【番外編】実録・認可保育園の保育料(墨田区の場合)読んだよ、の印にポチっとしていただけるととても励みになります!にほんブログ村たまーに書くマネー関連の記事がご好評をいただくので、久々に番外編です。今日は認可保育園の保育料の......
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たまーに書くマネー関連の記事がご好評をいただくので、久々に番外編です。今日は認可保育園の保育料のハナシ。
認可保育園の保育料は自治体が決定していて、世帯収入(正確には、住民税のうち市区町村民税の所得割部分の世帯合計)によって決まる。我が家は墨田区在住なので、以下は墨田区のケース。(でも考え方はどこの自治体も同じハズ)
1. 住民税(特別区民税)の所得割部分ってなに?
住民税は、都道府県に納める部分と市区町村に納めるものに分かれている。毎年6月頃に会社で配られる、住民税決定のお知らせ(横長の短冊型の書類)を見てみるとよい。東京23区なら都民税と特別区民税。東京都に納める分と墨田区に納めている分とをまとめて毎月の給与から天引きされているのだ。もちろんオットはオットの給与から、私は私の給与からそれぞれ納めている。
認可保育園を運営するのは墨田区である。東京都ではない。墨田区は区民から集めた特別区民税(と区内にある企業からの法人税)を重要な財源として認可保育園事業をやってるわけだ。
ところで特別区民税にはさらに内訳があり、「均等割部分」と「所得割部分」に分かれている。均等割とは読んで字のごとく、納税者みんなで一律の金額を負担するもの。所得割とはこれまた読んで字のごとく、その人の所得に応じた税負担ということ。ただし税率はみーんな一律。所得が高いと税率も上がる、いわゆる累進課税制を採る所得税とは質を異にする。
(ちなみに2014年度までは、保育料は住民税額ではなく所得税額をベースに決定されていた。2015年度からスタートした「子ども・子育て支援制度」に伴って住民税額ベースでの決定方法に変更したらしい)
この所得割部分をいくら払っているかが保育料決定に重要な情報なのだ。
ここまでは単なる税制の話。
2. 保育料は納めた税金の額で決まる - 階層区分
さて、いよいよ認可保育園の保育料の話。保育料はその世帯にいる納税者(我が家で言えばオットと私)が納める年間の特別区民税の「所得割部分」の合計額のレンジによって定められている。所得割合計●●円~▲▲円までは保育料月額××円、とこんな感じ。自治体がホームページなどで公表しているから、気になる方はお住まいの自治体のサイトを見てみるとよい。墨田区の場合はA~D23の26階層。Aの生活保護世帯からD23の所得割合計443,600円(年間)以上まで、それぞれの階層に応じて保育料が決められている。まあ事細かによく26段階も料金設定するよね。。。保育料収入の見込みが立てづらいでしょうに。。。2015年度はこんな感じ。
0~2歳児:(A)0円~(D23)61,500円
3歳児 :(A)0円~(D23)26,600円
4・5歳児:(A)0円~(D23)22,000円
(すべて月額)
0~2歳児、高いね。。。そして高額納税者ほど保育料もたくさん支払わなくちゃいけないのである。逆でもいいのにな、と思うけど、さっき書いたように住民税の所得割の税率は一律だから、累進性を持たせるための保育料設定なのかなあ。
さて、考え方と仕組みは自治体によらず同じでも、保育料の設定はさまざまらしい。墨田区は23区内では安い方だと区の職員が言っていたけど、最近同僚に聞いたら葛飾区のほうが安かった。。。しかも、墨田区も保育園の新設やら認定こども園への移行やら建て替え工事やらでコストがかさみ、2016年度から「保育標準時間」(フルタイム復帰している私は利用する保育時間が長い)の保育料を段階的に引き上げることになっている。現行で最高61,500円のところ、2018年度には最高73,800円になることが決まっている。くうう。ま、2018年にはうちのちびは3歳児価格になるためだいぶラクになるのだが。
