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夕張岳の花と木 望岳台~憩沢

2016-08-28 15:03:00 | 花の山


  夕張岳の花と木  望岳台~憩沢

   

 2016年7月24日  

 

 ギョウジャニンニク


 北海道、近畿以北の亜高山帯に分布するユリ科ネギ属の多年草です。

 長さ15cm程の、幅広でヘラ状の根生葉を2~3枚出します。

 6~7月頃、白い花を花茎の先に咲かせます。

 6個の雄蕊は花弁より長く、花の外へ突出ます。

 

 

 

 

 ハクセンナズナ


 北海道、本州中・北部の亜高山から高山帯に分布します。

 白い4個の花弁は線形、4個の萼片は淡紫色の広線形で、雄蕊が花弁より長く伸びます。

 花蜂のような昆虫が花穂の中へ潜り込んで行きました。

 こんな花らしくない花でも、昆虫を呼ぶ魅力を備えているのかと、驚きと感動を覚えました。

 

 

 

 

 チシマフウロ


 チシマフウロが紅紫色の花を咲かせていました。

 葉の表面に毛を認めます。

 夕張岳にはエゾグンナイフウロも咲くそうですが、エゾグンナイフウロの葉の表に毛はありません。

 

チシマフウロの花

 

チシマフウロの葉

 

 ヤマブキショウマ


 北海道、本州、四国、九州の山地に分布生育し、雌雄異株で、高さは30-80cm、2回3出複葉の葉が茎の上に数個互生します。

 小葉は卵円形で、先は尾状に尖り、縁に欠刻と鋸歯があります。葉には明瞭な側脈が、斜平行に11-15本あり、葉縁までとどきます。

 

 

 

 

 チシマアザミ
 

 チシマアザミは北海道の低山~亜高山帯などに生える多年草で、葉は全縁から羽状に深裂するものまで、大きく変化します。

 夕張岳にはカムイアザミという新種が育つようですが、葉の縁に鋸歯があり、葉は切れ込まないそうです。 

 

 

 カラマツソウ


 日本固有種で北海道から九州にかけて分布します。

 カラマツソウの小葉は先が浅く3つに裂けます。

 ミヤマカラマツの小葉は縁に鋸歯があります。

 モミジカラマツの葉は掌状に裂けてモミジの葉の形に似ています。

 

 

 

 

 ミソガワソウ

  名は木曽川支流の味噌川に由来します。北海道、本州中部以北、四国、奈良県に生息し、草丈は50㎝から1mとなり、7~8月、茎の上部の葉の腋に、シソ科独特の紫色か青紫色の唇形花を咲かせます。

  

  

 

 オオタカネバラ


  オオタカネバラが憩沢の手前で咲いていました。

 オオタカネバラとタカネバラはよく似ていますが、オオタカネバラの小葉は2~3対、タカネバラの小葉は3~4対です。

 

 

 

 エゾウサギギク


 エゾウサギギクは筒状花の基部に毛が無いことでウサギギクと判別します。

 しかし、花を分解しないと確認できません。

 夕張岳に咲いているので、エゾウサギギクに間違いないでしょう。

 

 

 

 シナノキンバイ   


 憩沢の周囲でシナノキンバイが黄金色の花を輝かせています。

 非常に良く似たチシマノキンバイソウが北海道の大雪山系や知床山系に分布しますが、夕張岳では確認されていないようです。

  チシマノキンバイソウの花弁は雄蕊とほぼ同じ長さだとか。

 写真のシナノキンバイは、花弁のような、5枚の黄色い萼片を付けますが、本当の花弁は雄蕊の中に紛れ込んだ、橙色のへら状の部分です。

 

 

 

 ミヤマキンポウゲ


 ミヤマキンポウゲがひょろっと黄色く、花を咲かせていました。

 シナノキンバイに雰囲気が似ていますが、花弁のように見える小さな萼に光沢があり、葉が細かく裂けます。

 

 

 

 オオバミゾホオズキ


 北海道から中部以北の日本海側の水気の多い場所に多く分布し、7~8月頃にかけてラッパ形の黄色い、花冠内部に赤褐色の斑点がある花を咲かせます。

 卵形~卵円形の鋸歯のある葉は対生し、葉柄はありません。

 

 

 

 キバナノコマノツメ


  憩沢の中に、キバナノコマノツメを見かけました。

 名前にスミレの文字はありませんが、立派なスミレの一種です。

 湿気の多い岩場や、草地に生育しています。

 

 

 イワイチョウ


 湿潤な場所にイワイチョウを見かけました。

 花姿はミツガシワに似ていますが、イワイチョウは、葉形がイチョウの葉を想わせます。

 

   

  

 

 ハクサンチドリ


 登山者に人気の、ハクサンチドリを見かけました。

 葉に暗紫色の斑点があるものをウズラバハクサンチドリと云います。

 夕張岳でも丁寧に探せば、見付けられるかもしれません。 

  

 

 

 オオカサスゲ


 北海道、中部地方以北の亜高山帯~高山帯の湿地に生える多年草です。

 7~8月、高さは60~100㎝の茎の頂部に雄性花序を3~7個、固めて付け、下部に雌性の穂状花序を2~5個、離れて付けます。

 

