと手早くした方がいいな・・・・」

「意外と大変で・・・・まとまったら報告させていただきます。もう少しお待ちください。」




身体重心バランス測定のバラツキ。

2009-09-09 15:04:58 | 整体のできる技術士として

前回からの続き

「今まで患者さんの床面重心バランスZMP(ゼロモーメントポイント)波形をスペクトル解析してきました。その中で、ちょっと気になったことがあります。」

「もしかしてノイズの事が気になっていたか?」

「その通りです。身体座標と工学座標にはどうしてもズレが生じますし、ばらつきも大きいです。」

「それでどうやって調べるんだ。」

「前回確認したアトラクター線図では、患者さんのアトラクターと、ノイズのアトラクターには差がありました。」



「左がsinカーブ+ノイズ波、右が患者さんの左右ZMPのものだな・・・・」

「そうです。明らかに形が違います。よって今までノイズの事については、あまり考えていませんでした。
しかしやはりある程度のばらつきは覚悟しておいた方がいいです。そこでスペクトル波形を比較して見ました。」

「ほ~早速だが見せてくれ。」

「同じ患者さん(女性)のスペクトルを5つ集めました。」







「やはり形の変化はありますが、共振点の変化が大きくなかったので、少しは安心しました。もしこれでスペクトルの変化が大きいようなら、測定法を検討するつもりでいました。やはり基本周波数の5倍の位置に共進点がある人は、何度計ってもあります。」

「ちょっと変な表現だな・・・つまり共振点に大きな変化が無いから、このまま今のやり方で継続していくと言う事だな。」

「そうです。今のところそのように考えています。」

「しかし良く考えろよ。測定する前にもう一度考え「この方法でいいのですか?」と自分に問いかけてみろ!」

「分かりました。十分に注意します。一応今回でスペクトルについては課題から離れます。」

「次は何だ?」

「次はもう少し確立統計を考慮した、重心バランスの解析をしてみたいと思います。少々お待ちを・・・・」



身体の重心バランススペクトルをこう表現?

2009-09-07 17:16:56 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

スペクトルをどのようにして定量化し判断するか・・・・?
邪道整体師である私には、至難の業でした。

そこで色々な本を調べまくりました。
人間工学の本には、全ての振幅スペクトルを合計した「トータルパワー」という表現方法がありましたが、知識不足のため活用にはいたりませんでした。

その後筋電図の測定に、その対策方法が書いてある事を発見しました。
平均パワー周波数という方法でした。
高速フーリエ変換したデータを以下の処理をし、平均パワー周波数を求めます。


平均パワー周波数(MFD)=(ΣFiPi/ΣPi)Hz
i=1~4(分解能0.01)
F=周波数(Hz)
P=パワー(振幅の2乗)

「筋電図・・・?平均パワー周波数・・・?いったい何に使われるんだ?」

「これは筋電図の波形を高速フーリエ変換し、求めた値で計算する方法です。」

「良く分からないな・・・求めて何になるんだ?」

「平均パワー周波数の増減によって、筋肉の疲労度を知ろうという方法みたいです。」

「お前・・・自分でも良く分かっていないな・・・・」

「正直言って分かりません。しかし考える前に患者さんのZMP(ゼロモーメントポイント)波形に使ってみようと思います。結果は以下の図を参照してください




「左の図が前後のZMP平均パワー周波数です。右の図が左右ZMPのものです。」

「前後は男女とも差は無いが、左右に若干の差があるな!」

「そうです。先日ロボット工学の先生がおっしゃった通り、女性は男性よりも複雑で周波数の高い左右の動きをしているのでは・・・
と推定できます。」

「もしかしたらこの数値で患者さんの股関節痛や、以前お前が言っていた婦人科系疾患の診断が出来るかもしれない・・・という事だな。」

「そうです。しかしまだ夢の夢です。・・・やはり多くの先生やエンジニアの方のご意見が必要です。」

「それともう一つは患者さんだな。このデータは男性27名女性43名のデータだな。しかもリピーターが含まれている・・・患者さんを集める事も重要だな。」

「そうですね。まだまだ道は遠いです。」