横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

チョウジザクラとフサアカシア

2009-03-16 08:10:01 | 近所

きのうの自然保護センター、暖かくて気持ち良く歩けた。

この木は桜なのだけれど、花が小さくて数が少ないので遠くからは目立たない。


チョウジザクラ(バラ科)
近づいて見ると桜の姿だが、花の大きさは1cmもない。


横から見ると萼筒が長いこの形から丁子桜(丁字桜)と呼ばれる。




こちらは大きな木の上のほうに黄色い花が咲いている。


フサアカシア(マメ科)ミモザ
家の近所でよく見かけるギンヨウアアカシアに比べて、
こちらのフサアカシアのほうがずっと高い木になるようだ。
フランスで Mimozaは フサアカシアのことだそうだ。


上の写真の一部をトリミングしてみた。
複葉が大きく小葉の数も多くて、ギンヨウアカシアのように螺旋状につかず整然としている。


シンジュサン

2009-03-15 08:00:40 | 近所

フッキソウ(ツゲ科)富貴草
フッキソウの花が一株だけ咲いていた。


太くて先のほうが茶色い雄しべが目立つのが雄花で、
下のほうでひっそりしているのが羊の角みたいなのが雌花だ。




昨年見たフッキソウの実は角のある真珠のようだった。




近所の畑近くの木に、たくさんの繭がぶら下がっていた。




これはシンジュサン(ヤママユガ科)という蛾の繭ではないかと思う。
シンジュといっても真珠ではなくて「神樹」のほうでニワウルシの別名だ。

シンジュサンの成虫の姿は下記を参照
シンジュサン

と書きましたが、先生に話したところ大きさからするとクワコの繭かもしれないとのことでした。
できれば羽化するころに確認したいと思います。
不確かな記事でご迷惑をかけすみません。

啓蟄も過ぎて

2009-03-14 08:37:09 | 近所

昨夜から強い風に雨。春の嵐は午後まで続きそうだ。

今年は3月5日が啓蟄だったらしい。
ツチイナゴはバッタの仲間としては珍しく成虫で越冬して、早速動き出した。


その近くには徘徊するクモがいた。
このクモはウヅキコモリグモという名前が付いている。
ウヅキとは卯月で4月になると成体が見られるからだろうが、コモリとは?



答えはこれ。お尻に卵のうをつけているのがいた。
いずれ卵のうから生まれた子供をびっしり背中に付けて歩くので子守蜘蛛となる。


コナラの洞に張られた蜘蛛の巣が面白い。
破れてできた穴ではなくて、きれいに形作られている。
クサグモの仲間のものかと思うが、この主かその子供は今どうしているのだろう。


別の木にはフユシャクが張り付いていた。
蛾なのに冬にヒラヒラ飛んだり活動するのが珍しい。



落ち葉の下にいたのだろうか。 スズメバチが顔を出した。
生きているがノソノソ動いてまだ飛ぶ力はない。


一方、ナミテントウやハナアブの仲間たちはしっかり活動を始めた。





ダイヤモンド富士

2009-03-13 08:24:05 | 近所

きのうは快晴だけれど春霞といおうか少しもやがあって夕日もぼんやりしている。



太陽は垂直に落ちるのでなく斜めに富士山のほうに向かっている。



あっという間に左側から富士山に沈みはじめた。



真上ではなく光きらめく状態でもなくてダイヤモンド富士とは言い難い。



それでも近いものをカメラに納めることができたので良しとしよう。



来年は12月か1月の空がクリアーな時にチャレンジしたい。
それまでにカメラの設定も研究しておかなければ・・


ツクシとスミレ

2009-03-12 08:07:36 | 近所

雑木林の入口でツクシがポツポツと姿を現した。



ツクシは多年生シダ植物・スギナ(トクサ科)の胞子茎だ。
しばらくすると栄養茎としてのスギナがたくさん出てくる。
緑色で光合成を行うが、葉ではなく枝分かれした茎なのだそうだ。




これはツクシの傍で見たスギの苗。
自然に発芽したものだと思うが、みんなこのような色になっていた。
本来は茎についた葉は緑色のはずだが、赤枯れ病にでもかかっているのだろう。