 

 

 

 

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夕張岳の花と木 登山口~望岳台

2016-08-27 01:42:19 | 花の山

 

  夕張岳の花と木  登山口~望岳台

  2016年7月24日  

エゾアジサイ


 エゾの名が付きますが、本州(日本海側)にも分布しています。

 6~7月、両性花の周囲に青色の装飾花を付けます。

 ヤマアジサイに比べ全体、葉、装飾花が大きい特徴がありますが、エゾアジサイはヤマアジサイの亜種とする説があります。

 

ヨツバヒヨドリ


 よく似たヒヨドリバナの葉は対生しますが、ヨツバヒヨドリの葉は4(3~5)枚輪生しています。

 

エゾノレイジンンソウ


 北海道、本州中部以北の亜高山帯、高山帯に見られます。

 エゾノレイジンソウは良く分枝します。

 トリカブトの仲間で、毒草です。

 

オオハナウド


 北海道、本州近畿地方以北に分布します。

 花序は大きく、白い花が無数に集まって半球形となります。

 花は白い5弁花で、花弁が大きく、2深裂しています。

 

ハナヒリノキ

 
 北海道、本州の東北地方、近畿地方に分布、山地帯から亜高山帯の林縁に生育します。

 高さ0.5-1.3mの落葉低木です。

 長楕円形の葉は互生、ほとんど柄は無く、縁に毛状の鋸歯があります。

 新枝の先に長さ5-15cmの総状花序を伸ばし、下向きに花を多数つけます。

 

フキユキノシタ


 北海道、東北、中部地方以北の日本海側、四国の剣山に分布します。

 葉は不揃いの鋸歯のある円心形で基部は心形です。

 花期は7~8月、花茎は高さ20~80cm、白い花弁は長倒卵形の5弁、長さ3~4mmです。

 

ゴゼンタチバナ


 ゴゼンタチバナは北海道、本州中部以北に分布し、奈良県・愛媛県などに隔離分布します。

 葉の数によって開花株と未開花株が決まります。

 4枚の葉が輪生している若い株は花をつけられません。

 

マルバイチヤクソウ


 2~5個の葉をロゼット状に付け、葉には長さ2-5cmの葉柄があります。

 高さ15~20cmの茎を伸ばし、5~10個の花を総状花序に下向きに付けます。

 花茎はやや赤みがかり、花弁は白色でやや赤みをおびます。

 花柱は突き出て湾曲します。

 新日本植物誌に萼裂片は3角形、鋭尖頭またははなはだ鋭頭と記載されています。

 

 

シラネアオイ


 1科1属1種の日本固有種。

 北海道~本州中北部の日本海側にかけて分布し、5~7月頃、美しい、4枚の桃紫色の花を咲かせます。

 今回の旅でシラネアオイの実を初めて知りました。

 

 

ウコンウツギ


 北海道、東北地方北部の亜高山帯に分布します。

 樹高1~2m。花期は6~7月。

 枝先にラッパ状で淡黄色の花を2~4個咲かせます。

 花の内部に赤い模様があります。

 右写真のような実を稔らせることを初めて知りました。

 

 

ダケカンバ


 夕張岳の標高約900mから1300mにかけて、広葉樹はダケカンバ、針葉樹はアカエゾマツが主体です。

 

ウラジロナナカマド


 葉は奇数羽状複葉で互生します。

 小葉は4~6対あり、小葉の上半分だけに鋸歯があり、基部にはありません。

 花期は6~7月。

 よく似たタカネナナカマドは、葉に光沢があり、鋭い鋸歯が葉全体にあります。

 

 

 

 

 

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夕張岳 山登りは晴天に限る

2016-08-26 00:47:24 | 花の山

 

 1400m湿原の中に木道が伸びて行きます。

 

 正面に見えている左のピークが夕張岳山頂、右が熊ガ峰です。

 


 

 草原の中に小島が浮かぶかのように、ハイマツの茂みが点在し、

 



 木道の周囲を、シロウマアサツキが薄紅紫色に染めていました。

 



 東の空の下には東大雪の山並みが見えています。

 

 山稜の左からニペソツ山、ウペペセンケ山、そして、低く小さく尖っているのが東ヌプカウシヌプリと思われます。

 



 そして、釣鐘岩の横を通過すると、

 



 頂上まで800m、100mの標高差を残すだけとなりました。

 



 ピークの手前に青味を帯びた粘土状蛇紋岩が露出する「吹き通し」が見えてきました。


 「吹き通し」の蛇紋岩が露出した場所は、カリウムやカルシウムなどの養分が極めて少ない貧栄養土壌地帯なので、この環境に適応する、特殊な植物だけが生き延びることができるのだそうです。

 

 その「吹き通し」で、夕張岳固有種のユウバリソウが花を散らせた後の花茎を立てていました。


 6月下旬か7月上旬に登って来なければ、花には会えないようです。

 



 そして、エゾタカネツメクサが白い花のブーケを作っていました。

 

 

 「吹き通し」には金山ルートとの分岐点があります。


 当初はこのルートを登ろうと考えていたのですが、良かったぁ、夕張ルートを使って。


 金山ルートで此処に登っても、高山植物の一部しか見ることができなかったでしょうから。

 



