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育て方が悪い

2011-07-15 | 子供のこと
アスペルガーの子供と高機能自閉症の子供を育てていて一番辛かったのは「親の育て方が悪い」という周りからの目でした。
今は中高生になっている子供が小さい頃は、発達障害に対する理解などなく、親の育て方=親の人間性や教養、が悪いという見られ方をしていました。
「いったいどんなしつけ方してるんですか!」
そう言われるのは度々のことでした。
発達障害の子供はどんなに厳しくしても、言われた事が出来るようになるわけではありません。
それが虐待のレベルになってしまっても、無理なのは育てて分かりました。
それでも親の努力が足りないと言われるのは苦しいことです。
そして苦しいから、必要以上に子供には厳しく接してしまう。
周囲からの「ちゃんと育てろ」という圧力は、子供への厳しさに変換されるだけで、子供の成長にとってはマイナスです。
「ちゃんと育てろ」が成長の足を引っ張るというのは、大きな矛盾だなと思います。

今は発達障害に対する理解も進んでいます。
受診を進められて悩む親は今でも多いですが、診断名がつけばサポートも受けられ子供の成長にはプラスになります。
何より親の気持ちが楽になります。学校などと同じ認識を持って協力できるのですから。
「ちゃんと育てなきゃ」を発達障害の子供に向けるのは不幸なことでしょう、親にとっても子供にとっても。

高校生になった次男のアスペルガー君は、特性である興味と集中力を実業系の授業に向けだしました。
中学まではダメダメ君だったのが、今は在学中の目標を語っています。
子供は育つのですね、思っていた以上に。
そして自信をつけて楽しそうな表情を見ていると、長い目で見てゆっくり育ててきたことが無駄じゃなかったと思います。
親の仕事は自分の感情のコントロールをすることと、子供の長所と特性をよく見ることだと、今ではそう思っています。