1 旧門司駅遺構について
まず初めに、旧門司駅遺構と門司港地域複合公共施設の共存について二つ伺います。
武内市長が就任して間もない令和5年3月、複合公共施設の建設予定地で埋蔵文化財の有無を確認する試掘調査を行ったところ、旧門司駅舎跡関連遺構の一部が発見されました。発見当初から、近代遺産の考古学の専門家から、この発見に期待の声が聞かれ、東京・高輪で見つかった遺構や旧新橋駅遺構と合わせた鉄道関連遺産群として世界遺産級だと目されています。
日本初の鉄道駅である旧新橋駅、そして、旧門司駅。どちらも明治初めの日本の産業革命期の先人の熱意、「鉄道を通すんだ」と、「いつかは国産のレール、鉄骨、機関車を作るんだ」という勢いを今の私たちに伝えてくれます。
その思いの通り、門司駅完成の10年後には官営の製鐵所が八幡に作られ、わが国初の製鉄産業がここ北九州から起されました。そこで、伺います。
初めに、これまで旧門司駅の遺構に関しては、複合公共施設の建設予定地ということもあり、遺構の保存か、複合公共施設の建設かと、様々な意見がありました。私も四年程、門司で介護の仕事をしていましたから、知人も多く、先日の市主催の説明会にも行ってきました。
皆さんの意見を聞いて、私は現地で遺構と複合公共施設の共存をしてほしいと思いました。開会前から厳しい意見が吹き荒れ、片山副市長が「今のままだと大きな声の人しか聞こえない、もっと様々な市民の声を聞きたい」とおっしゃっていたのは私も同感です。
そこで、様々な市民の声を聞きたいという、行政の思い。ぜひやりましょう。皆さんが落ち着いて判断し、自分にとっての最善策を公平に表明できるように。
ついては、門司区民または北九州市民による住民投票や住民アンケートの実施など、副市長が言われた、広く様々な意見を聞くことを求め、見解をお伺いいたします。
次に、現地での遺構の保存と、複合公共施設の共存の可能性についてですが、仮に両者を共存させるとした場合、市によると、遺構を囲むように基礎の杭を配置し、難工事になるそうです。
先日、関門海峡をまたぐ下関北九州道路の概要が国から発表されましたが、当時世界最長で、今も世界2位の明石海峡大橋に次ぐ、国内2番目の規模だそうです。この下北道路も難工事が予想されますが、我が国の土木技術の粋を集め、旧彦島フェリーの代用となるべく、100トン超クラスの大型クレーンも走行できる世界一の耐重量大橋にならないかとの期待も高まります。
同じように、まさに、旧門司駅の遺構と複合公共施設との共存も、我が国の技術者が腕を振るえるビックプロジェクトといえるものではないでしょうか。世界・日本で誰もなし得ないことをやれる北九州市の二つのビックプロジェクト、ワクワクしませんか。
北九州の地で産業が発展し、世界初の海底トンネルの関門鉄道トンネル、東洋一の河内貯水池や若戸大橋を始めとした様々な難工事をやってのけ、我が国の国土の発展を牽引してきた北九州市。市長、チャレンジしてみませんか。
どうしても、今、対応できないなら未来の市民に託すことも検討すべきです。遺構を埋め戻し、なるべく傷つけないために杭の強度を増して本数を減らし、上屋部分の設計を生かすことも可能です。先人の熱い息吹を感じるこの旧門司駅遺構を、せめて次の世代、未来へ繋ごうではないですか。
構造計算上、仮に基礎部分の杭の直径を倍に太くした場合、杭の本数をどれだけ減らすことができるのか、見解を伺います。