 そして、最後の標高差100mを登り詰め、

 



 午前10時ジャストに、花の百名山 夕張岳の頂上に立つことができました。

 



 頂上から南を望むと、遥か彼方に日高山脈のほぼ全てを見ることができました。


 左手からピパイロ岳、幌尻岳、そして右端はペテガリ岳かもしれません。

 


 それにしても、山登りは、晴天に越したことはないようです。

 

 

 

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夕張岳 シロウマアサツキの群落

2016-08-25 21:12:46 | 花の山

 

 ガマ岩が現れました。

 

 ガマ岩は周囲の超塩基性岩地の中に取り残された変成岩の岩峰です。

 

 このガマ岩の周囲には固有種が育つそうですが、それを知ったのは旅を終えた後のことでした。

 

ガマ岩

 

 しかし、登山路を外れ、植物帯に踏み込めば、絶妙なバランスで生きる固有種を傷つける可能性が大です。


 詳しい観察はプロに任せ、素人は登山路を外さないのが山のマナーというものでしょう。

 

 

 ガマ岩の横に、小さなひょうたん池が澄んだ水を湛えていました。


 ガマ岩が堤防のような働きをして、水を堰き止めているのかもしれません。

 

ひょうたん池


 ひょうたん池の横に、ウコンウツギが花を咲かせていました。

 

 標高1200m附近の石原平の下のウコンウツギは実を付けていましたので、標高1400m強のこの辺りとは、半月程の温度差があるのでしょうか。

 

ウコンウツギ



 ひょうたん池を過ぎると、土壌が露出した蛇紋岩崩壊地の斜面の上に木道が伸びていました。


 斜面は西向きですから、遅くまで雪渓が残っていたのかもしれません。


 短い距離の間に、植物の生育に影響を与える、多彩な環境の変化が見られます。

 



 そんなとき、前を行く森さんが何かを見付けたようです。

 



 近づきますと、シロウマアサツキが薄紅紫色のネギ坊主を並べていました。

 

 

シロウマアサツキ

 

 更に進むと、木道の周囲にシロウマアサツキの群落が広がっていました。


 このようなシロウマアサツキの群落を目にするのは初めてでした。

 

 それもそのはず、山と渓谷社の「日本の高山植物」には、北海道の幌延町問寒別、夕張岳、朝日山地、飯盛山、雨飾山、北アの高山帯に生える、と記されています。


 どこにでも見られる花ではないようです。

 


シロウマアサツキの群落

 

 振り返れば、青空を背にした前岳が、印象的な姿を見せています。

 

 空に雲一つありません。

 

前岳遠望



 行く手を見れば、木道が蛇紋岩の草原に弧を描き、一筋の飛行機雲が、青空を切り裂くように直線を描いていました。

 


 

 

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夕張岳 大河のように時は流れ

2016-08-24 00:27:41 | 花の山

 

 標高1290mの望岳台を出発し、前岳の中腹を廻り込むと、やがて目の前に夕張岳本峰が見えてきました。

 

 空はピーカンに晴れ渡り、学生時代に、あれほど雨男と褒めたたえられた私の面目は丸つぶれです。

 

 

 

 ササと潅木が茂る中、前岳の中腹を横切って登山路が続きます。

 

 

 

 そして、この辺りから本格的な高山植物の世界が広がり始め、昔、北海道の山々で親しんだ花たちとの再会が始まります。

 

 チシマフウロ、チシマアザミ、オオタカネバラ、エゾウサギギク等々、若かりし頃に大雪山や富良野岳を歩き廻り、親しんだ花が次々と路傍に姿を現しました。

 

 そして花から目を上げると、前岳のピークが、何時の間にか背後に廻り込んでいました。

 



前岳のピーク

 

 憩沢の水場がハイマツに包まれていました。

 

 

 憩沢の水場

 

 憩沢には、シナノキンバイイワイチョウなど、湿潤な場所に育つ高山植物が咲き揃います。


 冷水の沢で見て来たオオバミゾホオズキが、群れ咲いていました。


 一輪で咲く花に趣を感じますが、群れ咲く花の華やぎも捨てがたい。

 



オオバミゾホオズキ

 

 来し方を振り返れば、芦別岳が、彼方から優しい微笑を投げかけていました。


 あの山で正月を迎え、この山に至るまで、いったい幾年の歳月が流れたでしょうか?

 



芦別岳遠望

 

 ゆったりと流れた、大河のような時の記憶は定かではありませんが、あの日の、夕陽に照らされた神々しいまでの雪山のシルエットは、今でもはっきりと脳裏に浮かびます。

 


厳冬期の芦別岳


 一瞬の夏の喜び、冬の稜線に吹き荒ぶ嵐、その全てを何度も繰り返し、今花の山に遊びます。

 

 登山路は前岳湿原に入ってきました。


 前方に見える夕張岳本峰との標高差も小さくなってきました。

 

 

 夕張岳本峰

 

 この辺りに来ると、頂きに登るという思いより、周囲に現れる高山植物への関心が優ります。

 

 時はまだ、午前8時22分。


 5時半に林道終点を出発したので、約3時間が経過しましたが、花を見ながらポレポレと登ってきましたから、疲労感は全くありません。

 

