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世界最北限のサルは哲学的

2024-10-31 00:19:40 | 東北&北海道 夏の花旅

 車は陸奥湾に面した川内町から10分で脇野沢に到着しました。

 


 脇野沢には天然記念物の「下北半島のニホンザル」を飼育する野猿公苑があります。

 


 入園料の200円は、エサ代などの維持費に充てられるそうです。

 


 サル山の横に、かすれた字の解説文が掲げられていました。

 

 これだけを見ても、維持費に困窮している様子が分かります。


 その内容を要約すると、


 「この地区で昭和39年に十数頭のニホンザルの群れが確認され、昭和45年にニホンザルとその生息地が天然記念物に指定されました。


 しかしその後、頭数の増加とともに農作物の被害が増加し、昭和59年に文化庁の許可を得てA1群72頭を捕獲し、この野猿公苑で保護 ・ 飼養している」

 

 そうです。
 

 

 私は昭和45年頃、下北半島北限のニホンザルを記録したNHKの番組を見た記憶があります。

 

 その日以来、下北半島でニホンザルを一度見てみたいと思いましたが、野猿公苑のニホンザルは哀愁を漂わせていました。

 

 今まで見てきた動物園のサル達とは異なる何か哲学的なものを感じさせます。


 当然かもしれません、自然分布する世界最北限の過酷な雪国に生きる霊長類なのですから。


 下北半島を旅するのであれば、唯一無二の脇野沢の野猿公苑を必ず訪ねるべきです。

 


 脇野沢の野猿公苑を出る時、時刻を確認すると15時を過ぎていました。


 今日はこの後、下北半島最東端の尻屋崎を訪ねますが、可能であれば、今日中に青森市街にたどり着いて、津軽三味線のライブを聞きたいのです。


 果たして、うまくゆくでしょうか?


 陸奥湾の渚沿いに続く国道338号を、東へ走り始めました。

 


 やがて国道338号に松並木が現れました。


 何故かは分かりませんが、この数年、旅するたびに、松や松並木に惹かれる自分を感じます。

 


 この松並木が何処だったかを確かめようと思い、「国道338 松並木」で検索してヒットしたウィキペディアの「国道338号」を読んで驚きました。


 国道338の始点は北海道の函館駅前だったのです。


 函館市内は1.8㎞、その後津軽海峡フェリー航路19.0㎞を経て大間から下北半島を南下し、脇野沢、川内、むつ市、六ヶ所村、三沢市、を経て上北郡おいらせ町に至る総延長261.4㎞の国道なのです。


 びっくりです。

 

 このブログを書かなければ気付かなかった筈です。

 

 そして、こんなことが起きるからブログ書きが楽しいのですが、

 

 でもね~ こんな道草ばかりしてると、原稿が前に進まないんですよ。

 

 困ったものです。

 

 

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仏ヶ浦にもう一度来るつもりです

2024-10-30 00:04:03 | 東北&北海道 夏の花旅

 車へ戻るまでの間に、「ハクサンカメバヒキオコシ」のことなど忘れていました。

 

 そして再び、車窓から見える森の樹木を眺めながら車を走らせました。ミズキが花を咲かせ、サワグルミの果穂がよく目立ちます。

 

 


 と言うことで、「ハクサンカメバヒキオコシ」の事件性に気づくこともなく、私は旅を続けました。


 そして帰宅後、ブログ「好奇心の植物観察」に記したように、この植物が「ハクサンカメバヒキオコシ」であるならば、分布域を外れる可能性に気づき、秋の開花期を待って、仏ヶ浦の再訪を決意したのです。


 詳細は後で記すつもりですが、実際に私は、10月1日から4日にかけて、東京から車を走らせ、仏ヶ浦で「ハクサンカメバヒキオコシ」の真偽確認作業を行いました。

 

 しかし、その結果を今書くと、楽しみが半減しますので、ないしょ、内緒です。


 あれ! 誰かがブ~って言ってますが、最近私は耳が遠くなったので、自分に都合の悪いことは、聞こえません。 


 でも、ここまで書けば、察しの良い方は、もうお分かりですよね。


 仏ヶ浦の駐車場を出発し、国道338号を10㎞ほど走ると、県道253との分岐点から先が全面通行止めになっていました。

 

 下北半島西海岸の全風景を見たかったのですが、とても残念です。


 県道253に入って、2~3㎞走ると、湖が見えてきました。

 