3. 保育料の決定
さて、我が家がどの階層に属するかである。比較的名の知れた日系企業の総合職10年目社員同士のダブルインカム世帯は、あろうことか上から2番目の階層に該当してしまったのである。所得割合計397,000円~443,600円未満。保育料は月57,700円。ぐひゃあ。自分たちの実感とはかけ離れているが、我が家は高額所得世帯すなわち高額納税世帯なのだ…。
ところで住民税額決定と保育料決定のタイムラグには注意が必要だ。4月の入園の場合、その前年の6月に決定した住民税額をもとに保育料が決まる。前年6月に決定した住民税額は、そのさらに前年の1月~12月の所得によって決まっている。つまり4月入園の場合、保育料は2年前の世帯年収によって決まることになる。直前まで育休で給与所得がないのに、いざ入園が決まってみたら保育料結構高いぞ、ってことが起こり得るので、復職後に短時間勤務などで収入ダウンを見込んでいる人は特に要注意。育児休業給付金なんかを計画的にストックして、キャッシュフローには余裕を持たせておきたいところ。
4. 保育料の定時決定
さて、4月に決定した保育料は年間を通じて固定ではなく、9月に見直しがなされる。これは、6月に決定する新しい住民税額をもとにその世帯が該当する階層を再確認するため。該当する階層が変われば保育料も変わる。階層が変わらなければ保育料も据え置き。我が家では、入園時に決まった階層からワンランク下がって52,900円になった。私の育休中の無給期間の一部が新しい住民税額に反映されているからだ。
年が明けて、現況確認の書類が保育園を通じて配られた。次年度も引き続き認可保育園の利用を希望しますか、希望する人は必要書類を出してくださいね、というわけだ。会社に就労証明書を書いてもらって継続利用希望を出す。で、また利用決定通知とともに新しい保育料通知も届く。通常なら9月と翌4月では住民税額が変わらないので保育料も変わらないのだが(0歳→1歳の場合)、墨田区は保育料の段階的引き上げがあるため、今度の4月からは56,300円になる見込み。くー、地味につらい。次の9月の改定では、復職後の給与水準での住民税額をもとに保育料が決まるので(しかも無給期間と時短期間も含む)、もうワンランク下がるといいなと期待。いずれにせよ、2歳児クラスが終わるまでは5万円台をうろちょろすることになりそう。
以上、認可保育園の保育料のリアルな話でした。
また折に触れてマネートピックを取り上げたいと思います。次回は年金とかどうかな。
↓去年は出産に絡む家計収支の話を書きました。こちらもリアルな金額を出しちゃってます。
【番外編】実録・出産にまつわるお金あれこれ
1月12日の分の日記に代えて、たまにはFPっぽいことも書いてみようと思い、出産にまつわる私のマネー経験を(自分の備忘も兼ねて)書き出してみることにする。結論からいうと、収支は見事...
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1月12日の分の日記に代えて、たまにはFPっぽいことも書いてみようと思い、出産にまつわる私のマネー経験を(自分の備忘も兼ねて)書き出してみることにする。
結論からいうと、収支は見事にトントン。ただし、加入していた医療保険から(思いがけず)給付金が出たことが大きい。帝王切開のような大々的な手術じゃなくても、保険事故扱いになりお金が出るもの、意外とあるようだ。あれっ?と思った人は、出産の際の病院の領収書と診療明細を用意して保険会社に問い合わせてみるといいと思います。
1. かかったお金
(1) 妊婦検診費用:72,100円(任意検査含む)
前半は、以前からのかかりつけだった木場(江東区)の東峯婦人クリニックで妊婦検診を受けていたが、ここは区からもらえるクーポンを使っても毎回足が出ていた。そんなもんかと思っていたが、途中で両国(墨田区)の同愛記念病院に移ったら、基本的に足が出なくなった。一体何の費用を取られてたんだろうか?