 体力気力共に余裕シャクシャクです。


 そして、何よりも、もう目と鼻の先にピークが見えますので、登頂を急ぐ必要は全くありません。

 

 今回の旅の主目的は、富良野に所有する土地の管理です。

 

 しかし、どうせ北海道へ行くなら、山に花咲く7月中にと思い立ち、急遽フェリーを予約し、思い立った翌日に車をはしらせました。


 そのような強引なスケジュールでしたが、来た甲斐がありました。


 夕張岳の高層湿原は花に溢れていました。

 

 

 

 ハイマツの中に木道が伸び、チングルマ、ミヤマスミレ、ウメバチソウなどが次々と目を楽しませてくれます。

 

 昔々、図鑑を片手に日高や大雪を歩き回った経験の楽しさが、今の私を花の山へと向かわせます。

 

 花を見ていると、人生無駄なことは何一つなかったなと、そんな風に能天気な、満ち足りた気分に浸りながら、木道をぽっくり、ぽっこりと進んで行きました。

 

 

 

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夕張岳 雲海に浮かぶトムラウシ

2016-08-23 01:01:31 | 花の山

 

 分岐点を過ぎて、背後に標高1353mの滝の沢岳(姫岳)を見ながら登っていくと、

 


 登山道に、マルバノノイチヤクソウが俯きながら花を咲かせていました。


 イチヤクソウの仲間は似たものが多いのですが、マルバノノイチヤクソウはロゼット状の葉に長い柄があり、花茎はやや赤みを帯び、花は赤みを帯びた白色、三角状の萼片は5裂し、柱頭は突き出て湾曲すること等で見分けます。

 

 

 

 右手の、前岳から南西へ伸びる稜線上に小さなピークが見えていました。


 20代後半に冬山に登り始めて以降、このような小さな地形の特徴を無意識にチェクするくせが付いてしまったようです。

 

 

 登山路は斜度を増し、岩に手を掛けて登るほどになってきました。

 

 空沼岳でも見てきた、面白い形の果実を付けた低木に、ここでも出会いました。

 

 この木がウコンウツギだと判るのは、帰宅してから図鑑を捲ってのことです。

 

 

 そして、こやつ。


 実は、空沼岳へ登った時に万計沼の下の滝近くで同じものを見ていたのですが、これも帰宅するまで、シラネアオイだと判りませんでした。

 

 


 
 エゾノレイジンソウ(多分)にハチが蜜を求めています。


 エゾノレイジンソウはトリカブトの仲間ですが、黄色いエゾノレイジンソウには黄色い花を好むハチが呼び寄せられるのかもしれません。

 

 


 
 見渡せば、ダケカンバが美しいモニュメントになって輝きを放っています。

 



 そして7時22分、標高1250mの石原平(せきげんだいら)に到着しました。

 

 相棒の森さんとお互いのカメラで記念写真を撮り合いました。


 一人旅の多い私が、レンズの前に立つのはなかなかに久しぶりです。

 

 

 石原平からは、北の方角に芦別岳や崕山の雄姿を望むことができました。

 



 そして、石原平を少し進んだ先の望岳台からは、あの麗しきトムラウシ山が雲海に浮かぶ姿を認めることができました。

 

  

 

 

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夕張岳 花を見ながら山登り

2016-08-22 18:05:27 | 花の山

 

 

 カエデ科の低木が道を葉で覆い、ササ茂る中を、一定のペースで登ってゆきます。

 


 

 数日前に空沼岳で見たハナヒリノキが、同じように実を稔らせていました。

 

 100㎞程も離れた山でも、同じ様な標高に育つようです。

 


 

 その頃、空に明るさが増してきました。

 

 今の場所は西向き斜面ですから、東の空に昇った太陽の光がまだ届いて来ません。

 


 

 斜面のあちらこちらに、水が湧き、小さな流れを作り、冷水の沢には、水場が設けられていました。

 


 


 水場の近くでは、オオバミゾホオズキがヤマブキ色の可憐な花を、小首を傾けながら咲かせていました。

 



 フキユキノシタがまるい葉の縁にギザギザを刻みながら、ひっそりと、岩の上に白い花を飾っています。

 



 水場から、数十メートルも進んだでしょうか、冷水コースを登り始めて1時間が経過した頃、突然太陽が、木立の中から輝きを見せ始めました。

 



 道の脇に咲いた、背の低いゴゼンタチバナの周りにも光が届き始めています。

 


 

 そして、前岳の沢の水場を過ぎ、

 



 朝の光りに照らされたダケカンバ林を抜けると、

 


 ほぼ7AM、馬ノ背コースとの分岐点に到着しました。

 


 ここから頂上までは4.5㎞と表示されていました。


 登山口に、頂上まで6.7㎞とありましたから、此処で、全コースの三分の一が終わったことになります。


 花を見ながら山を登ると、疲れを感じる前に登れてしまうもののようです。

 

 

 

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夕張岳 ポレポレ(ゆっくり)と

2016-08-22 15:21:55 | 花の山

 

 

 夕張岳林道終点の車の中で一夜を明かしました。

 

 周囲には多くの車が停められていますが、隣の車にも人の気配を感じます。

 