同じく近くにあったロゼットはマツヨイグサの仲間だと思うが、赤い斑点が見られる。
これは病気なのか霜のせいなのか。



タチツボスミレ・・たった一輪でひっそりと咲いた。


晴れ後にわか雨

2009-03-11 08:19:27 | 近所

梅が盛りを過ぎハナモモがきれいな季節だ。
サンシュユやハクモクレンなどもあちこちで見られる。


すぐ近所のアブラチャンの先駆けだ。


その傍に昨年できた実がかろうじて残っているのを見つけた。
テイカカヅラの莢の実がはじけて中身はすべて綿毛となって飛んでいった。
テイカカヅラの実はこのように2個ペアになるのが特徴らしい。


一つだけ残った綿毛、もっとしっかりした時を見逃したのは少し残念だ。


晴れていたのに夕方の短い時間、にわか雨があった。
窓の下の川面を丸いものが流れていく。
雨滴が落ちると反動で泡が出来て、それが数m流れてから弾ける。
しばらく経つと雨は降り続いているが丸い泡ができることはなくなった。

雨粒の強さか大きさかによって水の粘性などの関係で泡ができるのだろうか。
興味深い現象だった。


別の瞬間をトリミングで拡大してみた。

花の名が覚束ない

2009-03-10 08:09:27 | 近所

市民の森から流れ出た小川に水草がたくさん揺れている。
葉は緑というより赤黒色だけれど、クレソン(アブラナ科)だろうか。
しばらくして白い花が咲けばはっきりする。


森の入口付近では、同じアブラナ科のミチタネツケバナが群生している。
茶色の縦線は茎と実、ずーっと向こうまで白い花が暈けている。
緑と白い暈けが大きめなのはナズナだ。


カキドオシ(シソ科)
イヌザクラの花芽の具合を見に行ったら、その下にカキドオシが姿を見せていた。
ムラサキサギゴケやトキワハゼなどゴマノハグサの花と似て、頭の中ですぐゴッチャになってしまう。


日差しがあればすぐにも開きそうだったのはミツバツチグリかヘビイチゴ(バラ科)。
さてどちらだろうか

いろんな花がにぎやかになるのも近い。


家の花

2009-03-09 08:00:18 | 近所

外の花も次第に増えているが天気の関係もあってそんなに撮れないので、
家に咲いている花で補う。
2月には切り花のシンビジュウムを花屋で買ったが、それとは別の鉢植えのものが咲いた。


3年前に載せた時も毎年しっかり咲いてくれると書いているので、
この時期の室内を長らく担当している花だ。





こちらはキバナカタクリ。
間もなく見られるはずのカタクリとちがって外国から来た園芸種で、
家には先週来たばかりの新顔だ。




晴れたり曇ったり

2009-03-08 08:06:07 | 近所

浅い池に小さなメダカの姿を見ると水ぬるむ頃かと感ずる。


キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)
きのうは晴れたが今日はまた曇り・・午後から雨らしい。
春らしい天候とも言えそうだ。