 かわうち湖のようです。


 湖の水辺が赤茶色の土壁で縁取られていますので、明らかに人造湖です。

 


 湖岸の道の駅でトイレタイムをとりましたが、駐車場の植え込みでヤマボウシが花を咲かせていました。

 

 東京では5月中旬ごろに花を見ますので1か月以上も季節が遅いようです。

 


 県道253から県道46を抜け、川内町で海岸沿いの国道338に戻りました。


 当初の予定は、むつ市中心部まで国道338号を走るつもりだったので、通行止め区間を少しでも見ておきたくて、脇野沢まで戻ることにしました。

 

 

 陸奥湾の波打ち際に沿って、下北半島の南西端の町を目指しました。


 道路脇の護岸壁が低いのは、海が穏やかな証です。

 


 蠣崎(かきざき)という地区を走り、地区案内図に気付いて車を停めました。


 どうやらこの辺りにお城(蠣崎城:錦帯城)があったようです。


 そして蠣崎は、渡島半島で覇権を握った松前氏こと蠣崎氏発祥の地なのだそうです。


 それにしてもま~、そんな検索作業ばかり続けるので、記事がなかなか前に進みません。
 

 

 

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もしかしたら、事件かもしれません

2024-10-29 00:13:18 | 東北&北海道 夏の花旅

 階段を下る途中で、緑色っぽい岩が露出していました。


 仏ヶ浦の岩石は、海底火山の噴出物が海底に堆積し、熱変質で緑色・灰緑色を呈しますが、それらが隆起し、長い年月を経て、雨や波の浸食を受け、現在の仏ヶ浦の景観が形成されたのです。

 

 


 海岸に木道が整備されていました。

 


 海に桟橋を見かけました。

 

 4月末から10月末まで、佐井港や脇野沢港から観光船が通い、仏ヶ浦を訪ねる時は、観光船を利用するのが一般的なのだそうです。

 


 桟橋の北に、五百羅漢と呼ばれる、白い岩の崖が見えます。

 


 ゴロンとした形の「帆掛岩」や、矢尻形の奇岩「一ツ仏」等を眺め歩きました。

 

 

  
 しかし、私の旅の主目的は植物です。


 浜に咲くハマエンドウや岸壁に咲くアサツキなどを撮影し記録します。

 

 


 東京はこの日、34度を超えたそうですが、そんなこととは露知らず、私は爽やかな海風を受ける仏ヶ浦で花を探し、眺め歩きました。

 

 

ミヤコグサ        フタリシズカ
 

 仏ヶ浦の散策を終えると、今度は、あの長い木の階段を上らねばなりません。


 しかし幸いなことに、森の中の階段は梢が日差しを遮り、潮騒の音を聞きながら上りましたが、汗をかくことはありませんでした。

 


 20分弱で階段上りを終え、傾斜の緩い散策路を歩き始めると、路傍の下草に、特徴的な葉形を見せる植物に気づきました。


 そして直ぐに「ハクサンカメバヒキオコシ」と判断しました。

 

 
 実は私は、4、5日に一度の頻度で小石川植物園に通い、行けば必ず温室の全植物に目を通し、個々の植物の季節変化を写真に記録し続けています。


 その内の一つが「ハクサンカメバヒキオコシ」なのです。


 以下の、小石川植物園の「ハクサンカメバヒキオコシ」の写真をご覧下さい。

 

 この特異的な形の葉は、


①  葉の先端部が主脈近くまで深く切れ込みます。


②  葉の両側から切れ込みが入ることで、葉の先端部が分離しますが(頂羽

 片ないし頂裂片)、その頂羽片の縁にギザギザ(鋸歯)があります。


③  茎から延びる、緑色の長い葉柄の先に、①②の特徴を持つ葉が付きま

 す。

 

小石川植物園の「ハクサンカメバヒキオコシ」

 

 そんな特徴を持つ「ハクサンカメバヒキオコシ」の葉を、私は仏ヶ浦で目撃したのです。


 しかしその時私は、「下北半島にも育つか」程度の認識でした。


 そして旅が終わり「ハクサンカメバヒキオコシ」をネット検索すると、分布域は長野県西北部から滋賀県東北部にかけての一部地域だけらしいのです。


 「隔離分布」の可能性も・・・

 もしかしたら、事件かもしれません!