 パンとコーヒーで朝食を摂り、5時半頃に歩き始めました。

 

 林道終点の先の砂利道を歩いてゆきますと、エゾアジサイが清しい色に花を咲かせていました。

 


 

 集中豪雨によるものなのか、砂利道が大きく抉れている場所を目にしました。

 

 シューパロ湖から先の林道も、天候次第で、通行不能となる可能性は十分にあります。

 

 山では常に、天候には十分に注意しろよと、抉れた道が諭してくれているようです。

 


 


 沢音が聞こえる砂利道を、ゆったりした足取りで進んでゆきます。

 

 路傍に育つフキの葉に朝露が光ります。

 


 咲ききらないヨツバヒヨドリが、瑞々しい若竹色に、魅力的なギザギザ葉の造形を魅せていました。


 スタート早々に、何気ない花の、短い夏の最も美しい瞬間に出会えました。

 



 15分程で、夕張岳冷水コースの登山口に到着し、入山者名簿への記帳を済ませました。

 



 シラカバ林の中に続く、踏み固められた登山路をゆったりした足どりで登り始めました。

 



 針広混交林の中、爽やかな朝の山道をアダージョのリズムで歩を刻んでゆきます。

 



 エゾノレイジンソウが緑色を帯びた白い花を咲かせていました。


 森が目覚め始める朝の一時、エゾノレイジンソウの慎み深い風情に心が和みます。

 



 オオカサモチが、舞踏会を照らすシャンデリアのような、見事な花を広げていました。

 

 目にする花や、木の葉のそよぐ気配に、小さな漣のような喜びが生まれ、それが胸の奥底へと降り積もってゆきます。

 



 相棒の森さんは、札幌マラソンを完走するほどの健脚の持ち主です。


 私のペースに配慮して、私を先に歩かせてくれています。


 森さんの気遣いを有難く思いながら、山の花を楽しみながら、ポレポレ(ゆっくり)と歩を進めてゆきました。

 

 

 

 

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花の百名山 念願の夕張岳

2016-08-21 21:46:09 | 花の山

 

  午後3時、札幌の森さんのお宅を出た車は、途中で食糧を買い足しながら、今、夕張岳の登山口を目指してシューパロ湖を渡っています。

 


 私と森幸二さんは、40年以上も前に、帯広畜産大学の自然探査会というサークルに所属していました。

 

 私が年長ですが、今でも森さんの同期の人達や先輩のMMさんとは連絡を取っており、一昨日も森さんの手配で札幌の人達が集まってくれて、札幌駅前の居酒屋で何十年振りかの盃を酌み交わしました。


 車の進む方向は厚い雲に覆われ、夕張岳はみえていません。


 助手席で森さんが、「先輩と来るといつも天気悪いんだよな~」と呟きました。


 そうです、実は私は、学生時代雨男として名を馳せていました。


 「そう、俺は空も女も泣かせ上手なんだ」と軽口をたたくと、「え~、半分当ってるけど、半分は違うでしょう」と即答が返ってきました。


 橋を渡り終えると、ダートの林道が始まりました。

 



 林道を暫く走ると、ゲートには「この林道の一般車両の通行は6月18日から9月30日まで」と表示されていました。

 

 但し、この期日は、毎年変わるようですから、登山される方は注意して下さい。

 


 この場所から夕張岳登山口までは9.4kmあり、これを歩くとすれば3時間は覚悟しなければなりません。


 私達の学生時代は、車は誰も持っていないし、タクシーを使うほどお金に余裕はないしで、夕張岳はかなり近づき難い山でした。

 

 学生サークルでは、日高山脈に入って、植物や鳥などを調べる日高5ヶ年計画をスタートさせたばかりでした。

 

 夏合宿では、数パーティに分散し、1週間以上も日高山脈を歩き廻ったものです。

 


 

 私は日高山脈以外にも、大雪や十勝岳連峰などへも足を伸ばしましたが、アプローチの悪い夕張岳に登ることなく卒業を迎えました。


 就職して旭川に住み、社会人山岳会にも所属しましたが、夕張岳へはとうとう登らずに、転勤で北海道を去ることになり、今日に至っています。


 その念願の夕張岳に、今やっと足を踏み入れようとしています。

 

 当初の計画では、今夜は夕張岳ヒュッテに泊まる予定でした。

 

 しかし、林道終点に車を止めて支度していると、下山してきた人が、ヒュッテは小学生を含めた団体で満員なので、寝る場所を確保するのが難しいだろうと教えてくれました。

 

 そこで急遽、車中泊を決めて、夕食の支度に取り掛かりました。

 


 

 今夜のメニューはジンギスカンです。

 

 ビールやチュウハイをたっぷりと持ってきましたから、森さんと二人、何とも贅沢な夕餉を楽しむことができました。

 

 こんな細やかなことで、王侯貴族のような気分に浸れるのですから、山登りって本当に素敵です。

 

 

 

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空沼岳 出会った花など

2016-08-21 13:30:46 | 花の山

 

 下山時に観察した植物 

 

 

 

 ウコンウツギ スイカズラ科 標高1250m 


 ウコンウツギの長楕円形の蒴果は2裂しますが、先端に萼が残り離れない。

 



 

 

