教育委員会所管質問 教職員のメンタルヘルス、不登校、相談しやすい環境について
55番井上しんご
学校に行けずに悩んでいる子供達への対応で、学校や先生、教育委員会も、家庭訪問や子供達との対話などを通じて、あらゆる努力をしてきました。しかし、この不登校の問題は一朝一夕に解決することはなく、それこそ、地域や民間のフリースクールなどの力も借りながら、手探りで進めているところです。
そうした粘り強い努力がっても、不登校の児童生徒は増え続け、社会的な問題にもなり、その解決へのさらなる努力と検討が必要です。
教育委員会は市民・保護者向けの不登校啓発パンフレット「不登校について一緒に考えましょう」を作成し、市民センターなどに配布しています。不登校は問題行動ではなく、見守って欲しいという内容です。
地域や保護者が不登校になっている児童生徒に対し、サボっているとか、そうした見方をせずに、「風邪を引いた時に休むように、誰でもあるモヤモヤっとした気持ちが重なり、行きたくても行けないので、心を元気にし、安心できる場所でエネルギーを充電しているだけだとあります。」
言われている通りで、保護者や地域もことさらに、怒ったり、怪訝な目でるのではなしに、学校以外でも学べるので、様々な支援がありますよ、という提案です。
これを読まれた市民からは、厳しい意見として、不登校の子供達に対して、保護者や地域の無理解があるとし、学校が嫌だったら別の所でも学べるので、別に学校に来なくてもいいよというふうなメッセージに受け止められるとの意見でした。当然、学校や教育委員会がこれまで、どんなに苦労してきたかは、実際の対応を見てもよく分かります。
このパンフレットは保護者や地域の不登校に対する理解を進めるという点に焦点を当てたもので、教育委員会として、不登校の子供達に何も対応しないということではないと、私は説明をしました。しかし、そのように感じられる方もいるだろうなという印象を持ちました。
これは、不登校に関する市民向けのパンフレットであり、より、網羅的な内容でも良かったのかなと思います。
安心できる環境で充電するとあっても、家庭が安心できる場所でないといったケースもあります。不登校に至る原因が何なのか、学校なのか、家庭か、それかここに書いてあるような漠然としたモヤモヤなのか、社会や地域なのか。学校でも、先生が怖いのか、友達との関係か、部活動での悩みなのか。
児童生徒さんたちが、悩み、苦しんでいる原因を一緒に探り、それに対し、学校や教育委員会として、彼らを支援するという点で、適切にアプローチする。ことだと思います。当然、今現在、教育委員会はそのような対応はしていますので、ここでの議論の必要はないと思います。そこで以下質問と要望をします。
今回の、パンフレットは、これまでの学校・教育委員会の不登校の児童生徒への対応を、何か、これまでと変える、見直すということなのか。見解を伺います。①
不登校の児童生徒の不登校に至った原因について、学校、家庭、または不明について、原因の種類ごと把握と対応について、見解を伺います。②
不登校は問題行動でないという視点で、学校以外でもフリースクールや自宅学習でも良しとされるなど、学びの多様性は広がりましたが、一方、今まで学校で楽しく過ごしていた児童生徒が学校に行けなくなったり、本人の意思で多様な学びを選択するという積極的不登校でない場合は、何らかのその子の、SOSの場合もあります。実際の不登校では、むしろま選択的不登校といよりも、何か、困ったことで悩んでいる場合の方が多いのではないでしょか。
いじめや無視などもありますが、学校の先生が怖いから行けないとか、虐待やネグレクトなど家庭的な問題で行けない場合もあります。家庭学習を選択しますとの親の意向があっても、その実は、子供は学校に行きたがってるとか。その子の、学校へ行く権利や、学ぶ権利の視点から見る必要があり、学校や家庭が原因でそれがちゃんと保証されないことはあってはなりません。
そこで、それぞれの原因を丁寧に紐解いて、それぞれにあった、的確なアプローチで、子供たちが、安心して学び、過ごすことができる環境を整える必要があります。その点で教育委員会の見解をお聞かせください。③
この最新のパンフレットを読まれて、教育委員会の責任放棄でないかと誤解されている方もおられますので、市民向けの啓発の講演や、また今後作成する資料等があれば、市の取り組みや、実際の対応について、不登校という社会的な課題の全体像が把握できるような工夫を求めるものです。以上、要望します。