雑木林ではキツネノカミソリの葉が出始めた。剃刀に見えるだろうか。
この葉は夏を迎えるころに消えて、その後に出てくる茎の先に花が咲く。


上の写真にちょっと黄色いものが見える。
フクジュソウ(キンポウゲ科)の花がまだ残っていた。

近くにはユキワリソウやニリンソウも咲くはずだが、まだ顔を見なかった。


そのかわり一株だけイカリソウ(メギ科)を見た。


池の水鳥

2009-03-07 08:24:45 | 近所

火曜の夜に雪が降ったと思ったら昨日はたっぷりの雨。
今朝は晴れて、この後は急速に春らしくなっていくのだろう。


これはマガモの雌と思われるがカワウの真似をしているわけではない。


カワウは池から杭に上がった後、羽根を広げて乾かしているかのようであるが、
マガモのほうはバシャバシャと水浴びのようなことをしている。


鳥たちは水浴びをするのが普通だけれど、水に浮かぶ鳥もきっちりするようだ。

終わった後、浅瀬のほうに行って時間をかけて羽繕いをやっていた。


普段のんびり浮かんでいるキンクロハジロばかり見ていたが、
潜水するタイプだったのだと改めて気づいた。

マガモやキンクロハジロが北へ帰るのも近いことだろう。


バンは留鳥だから年中見られるわけだが、
くちばしが赤くないのがいることを初めて知った。


いつもは赤いくちばしを見てバンがいるなと、ぼんやり眺めていた。


どうやら幼鳥らしい。くちばしが黄色いとはよく言ったものだ。



草花、冬から春へ

2009-03-06 08:30:55 | 近所

ヒマラヤユキノシタ(ユキノシタ科)
冬から春にさしかかって、道端の草花たちにも変化を感じる。

ヒマラヤユキノシタは名前が示すように寒さに強いらしく、
2月ごろから咲いているのを見た。


大きな葉から延びた茎の先につけるピンクの花序が目を惹く。



ムラサキハナナ(アブラナ科)
ヒマラヤユキノシタの近くでムラサキハナナが咲き始めた。
これから見かけることが多くなるだろう。


紫色の菜の花という意味の名前だが、
加えてショカツサイ(諸葛采),オオアラセイトウ,ハナダイコンなどの別名をもつ。


アカカタバミ(カタバミ科)
イモカタバミやムラサキカタバミに比べてずっと小さく黄色のカタバミも顔を出した。
このように葉が赤いのはアカカタバミというらしい。
花弁の芯に朱が差すのもあって、けっこう可愛い。




御所の厳島神社

2009-03-05 08:43:16 | 京都

東寺から城南宮までの時間を利用して訪れた京都御苑は京都市の中心部にあり、
東西700m、南北1300mの中に京都御所、大宮御所、仙洞御所などがある。
京都御所は明治遷都まで禁裏と呼ばれ天皇の居所であり、仙洞御所や大宮御所は上皇などの居所であった。

京都御苑には3つの御所のほかに200軒もの宮家や公家の屋敷があったそうだ。

子供のころは玉砂利の広い道と長い塀ばかりの印象であったが、
従兄に連れられて行った弟がセミを捕ってもらったと喜んでいた記憶はある。
きっと終戦後の当時から緑は深かったのだろう。
最近になって環境維持や公園としての整備がきちんと行われているようで、
トンボ池、バッタが原、コオロギの里、出水の小川などと自然を思わせるゾーンが出来ている。

閑院宮邸跡では御所の自然の写真展をやっていて、四季の花や昆虫、鳥など多くを見ることができた。



先ほども触れたように子供のころは玉砂利と塀の記憶しかなく、
このような池があることに初めて気づいた。

ここは五摂家のひとつであった九條邸跡だ。
池のほとりに鳥居が見える。


ここは厳島神社で九条家の鎮守社だったらしい。
広島の厳島神社の分社の一つで、もとは平清盛が勧請したものだという。

この鳥居は中央部分を弓形に盛り上げ、左右になだらかなに流れる破風形が特徴だ。


祭神はつぎの三女神であり、神仏習合により弁財天の神社となった。
市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと) 田心姫命(たごりひめのみこと) 湍津姫命(たぎつひめのみこと)
加えて清盛の母の 祇園女御(ぎおんのにょうご)が合祀されている。



御所に関係ないが、城南宮の補足を付け加える。


これは2年前に撮ったヤマアイ

先日の城南宮の記事でヤマアイが源氏物語の若菜下に出ていると書いた。
六条院となった光源氏が住吉参詣をしたときの東遊の舞人の衣裳について
「山藍に摺れる竹の節は、松の緑に見えまがひ・・・」と書かれている。
山藍で摺り出した竹の模様の衣装は、松の緑に見間違えて・・・
ヤマアイを染料としたときの色合いが想像できる。


城南宮の枝垂れ梅

2009-03-04 08:25:05 | 京都


城南宮神苑の源氏物語・花の庭では3月21日まで「しだれ梅と椿まつり」が行われている。





春の山に植えられた150本の枝垂れ梅が花の姿と香りを楽しませてくれる。




紅梅、白梅、一重に八重が花盛り。




人出はそこそこだったが、人が入らないように撮るのはちょっと苦労した。


この春の山には6月になるとササユリも咲くという。



わずかに散り始めた花びらも紅白いりまじっている。




ヒヨドリも花に取り囲まれてご満悦。
見えなかったがメジロも来ていることだろう。


もちろん蜂もせっせと蜜を集めていた。




城南宮

2009-03-03 08:22:09 | 京都

城南宮拝殿

東寺からさらに南へ行って京都市営地下鉄竹田駅の近くに城南宮がある。
都の南の守護神として創建され、以下の三祭神を祀っている。
国土守護の国常立尊(くにとこたちのみこと)
武勇に秀でた八千矛神(やちほこのかみ)(大国主命)
安産と育児の息長帯日売命(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)