 ミヤマハンノキ カバノキ科 標高1250m


 亜高山や高山に生え、北海道では低地にも生える。


 鋸歯は細かく突出する。



  

 

 

 ミネザクラ バラ科 標高1200m


 葉は長さ4~9㎝で先は尾状に長く尖り、無毛。蜜線は葉柄上にある。


 チシマザクラの葉は有毛。

 



 

 

 ナナカマド バラ科 標高1200m


 小葉は細い楕円形、4~7対、鋸歯鋭く細かい、サクラに似た樹皮。

 

 森林限界付近まで分布。

 

 



 


 コマガタケスグリ ユキノシタ科 標高1100m


 葉は5中裂、葉伸長7~15㎝、基部は深心形、葉裏に腺点、樹高1~2m、果実球形で径8㎜。 

 


 

 


 アカモノ 別名イワハゼ ツツジ科 標高1100m


 葉は1.5~3㎝広卵形で先が尖がり、基部はまるい。

 

 花は白色鐘形で長さ6~7㎜、花柄と苞に赤褐色の毛がある。 

 


  



 ハイオトギリ オトギリソウ科 標高1050m


 北海道の亜高山帯~高山帯に分布する多年草で高さ15~30㎝。


 葉は広楕円形、長さ2~5㎝、基部は茎を抱き、ふちに黒点が並ぶ。


 花は鮮淡黄色で径2.5~3㎝、花柱3個。



 

 
 

 ズダヤクシュ ユキノシタ科 標高1050m


 北海道、近畿以北、四国の山地~亜高山帯に分布する多年草。


 根生葉は計2~6㎝で浅く5裂し基部は心形。


 花茎10~40㎝の先へ総状に白花を下向きに咲かせる。


 花茎、花柄、葉柄に線毛がある。



 



 ハイイヌガヤ イチイ科 標高1050m


 イヌガヤの変種、長さ2~4㎝の線形の葉が二列に並ぶ。


 樹高2~3mで雌雄異株。


 イヌガヤの分布は北海道以外とされる。



 

 

 
 ツルツゲ モチノキ科 標高1050m


 ほふく性で幹は地をはい、枝に稜があり、高さ0.3~0.5m。


 葉は卵状長楕円形で長さ1.5~4㎝、表面にしわが目立つ。


 雌雄異株、花は白く、花弁4枚、雌花は雄蕊1個と退化した雄蕊4本。



 

 

 
 オオバスノキ ツツジ科 標高1050m


 樹高1~1.5m。


 葉は4~9㎝長楕円形で先は尖り、基部楔形、細鋸歯縁。


 花は鐘形緑白色で赤色を帯び、先は5裂し、反り返る。



 

 

 
 エゾノタチツボスミレ スミレ科 標高1050m


 茎は高さ20~40㎝。


 上部の葉の先は尖り基部は心形、長さ2.5~4㎝。


 花は距が短く萼片が細長い、側弁基部、花柱の先に毛がある。



 

 

 
 ツルアジサイ ユキノシタ科 標高900m


 落葉ツル性木本で木や岩をはい登る。


 花は径5㎜の両性花多数と3㎜程の白い萼片3~4枚の装飾花を付ける。


 まれに装飾花だけのものもある。



 


 ノリウツギ ユキノシタ科 標高500m


 日当たりの良い山野に生え、樹高2~4m。


 枝先に円錐花序を付け、小形で5弁の両性花の周囲に径1~5㎝の装飾花を付ける。


 果実は長楕円形、幅3㎜、9~10月成熟。



 

 


 フッキソウ ツゲ科 標高500m


 全国に分布する常緑亜低木。


 高さ20~30㎝、葉は卵状楕円形、菱状倒卵形で上部に荒い鋸歯があり、質は厚い。


 茎先に総状花序の淡緑黄色の花を咲かせる。


 果実は径1.2~1.5㎝の球形で真珠色。



 

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空沼岳 山頂からの360°

2016-08-20 15:53:38 | 花の山

 

 札幌岳と空沼岳の分岐点には万計山荘まで3.2㎞と表示されていました。


 たしか、万計山荘の横には空沼岳3.5㎞と表示されていたと思います。


 ということは、分岐から頂上までは0.3㎞ですね。


 最後の登りと判断し、登山道を進んでゆきます。




 すると、目の前にハイマツの茂みが現れました。

 

 当初、このハイマツが空沼岳唯一のものと考えていたのですが、ハイマツの生育下限は更に低い場所だったことは、前回のページに記した通りです。




 そして、このハイマツ帯を左へ廻り込んだ先に、空沼岳の山頂が待っていました。


 登山口を出発して、3時間40分程の行程でした。


 植物を観察しながら登ってきましたが、休憩は殆ど取りませんでしたので、標準的なコースタイムに近いと思います。


 私のような熟年登山者のご参考になれば幸いです。

 



 頂上から360°の展望を楽しみました。


 南方、稜線上に漁岳を置いた先にギザギザ頭の恵庭岳、更にその奥に雲を被った樽前山が見えます。

 



 西の遥か遠く、富士山に似た容姿の羊蹄山の頂きが雲の狭間に見えています。

 

 画像の右端のピークは無意根山でしょうか?