次に、教員の精神疾患による病休の増加について伺います。
ここ数年を見てもその数は増加しており、令和4年度は54名です。何も原因がないのに、精神疾患を発症することはなく、病休に至った原因があるし、病気になる前に、落ち込んだり、悩んだり、同僚や上司である校長や教頭に相談するなど、何らかのサインを出しているはずです。それらを、どうキャッチし、事態が深刻化する前に、適切に対応することは、児童生徒の問題に対することと同じく重要です。
そこで、病休に至る原因について、学校内での上司や同僚のことが原因なのか、児童生徒でのことなのか。或いは学校外のご自身の家庭でのことが原因なのか。について、教育委員会として把握しているか。見解を伺います。①
次に、病休後の職場復帰についてです。令和4年度は54名の病休の方に対し、復職者は29名で、復職割合は54%です。ということは、約半数が退職なり、未だ病休かということになります。この復職割合は令和2年度の18%と比べたら、改善しており、今後、病休後の復職に向けた支援について、更なる支援を求めるものです。
市は令和4年度末に、教職員意識アンケートを実施しました。全ての教職員が日々成長し生き生きと働けるよう、日常の仕事や職場生活、人材育成などについて「どのように感じ、また、何を望んでいるのか」を把握し、課題やニーズを洗い出すために実施するものであるとしています。
現在、このアンケートを集約して、どう活かすかについては、これから検討するとしていますが、教職員が孤立し、精神疾患の原因が職場での人間関係というケースもある中で、このアンケートで寄せられた現場の教職員の声を丁寧に拾い上げ、アンケートの趣旨にある、生き生きと働ける職場生活や、教員の成長に繋げてもらいたいと希望します。
そこで、質問します。
一旦、精神疾患になったり、病休になったりした後は、その回復のためにも、本人もそうですが、支える家族も大変なものです。また学校においても、教員が1人減ってもその影響は大きく、学ぶ子供達においても、先生がいなくなると言うことに、心配や不安を感じる小もいます。つまり、精神疾患や病休に至る前の段階での、教職員のSOS等のサインに同僚や上司が気付き、その後の対応に繋げて行けるような取り組みが必要ですが、教育委員会の見解を伺います。②
復職率はここ数年、改善していますが、それでも半数近くの方が、未だ復職できておりません。市として、復職率が改善したう理由をどう考え、今後、さらに改善し、病休になっても、また先生が復帰し、教壇に立つことができるような支援について、教育委員会の見解を聞かせてください。③
次に、教職員の相談体制の整備について伺います。
ハラスメントの相談や、それに伴う、関係者の意見聴取や事実確認など、教職員を呼び出して、話を聞くことがあります。
また、教職員の服務上の処分に関わる聴取なども、教育委員会として公平に扱うためにも、双方が意見や相談を、なんの精神的な負担なく自由に発言する機会の保証と、そうした場の提供が必要です。
現在、教育委員会とこのような意見聴取の場所について、教育委員会が懲戒処分を行い、被処分者を教育委員会に呼び出したケースで、令和4年度で数件、窓のない部屋で聴取を行っています。
窓のない部屋で聴取することは、聴取対象者を威圧するためにしているのではないかと勘繰らざるを得ません。当然、場所が確保できなかったなどの理由があるかもしれませんが、だとしても、今のご時世、相手を呼び出して、話を聞くとか、相手が相談があって話しに来るとかのケースで、相手が話しやすい、明るく開かれた雰囲気で、相談や聴取ができるように応対することを要望します。
最後に、コロナウィルスの五類後の対応について伺います。
5月は歓迎遠足などの行事が行われ、また社会見学や校外活動など子供たちが外で学習する機会が増えています。
しかし、減ったと言えども、子供達がマスクを着用して校外活動をすることが見受けられます。花粉症や感染予防など、保護者の意向もあるかと思いますが、見るからに苦しそうな子供達がいることについて、子供達の健康上や安全を優先する立場で、保護者なども含めた啓発や、子供たちへの声掛けや働きかけを行うことを要望します。