2月9日
人吉梅園の駐車場で朝を迎えました。
結構寒い朝です。
周囲の梅の木は凍り付いたような白銀色に枝を広げています。
大分の吉野梅園の朝も寒かったのですが、今朝の寒さも相当なものです。
駐車場の横に人吉梅園の案内板が掲げられていました。
花の季節にはこんな風に、薄紅色の花が丘の斜面を飾るのでしょう。
梅園を横切る道路が、丘の上に伸びていたので、車で様子を見に行きました。
すると小さな駅に、ジーゼルのワンマンカーがヴォーンとエンジン音を立てながら、停車していました。
時刻は7時半頃でした。
2~3人の学生らしき乗客の姿が見えています。
駅名は大畑と表示されていました。
駅前道路の水溜りが白い色に凍っていました。
そんな時、駅からジーゼルカーが発車しましたが、1分もしない内に、反対側に向かって走り去って行きます。
おお! どうやらこの場所でスイッチバックしているようです。
そう言えば、昨晩国道221号線をはしる時に、ヒガンバナ以来となるループ橋を越えてきました。
この急峻な地形が薩摩と肥後の気風や風土を隔てたのでしょう。
加藤 清正と島津の勢力を隔てる舞台装置を見るような思いがします。
再び梅園に戻ると、朝日が山の頂を越えて梅の木を照らし始めました。
光はいつも、ありふれた風景を一瞬のうちにフォトジェニックに変化させる魔術師です。
私は昨晩、資料を確認し、ルート選定に大きなミスを犯していることに気付きました。
人吉梅園から、水俣へ向かう予定をしていたのですが、鹿児島県の薩摩川内にある藤川天神の臥龍梅を見落としていたのです。
ここの臥龍梅は日本最大のものと言われています。
30~40キロを戻ることになりますが、迷うことなく、国道267号を薩摩川内へとはしり始めました。
山間を縫うように、柔らかな陽射しの中に田舎道が続ゆきます。
1時間半程はしった頃に、目の前に小高い峰が見えてきました。
地図で確認し、高倉山かと思うのですが、自信はありません。
そして、その峰を廻り込んだ時、何と言うことでしょう。
山の木立に薄い雪化粧が施されていたのです。
本当に驚きました。
北九州の雪にも驚かされましたが、まさか、これほど南に下った場所で、再び雪を見るとは思ってもいなかったのです。
九州の気象に関する認識が、明らかに間違っていたと痛感させられました。
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