 ちょっと自信はありませんが。 

 



 北の方角には手稲山と、手前へ伸びた稜線上に百松沢山や砥石山と思える山容が続いています。

 

 

 右へと視線を移すと、遠く、藻岩山らしき小ピークの右に札幌市街の広がりが見えていました。

 


 足元に目をやると、緑の森の中にポツンと赤い屋根が見えています。


 あれが、万計山荘のはずです。


 万計沼は木立の中に隠れているのでしょうか、


 湖畔から空沼岳のピークは見えませんでしたから、逆を考えれば、きっとそうです。

 

 

 下山路は同じルートを使いました。


 植物観察しながらの下山でしたが、休憩をほとんど取りませんので標準的なコースタイムとそれ程変わらないと思います。


 空沼岳ピーク12:55→万計山荘14:05(70分)→登山口15:25(110分)で計3時間でした。

 



 花の百名山がテーマなので、頂上で観察したハイマツの花をご紹介します。


 下の写真が雌花、右が雄花です。

 

 


 雌花は枝の先に付き、雄花は新しく伸びた枝の付け根部分に付きます。
 
 勿論、私の植物観察のテーマである、ハイマツに不等葉性が見られるかどうかも観察しましたが・・・・ 




 ウーン?


 これは、きちんと計測しなければ結論を出せそうにありません。


 空沼岳山頂は支笏洞爺国立公園内ですから、標本採取は諦めました。


 なにしろ、「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」ですから。



 

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空沼岳 登山路は札幌市内

2016-08-19 19:40:02 | 花の山

 

 

 真簾沼の湖畔で景色を楽しんだ後、登山路に戻って空沼岳の頂上を目指しました。


 道は傾斜が付いて、山登りらしい雰囲気になってきました。




 そんな時、見慣れぬ形の実を付けた木を目にしたのです。


 葉の形などを撮影し、旅を終えてから調べると、ウコンウツギであることが分かりました。


 ウコンウツギは前から知っていたのですが、花が終わった後の実は、目には映っていても私には見えていなかったようです。


 目に入っても、見るという意識が無ければ、見えてこないのは全てに共通します。


 


 ハリブキの花も、意識してみればなかなかに、面白く、美しい造形美を見せてくれます。


 


 ヒロハツリバナも今回初めて見えた木のうちの一つです。


 

 
 そして、登山路にミネカエデ(左)とハナヒリノキ(右)を認めました。

 

 ハナヒリノキとは変わった名前ですが、殺虫剤として使う、この木の葉の粉末が鼻に入ると、クシャミ(はなひり)が出ることが名の由来だそうです。

 

 

 

 私は、普通の人よりは、かなり多く山に登ってきたと自負していますが、樹木に関しては初心者同様です。


 これからも、「ああ、そうか! そうだったのか!」という驚きを伴いながら、山野を歩けるかと思うと、更に楽しみが膨らんでくるような気がします。


 道はなだらかに、尾根筋に向かって登ってゆきます。


 そして、気付いたのですが、登山路の右端に写っているのはハイマツに違いありません。


 この場所は1100m附近ですから、こんな低い場所にハイマツが出現するなんて、さすがは北海道ですね。

 



 12時を過ぎた頃、空沼岳0.7kmの標識を目にしました。

 



 更に道は、稜線らしき場所に向かって登ってゆきます。

 


 そして万計沼を出てから約90分後、空沼岳と札幌岳との分岐点に到着しました。

 



 分岐点を過ぎた左手に、以外なほどの近さで真駒内周辺の市街地を望むことができました。

 

 

 もっとも、これは後から知ったことですが、空沼岳とその登山路は、札幌市の行政区域内なのだそうです。



 

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空沼岳 万計沼から真簾沼へ

2016-08-19 16:04:45 | 花の山

 

 

 万計沼には万計山荘と空沼小屋がありますが、空沼小屋は改装中で、近寄ることはできませんでした。

 

 


 万計山荘は空沼岳万計山荘友の会が管理し、無料で利用できるようです。


 山荘は昭和40年に建てられ、ボランティアによって運営され、薪などはレンタルのトラックを借りて運び込んでいるそうです。


 平成13年には全国から募金を募って、大改修も行なわれたようです。


 維持資金の為の募金協力依頼が掲示されていました。




 万計沼の岸辺伝いにミツガシワが厚めの葉を並べていました。


 対岸では針葉樹を背にした広葉樹が湖畔を覆うように並んでいます。


 紅葉の季節はどんな光景になるのでしょうか。

 



 万計山荘の前のベンチで5、6分の休憩をとり、再び空沼岳の頂きへ向けて歩き始めました。

 



 針葉樹と広葉樹の混交林の中を進んで行きます。

 



 花を終えて、大きな葉の中央に実を付けたオオバナノエンレイソウ(左)やサンカヨウ(右)を見かけました。

 

 


 
 ユキザサが白い花を見せていました。

 

 


 
 エゾノヨツバムグラも質素な風情の花を咲かせていました。


 こんな目立たない花姿で虫を集めることができるのでしょうか?