 

 

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日本に残された数少ない秘境の一つ

2024-10-28 00:19:39 | 東北&北海道 夏の花旅

 国道338号の緑あふれる景色を楽しみながらドライブを続けました。


 大間から1時間ほど走ると、福浦漁港と民家が見えてきました。

 


 国道は左にカーブしながら沢に入って行きます。

 


 すると道路脇に「(野平~脇野沢)全面通行止めのお知らせ」が掲げられていました。

 

 しかし私は、野平と脇野沢の位置関係が分からいので、「まあ、ダメなら戻ればいいさ」と気にもかけずに進みました。


 人生ずーっと出たとこ勝負でやってきたので、今更方針は変えられないのです。
 

 

 国道338号はくねくねと曲がりながら、坂を上ってゆきます。

 


 坂を上りきると、小さなパーキングに車を停めました。


 窓を開け、人の気配が全くない、森が直接海に落ち込む景色に向けてカメラのシャッターを切りました。


 山と海が織りなす秘境の、すこぶる贅沢な景色です。


 西伊豆や五島列島の中通島の景色を思い出しました。

 

 

 そして、その先で尾根を曲がった場所の展望台から望むと、仏ヶ浦の奇岩が白波を浴びていまいた。

 

 
 看板に、「仏ヶ浦は 極楽の磯 羅漢、如来が立ち並ぶ」の一句と、「仏ヶ浦は緑色凝灰岩の断崖が海風の浸食を受けて、仏像に似た奇岩を形作った」の解説が記されていました。


 そしてそこでも、サワグルミの大木が枝を広げていました。


 サワグルミは、今の季節20~40cmに伸びる果穂を枝にぶら下げますので、嫌でも目に付きます。

 

 


  同じ場所に現在地を示す地図が掲げられていました。

 


 展望台から5分ほど走って、仏ヶ浦駐車場に車を停めました。


 仏ヶ浦へ降りる遊歩道の入口に、「仏ヶ浦まで下り20分、上り40分」と記されていました。


 ここまで来たら、進む以外に選択肢はありません。


 そしてその先に、果てしない木の階段が待っていました。

 


  これから先の話は、私の別のブログ「好奇心の植物観察」にも記しましたので、そちらも一読頂ければ幸いです。

 ところで、今居る場所は2枚上の写真でお分かりのように、下北半島西海岸の真ん中辺りです。


そして仏ヶ浦を訪ねる場合は、


1. 新青森駅でレンタカーを借りると片道160㎞で約5時間、


2. JR下北駅からバス160分で佐井まで行き、そこから観光遊覧船で往復

 1時間半等々、


 ここは日本に残された数少ない秘境の一つなのです。

 

 

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下北半島の西岸に沿って南下する

2024-10-27 00:01:36 | 東北&北海道 夏の花旅

 7月6日朝、函館港で大間行き津軽海峡フェリーへの乗船が始まりました。


 雨は夜のうちに止んで、天気は持ち直しましたが、行く手を厚い雲が覆っています。

 

 それでも、東京は35度を超える猛暑日ですから、過ごし易い北国の夏に感謝すべきかもしれません。

 


 私は過去に幾度も函館-青森間のフェリーを利用しました。

 

 函館と大間を結ぶフェリーに乗るのは今回が初めてです。


 過去の旅は、夜中のフェリーで津軽海峡を渡り、函館か青森に着くや否や、目的地目指して走り始めるスケジュールでしたが、今日は青森県の下北半島を巡る旅なので、1日2便しかない大間行きフェリーを利用します。


 9時半に函館港を出港したフェリーは、函館山を横目に見ながら海峡を渡ります。

 


 フェリーは順調に進み、やがて目の前に下北半島が見えてきました。

 


 大間に上陸すると、市街を出る前に自販機でお茶を購入しました。


 今回のルートは、暫くの間、コンビニさえないと思うのです。


 大間市街を出て国道338号に入り、下北半島の西岸に沿って南下しました。

 


 交通量の極めて少ない海辺の道を進みます。

 


 小さな漁港が見えてきました。奥戸漁港かもしれません。

 



 そんなとき、道路のガードレールにニホンザルの親子を見かけました。


 車を止めてカメラを構えましたが、サルはすぐに崖下に消え去りました。


 私は諦めきれずに、車を降りてサルを探しましたが、気配さえ感じません。


 サルが居た場所で、コクワが沢山の実をつけていました。


 見上げると、サワグルミが沢山の実をぶら下げています。


 この辺のサルは、夏であれば餌に不自由しないのでしょう。

 

 

 
 サワグルミに並んでシナノキが枝一杯に白い花を咲かせていました。


 シナノキも沢山の実を付けますが、サルの餌になるのでしょうか?