本殿、前殿、左右の翼廊が一体となった社殿は城南宮独特の複合建築、総檜造り。

城南宮のある鳥羽の地は交通の要衝にして鴨川を臨む景勝地で貴族たちの別荘地ともなった。
平安時代の末には白河上皇が壮大な離宮(城南離宮、鳥羽離宮)を造営して院政を開始。
歌会や宴、船遊びや競馬(くらべうま)が行われ華麗な王朝文化が花開いた。
白河・鳥羽・後白河・後鳥羽上皇と4代150年にわたり政治・文化の中心となり副都心の賑わいを見せた。

また熊野詣の際には城南宮に立ち寄り道中の安全を祈り身を清めて出発する慣わしとなり、
方除け・旅行安全の神としての信仰も広がった。

明治維新に際しては薩摩藩が城南宮に陣を構えて鳥羽・伏見の戦いが始まった。





白河上皇は光源氏の大邸宅「六条院」の理想を追って城南離宮の造営に取り組んだといわれ、
城南宮の神苑には源氏物語を彩る百種あまりの植物が植栽されている。
神苑には春の山、平安の庭、室町の庭、桃山の庭、城南離宮の庭などがあり、
四季それぞれの草木や風情を楽しむことができる。

春の山では枝垂れ梅が見頃であったが明日に譲る。




曲水の宴が行われる平安の庭。
歌人たちがせせらぎのほとりに座ると川上の童子が羽觴(うしょう)を流す。
歌人は流れ来るまでに和歌を詠み短冊にしたためて羽觴の盃をとり酒をいただく。
宴の間では白拍子も舞うという優雅な遊びだった。
曲水の宴




枝垂れ柳のやわらかな姿も平安の庭に似つかわしい。


苑路の脇にずーっと生垣のように植えられたゴモジュに花が咲いていた。
スイカズラ科のゴモジュは沖縄方面に自生し、琉球王城の御門樹から名付けられたとも言われる。



春の山には春の七草も植えられていたが、花が咲いていたのはハコベだけだった。



ヤマアイ(トウダイグサ科)の葉は青摺(あおずり)と呼ばれ日本最古の染物だが、
中国からアイ(タデ科)が伝来し濃い藍色に染められるようになると青摺はすたれた。
万葉集に「山藍もち 摺れる衣着て ただひとり い渡らす子は 若草の 夫かあるらむ」とあり、
源氏物語では若菜下に出てくるらしいが確かめていない。


京都・東寺

2009-03-02 08:39:54 | 京都

京都で用事が済んだ後、東寺、京都御所、城南宮を駆け足で回った。

京都駅の少し南、東寺のお堀ではダイサギが食べ物を探していた。


そのすぐ傍の南大門から金堂を望む。
金堂の屋根の中央部が一段切り上げらているのが特徴的だ。


平安京に遷都された当初は都の正門として羅城門があり、その東西に東寺・西寺があったそうだ。
今は羅城門(羅生門)も西寺もなく東寺(正式名称は教王護国寺)のみが健在だ。


南大門から北へは金堂、講堂、食堂が一直線に配置されている。
この三つは拝観料を払えばゆっくり見られるが今回は時間の関係もあって割愛した。



金堂の東側にある五重塔は新幹線や近鉄の車窓からも見えて東寺のシンボルだ。
高さ約57mは日本最大の木造古塔で、下層の屋根と上層の屋根の大きさに大差がないのも特徴だ。



境内の西北部には大師堂(御影堂)がある。

823年、嵯峨天皇から空海に金堂が与えら、835年には講堂が完成する。
それ以来、教王護国寺は弘法大師(空海)ゆかりの真言宗総本山として栄えている。


この大師堂は弘法大師の住居であったとされていて、
弘法大師座像と秘仏・不動明王坐像が祀られているそうだ。


大師堂の境内には河津桜が咲き、メジロが蜜を吸いに来ていた。


校倉造の宝蔵・・・創建時期は謎が多いらしいが平安初期と考えられている。


シダレヤナギの蕾が膨らみ始めていた。