 

 

 

 懐かしいゴゼンタチバナにも出会うことができました。


 苗場山以来、3年振りの再開となります。



 見上げるとミヤママタタビが、これも白い花を蔓枝にぶら下げていました。


 ミヤママタタビは雌雄異株ですが、どうやらこの花は雄花のようです。

 



 オガラバナ(左)が如何にもカエデ科らしい実を稔らせていました。


 その根元では、花を終えたツバメオモト(右)が艶めいた葉を光らせていました。

 

 


 
 次は何が出て来るのかなと、目をきょろきょろさせて歩くうちに、40分程で真簾沼に到着しました。


 真簾沼は湖岸にごろた石が並ぶ解放的な雰囲気の沼で、正面に見えている尾根は札幌岳でしょうか?




 

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空沼岳 安息の地 万計沼

2016-08-19 12:03:17 | 花の山

 

 

 道の脇に見覚えのあるランが咲いていました。


 トンボソウのようです。


 しかし、私の記憶しているトンボソウと、花の形が微妙に違って見えます。


 花と葉の形、付き方などを写真に撮り、帰宅してから図鑑で調べると、タカネトンボということがわかりました。


 始めて出会えた花でした。

 

 

 

 植物は花がないと、葉だけではなかなか判別が難いものです。


 同じ山でも、登るタイミングを一週間違えれば、新しい花に巡り会える可能性があります。


 美しい景色を見ながら野山を歩くことだけでも楽しいのですが、花や木との出会いを楽しみながら山野を歩けば、楽しさは無限大に広がります。


 60を過ぎたら、楽しくなければ生きてはいけないし、楽しまなければ生きる屍と同じですよね。


 草木を見て、鳥の声を聞きながら野山を歩けば、誰もが心から楽しい時間を過ごすことができます。


 北海道まで行かなくても、身近な場所でも十分に楽しめます。


 さあ、お金があっても無くても、時間はたっぷりあるぞ。


 熟年よ曠野を目指そう!


 道は沢筋に入ってきました。

 



 目の前に滝が現れました。

 



 登山道は滝の右手の斜面を登ってゆきます。

 



 水が流れる岩場に、面白い形に葉を広げた草に花が咲いていました。


 クルマバソウです。

 



 右手の土壁から、赤い実を付けたオオナルコユリが登山道へ、枝を伸ばしていました。

 



 更にその先で、清楚で慎ましいイワアカバナが花を咲かせていました。

 

 


 
 しゃがみ込んで花の写真を撮った後、目を上げると、緑の森を映した沼が目に飛び込んできました。


 万計沼です。

 

 

 万計沼は30年前のあの日と同じように、静かな湖面に水を湛え、悠久を想わせる深みある色彩で、登り来た人々に、安息の時と場を提供してくれていました。

 



 9時頃から登り始めて2時間弱、足に疲労感を感じることもなく、無事万計沼に到着することができました。


 昨年の夏、私はスポーツジムのオーバーワークで肩に痛みを覚えてから、運動不足となり、一年振りの山登りに少々不安はあったのですが、そんな心配は全く必要ありませんでした。


 

 

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空沼岳 透かし見る空が広がる

2016-08-18 17:17:52 | 花の山

 

 オニシモツケがふわっとした花を咲かせていました。


 托葉が耳のような形で茎を取り囲んでいます。


 良く見ると花は、薄いピンクがかった繊細な色合いに咲いています


 今は野にありますが、元は高貴なお生まれのお嬢様なのかもしれません。

 



 オオハナウドが、白い無数の花を束ねていました。


 幾つか似たような花がありますが、オオハナウドは白い小さな5弁の花が、手足を広げた小人のように見えます。

 

 


 
 ここにもオオカメノキが葉を広げていました。


 似た仲間とは、オオカメノキの葉の基部のハート形で見分けることができます。


 実が付いた枝の朱と、葉の緑の配色がとてもエレガントです。

 


 片斜面の登山道を進んで行きますと、




 
 木陰毎にオオウバユリが佇んでいました。
 

 道すがら、硬く閉じた蕾や、開き始めた花を見かけました。


 オオウバユリが今、北海道で花の季節を迎えたようです。


 花を咲かせたオオウバユリに年齢を尋ねれば、21と答えるかもしれません。


 

    
 この花はチシマアザミ、北海道ならではの花です。


 北海道や千島などに育ち、花を横向きから下向きに咲かせます。


 30㎝大となる葉は、縁に切れ込みのないものや、深く切れ込むものまで変化に富んでいます。

 

 


 スタート地点から90分後、道はせせらぎを渡りました。


 多分、万計沢川でしょう。


 このコースでは、あちらこちらに小さな沼や、せせらぎに出会いました。


 ゆったりした地形の尾根は、豊かな森に包まれ、その森が潤沢な水を供給し続けているのでしょうか。

 



 登山道脇のあちらこちらにミズバショウの茂みを見かけました。

 



 関所のように道を塞ぐ倒木を幾度か潜り抜けると、

 



 森の木立を透かし見る空が広がってきました。


 標高を上げてきた証です。

 



 そして暫く進むと、万計山荘0.3kmの標識が見えました。


 「青沼すぐそこ」の「すぐそこ」は万計山荘までの意ではないのですが、その言葉の響きが、安堵感を伴って、山道を進む私の足どりを、さらに軽やかにしてくれました。




 

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