三河で梅と椿を楽しんでから、車を知多半島へはしらせました。
途中で、昨年秋に彼岸花を堪能した半田市を通りました。
真紅の景色が懐かしく思い出されます。
愛知県は自動車王国のためか高速道路がとても充実していますが、私は懐に響かない一般道をのんびりとはしります。
知多半島の国道247号線を南下する途中で、路肩に「椿の名所 安養寺」の看板を見かけました。
急ぐ旅ではありませんので、当然、寄り道です。
「八王山 安養寺」と記した石柱に赤い椿が寄り添います。
穏やかな表情の石仏が南天の赤い実と水仙の花に包まれていました。

安養寺の入口にはヤブツバキの古木が花を咲かせていました。
胸高周囲119センチ、樹高8メートルだそうです。
ヤブツバキも大きなものは10~15mになるそうですが、これだけの木にはめったにお目にかかれません。
ツバキの横に、寺の後へ、丘に登る道がありましたので、歩を進めました。
桃色の花を付けた優しいツバキが出迎えてくれます。
丘の斜面全体にツバキが幾品種も植えられていました。
丘の上から安養寺の小さな庭とヤブツバキの古木、そして、すぐ目の前の渥美湾の静かな海を望むことができました。

長閑で平和な光景が広がっています。
これ以上は何もいらないと思える穏やかな風景でした。
胸の奥の隅々へ、潮の香りと安堵感が広がっていくのを楽しみました。
お寺を出るときに、本堂前にたまたまご住職がおられたので、遠くから有難う御座いましたと頭を下げますと、ご住職からも丁寧なご挨拶を頂くことができました。
安養寺さんのヤブツバキ、更にきっと10m、15mを越えて花を咲かせることだろうと思います。
知多半島へやって来たのは半島の先端にある「観光農園はなひろば」を訪ねることも目的としていました。
10年ほど前から、何処に行ったら花に会えるかを調べて、全国の植物園と花公園をホームページにリストしています。
愛知県では唯一「観光農園はなひろば」が未訪問先として残っていましたので、今回はそれを自分の眼で確認したかったのです。
半島や離島にある花施設はなかなか行き難いので、こんな機会を利用して訪問しておこうというわけです。
半田市内のコンビニでやっと見つけた公衆電話から電話して、(実は、私は今でも、携帯電話を所有していません)「観光農園はなひろば」へ「今は何か花が咲いていますか?」と問い合わせると「菜の花が咲いていますよ」との答えを頂きました。
そしてこれが「観光農園はなひろば」の菜の花畑の光景です。

旅の途中でフェイスブックにこの写真をアップしたところ、北海道の友人から「夏の雲だ!」とのコメントをもらいました。
北海道ではまだ「北の町では今も~悲しみを暖炉で~♪」と誰かが歌っていた通りなのでしょうね。
日本の季節の多様さに改めて思いを致すこととなりました。
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