cafe de sou-ryu

ほっと一息
ちょっと休憩しませんか?

Blauer Zirkus

2009年02月26日 23時03分26秒 | cafe
こんばんは。
今日の京都は日中暖かくてお天気もよく、
とても穏やかな一日でした。
今日は春のリハーサル、だったのかな。

spring has come!

でも…噂によると明日はまた雨みたいです。



「本日の cafe BGM ♪」


今日はスピッツの「スピカ」です。
スピッツの曲は詩がとてもかわいいですね。
何だかおもちゃ箱やサーカスの舞台から
生まれた言葉みたいに思います。
でも、大人が見聞きしても
妙に納得してしまう、不思議な言葉たちです…。



スピカ  song by スピッツ


この坂道もそろそろピークで
バカらしい嘘も消え去りそうです
やがて来る大好きな季節を思い描いてたら
ちょうどいい頃に素敵なコードで
ものすごい高さに届きそうです
言葉より触れ合い求めて 突き進む君へ


粉のように飛び出すせつないときめきです
今だけは逃げないで君をみつめてよう
やたらマジメな夜なぜだか泣きそうになる
幸せは途切れながらも続くのです


はぐれ猿でも調子がいいなら
変らず明日も笑えそうです
振り向けば優しさに飢えた優しげな時代で


夢のはじまりまだ少し甘い味です
割れものは手に持って運べばいいでしょう
古い星の光僕たちを照らします
世界中何も無かったそれ以外は


南へ向かう風 流れる雲に
心の切れはしを託したならば
彼方へ…





シャガールのサーカスの絵のような世界に遊べたら
きっと理不尽な悲しみには出会わない気がします。
もし悲しみがそこにあるとしたら
きっとそれは悲しみのあるがままの姿
そしてそれは私たちの上に
優しい涙の雨を降らすのでしょう。

おやすみなさい。


宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp






原点回帰(?) 絹について4

2009年02月26日 18時22分01秒 | my works
こんにちは。
本日の京都は久々にいいお天気でとても暖かな一日でした。
梅・桃・桜が一時に咲きそうな日というのは
今日みたいな日を指すのかもしれませんね…。


さて、本日は「絹について」の第四回目です。
昨日までは蚕の繭から糸を取り出すところまで
お話しましたので、今日はそれをもう少し詳しく
お伝えしたいと思います。

蚕を育てる仕事を養蚕といいますが、
その蚕の繭から糸をとって生糸として出荷するまでの
工程全般を「製糸」と呼んでいます。
そしてその「製糸」の作業の中で、
繭糸を何本か合わせて一本の生糸を作る工程を
「繰糸」といいます。
今日は主にこの「繰糸」の作業についてのお話です。


まず最初に、この「繰糸」作業は機械を使って行われる方法と
人の手によって行われるものがあります。
どちらも繭をお湯の中で煮て柔らかくし、繭の糸口から糸を引き出し
数本を合わせて一本の糸状にする作業なのですが、
機械と人の手、どちらにもそれ特有の特徴が出た糸ができます。


まず機械工程のものは、自動繰糸機と呼ばれる機械を使って行われるため、
糸が切れたり繭糸の本数を合わせたりの作業を
人が全て監視しなくともある程度自動で行われます。
また作業の労力を大幅に減らす上、なおかつ品質が安定しています。
そして時間も短縮されるため、作業効率も高いのが特徴です。

それに対して人の手を使って行われる繰糸作業を「座ぐり繰糸」といい、
座った状態で煮た繭から糸を引き出していきます。
この手作業の座ぐり繰糸でできた糸は、自然発生する節(糸の凸凹)や
太さ(繊度)が不均一なのが特徴で、それが製品として不適格かというよりは
かえってその特有の風合いが好まれる場合も多々あります。
また機械で糸を引き出す力に比べ、人が糸を引き出す場合は
絹糸張力が低く、糸本体へのダメージが少ないのですが
作業効率は機械工程のものに対して極端に悪く
その上、良い糸を取るためには熟練した手が求められるため
人材の育成にも時間がかかるのが難点です。

どちらにも利点・欠点はあるものです…。
そして、やはりどの産業や業種にもいえることですが
人の手を使った味わいや風合いに富んだものは
高い技術を要するため、その技術を伝承するという
本来の作業以外の面で大きな問題を抱えているような気がします。


ところで、この絹糸なのですが、
この繰糸機などを使って糸を作る上記のもの、
それ以外にもあと二つの種類があります。
一つは「紬糸」・もう一つは「絹紡糸」とよばれるものですが
こちらはまた次回の機会にお話したいと思います。

今日はこのへんで。


宗流



和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp

原点回帰(?) 絹について3

2009年02月26日 18時20分59秒 | my works
こんばんは。
今日は少し遅い投稿になってしまいました。
今夜(2/25)のうちにアップできるかな…?


さて、今夜は絹についてのお話第三回目です。
今日はいよいよ繭から糸になるお話です。

一回目・二回目で、絹の原料となるのが蚕の作る繭だと
いうお話でしたが、この繭から糸をとるのに、
あの丸いかたまりをどうするかご存知でしょうか?

実は…私は以前、あの繭は中の蛹が羽化したものを
集めて糸にするものだと思い込んでいました。
と、いうより、この和装関係の仕事に就くまで
考えたこともなかったのが正直なところです。


さて、何回かの脱皮を繰り返し、
いよいよ幼虫から蛹になる時期がきた蚕は
「まぶし」と呼ばれる容器の中で、糸を吐いて身をくるみます。
そして、丸い楕円形の繭が出来上がると
その繭は蛹が入ったままの状態でお湯でゆでられるのです。(!)

…少し残酷なお話ですが、それは今回は少し置いておくとして
先に進みましょう。


繭の糸は、前回のお話でも触れたように
セリシンという物質とフィブロインという物質から成り立っています。
セリシンは膠状の物質で、通常の空気中では固まり
繭の丸い形を保っているのですが、
お湯の中に入れると軟らかくほぐれてしまいます。
そのセリシンが柔らかくなった状態の中から糸をとるのです。

そこで前出のお話に戻りますが、もしかしたら
以前の私と同じように、蛹が羽化してからでもいいのでは…
という方がいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、そうはいかない事情があるんです。

それは、あの繭をつくる蚕の糸は、一本の糸だからです。
そして、羽化するのを待てない理由が
蚕が羽化の時に吐くタンパク質成分が、
繭を溶かしてしまうという点です。
もし蛹の羽化を待ってしまうと、蛹のタンパク質成分で
繭には穴が開いてしまうのです。
そうすると糸は途中で途切れてしまい、
糸がとれなくなってしまうのです。
蚕にとっては可哀そうな話ですが
糸はこうしてとられるのです。


ちなみに、ちょっと余談にはなりますが
この糸をとった蛹は、捨ててしまうわけではないそうです。
全てがそうなのかはわかりませんが
飼料や肥料・そして釣り用のエサなどになるそうです。
つくづく最後まで蚕は人のために役立つ虫です…。
さすが「お蚕さま」と呼ばれるだけのことはあります。


さて、繭から糸がとれ、
ここからいよいよ絹糸(生糸)へのお話になります。
ですが、今回はこのへんで。
この続きはまた後ほどに…。



宗流


和装小物 宗流
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