ちなみに病院を変えた理由は、最初の病院の出産費用が高額(60万円~)だったから。わりと大きめのクリニックで、入院時はもれなく個室のよう。快適かもしれないが、10万円以上も持ち出しがあるのは嫌だ。それに、万が一なにかあったときにクリニックはどこまで対応できるのかよくわからない。なんとなく総合病院の安心感も欲しくて、より自宅に近い同愛記念病院に妊娠7ヶ月で移った。
(2) 出産費用:464,298円
内訳は、分娩費用 459,368円/夜間診療 4,930円
通常分娩ではあったが、陣痛促進剤を使ったし、途中から酸素マスクもつけられ、麻酔、吸引分娩(赤ちゃんの頭に大きな吸盤をつけてひっぱる)や傷の縫合があり、その分の費用が乗っている。入院時の部屋は個室と大部屋と選べたが、迷わず大部屋を選択。入院する前日の夜に一度病院に行った(フライングに終わった)ので、その夜間診療分もここに加算。
なお、出産育児一時金の直接支払制度が使えれば(大半の病院が使えるはず)、420,000円までは健康保険組合が病院に直接支払ってくれるため、自分たちで多額のキャッシュを用意する必要はありません。
(3) ちびの入院費用:62,680円
生まれた直後、新生児一過性多呼吸という病名がついて、2日間だけ酸素濃度を高くした保育器のなかで過ごしたちび。これが小児科への入院扱いとなって発生した費用。
(4) 診断書発行費用:6,480円
後述の医療保険からの給付を受けるために、出産した病院で診断書を発行してもらうのにかかった費用。
計:605,558円
2. もらえたお金
(1) 出産育児一時金:450,000円(付加給付含む)
産科医療補償制度に加入している病院での出産だったので、420,000円。加えて我が社の健康保険組合独自の付加給付が30,000円。
(2) 高額療養費の払い戻し:2,500円
意外と知られていないように思うが、医療費(健康保険が適用されるものに限る)は月に一定額を超えて負担した場合、超過分は健康保険から払い戻される仕組みになっている。その限度額は一般的な健康保険で最低8万円くらい(健保組合により異なる、かつその月の医療費合計によっても変わる)。我が社の健康保険組合ではシンプルに月25,000円が一律の限度額になっている。出産それ自体は健康保険の適用対象外だけど、出産時に受けた処置の一部が健康保険適用になり、その費用の自己負担合計が27,550円だったので、この超過分が払い戻された(100円未満の端数は切り捨てになっていると思われる)。金額的には雀の涙だけど、高額療養費制度の適用を受けたのははじめてだったので、個人的にはへえっと思ったイベントでした。
ちなみにこの高額療養費の適用は、同じ月かつ同じ医療機関にかかった場合の医療費に限るとのこと。以前、帰省中の札幌で怪我をして、1ヶ月の間に3ヶ所(札幌で1ヶ所、東京で2ヶ所)の病院に行って計4~5万円の医療費を払ったにも関わらず、病院がばらけていたことでこの高額療養費が適用にならなかったことがあった。納得がいかないけど、同一の傷病で受診していることがわかるのは同一の医療機関にかかっていることが条件、ということか。
(3) 乳幼児医療費助成金:58,260円
乳幼児の医療費が無料になるしくみ。生まれたその日から適用を受けることができるので、ちびの入院費用のうち「食事代」(ミルク代のことよね…)を除いた額が墨田区から還付された。助成を受けるには区役所で乳幼児医療証の発行を受けてそれを病院に提示するのだけど、退院の時点ではまだ発行を受けていなかったので、一旦自分たちで支払って後日払い戻されることに。出産した月の月末までに乳幼児医療証を持って病院へ行けば病院で直接返金してもらえることになっていたが、月内に病院に行けず、後日区から還付を受けることになった。が、これがちょっと面倒くさかった。領収書やら保険証やら医療証やら振込先口座のわかるものやらを持って区役所の窓口へ行って手続きをし、入金があったのは2ヶ月以上経った12月末。ちびをオットか母に頼んでちょっと病院に行くくらい、今思えばなんてことないのに、退院した直後で気持ちに余裕がなかったのだと思う。もちろん、どちらから受け取っても金額はもちろん同じ。
(4) 医療保険給付金(手術給付金、入院給付金):85,000円
内訳は 手術給付金 50,000円 入院給付金 日額 5,000円×7日間=35,000円
退院したあと病院の領収書の整理をしていたら、診療明細の中にたまたま「手術」の記載を見つけて、ダメ元で保険会社の営業に確認してみたら「給付金の支払い対象になりそうです」とのこと。保険会社から書類を取り寄せて記入し、病院から発行してもらった診断書をつけて送り返したらあっさり支払われた。聞いてみるもんだ。具体的には、出産時に受けた処置のうち、吸引分娩と傷の縫合が「手術」の扱いになるため手術給付金の支払い対象になり、それにつられて7日間の入院期間が全て入院給付金の支払い対象になったよう。今加入している医療保険は保険料がちょっと割高なのだけど、加入1年半くらいでこの給付金を受け取ったので、払い込んだ保険料をだいたい回収できてしまったことになる。そういう目的の保険じゃないんだけどね…。これは思いがけずありがたい収入でした。
計:595,760円
以上、収支を差し引きすると▲9,798円。里帰り出産の人なんかは出産育児一時金の42万円だけでおつりが来たりもするみたいですが、東京都内で出産して、持ち出しほぼ無しというのはたぶんいいほう。もらえるお金、もらいそびれないようにしっかりチェックしたいものです。