 

 


 道路沿いに現れる樹木を楽しみながら車を走らせました。


 私は60歳で定年退職した年の春、レンタカーでアメリカ大陸を横断しましたが、その旅の途中、木々の名前が分かると楽しいだろうなと思い、帰国するとすぐに、木の観察を始めました。

 

 あれから13年余、あの日から続けた樹木観察で、最近少しは木の名前が分かるようになってきました。


 それにしても、この辺りはサワグルミとシナノキがよく目に付きます。

 

 

 

 

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アメリカ大陸横断 花の旅 index 1

アメリカ大陸横断 花の旅 index 2

 

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ヤマグワの葉が確信をもたらす

2024-10-26 00:02:47 | 東北&北海道 夏の花旅

 ワッカ原生花園で植物観察を終え、サロマ湖対岸のキムアネップ岬を訪ねました。


 一度訪ねたいと思っていたのです。


 国道を走り「キムアネップ岬」の看板を見て右折すると、見事な木のトンネルが現れました。

 

 青森の八甲田から奥入瀬へ抜ける道を思い出しました。

 


 駐車場に着くと、サロマ湖の対岸にワッカ原生花園の砂洲が見渡せました。


 湖岸の草地に、野の花が紛れます。

 



 「キムアネップ岬」は夕日の絶景ポイントで、サンゴ草が初秋に湖岸を赤く染めるそうです。

 

 夏期シーズンは無料キャンプ場が開放され、8分間100円のコインシャワーが設けられます。

 

 案内図に、この辺りはハマナスの群生地と記されていました。

 


 そして、時刻を確認すると13時を少し過ぎていました。


 この先、どうしようかと考えましたが、道内高速道4日間乗り放題パスの期限が明日で切れます。

 

 帰路は函館からフェリーで大間へ渡る予定で、ここから更に北へ走るのは無理と判断しました。


 もう少しどこかで花を、とも思いましたが、年齢を考え、今日は無理をせずに、この辺りで帰路に付くことにしました。 

 


 

 


7月5日


 今私は、室蘭の地球岬に居ます。

 

 ここも初めて訪ねました。

 

 前から気になっていたのですが、室蘭は札幌-函館間のルートから少し外れるので、訪ねる機会がなかなか得られなかったのです。


 でも「地球岬」って本当に素敵な地名ですよね。


 この地名を耳にするといつも、海に突き出る岬から眺める、円い孤を描く水平線が、頭に浮かびます。

 


 そして今日初めて、長年の夢かなって地球岬から海を眺めましたが、

 


 地球岬に来る途中で、苫小牧辺りから雨が降り出したのです。


 しかし、悪いことばかりではありません。


 地球岬でヤマグワの名札を付けた木を見つけました。


 幹径が40㎝程もあり、かなりの樹齢に見えます。

 

 


 葉は先が尖った楕円形で、鋸歯はありますが、切れ込みは一切ありません。
 

 

 

 一般的なヤマグワは、以下のようなアメーバー状の葉形です。

 

 (とても同じ木の葉とは思えませんよね!)

 

 


 しかし樹齢を増すごとに、地球岬のヤマグワのような、切れ込みのない葉形に変化します


 この現象を異形葉性といい、私は2017年ごろからその発生原理を探る観察を続けてきました。

 

 しかし、樹齢の高いヤマグワは10mを超え、観察は容易ではありません。

 

 これ程低いヤマグワの高齢樹は珍しく、私は全葉に切れ込みがないことを、瞬時に確認しました。

 

 そして 「異形葉性オーキシン仮説」は確信に変わったのです。

 

 

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ヤマグワの異形葉は幹回りの大小で発現頻度が変わる

 

イチョウの雌雄を葉で見分ける

 

 

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ワッカ原生花園 7月上旬の花 紅、紫、青

2024-10-25 00:01:15 | 東北&北海道 夏の花旅

 

 ワッカ原生花園で観察した21種の花を、2回に分けて紹介します。

 

 

花色 説明 写真
橙色

エゾスカシユリ ユリ科

 

 大型のオレンジ色の花を上向きに咲かせます。


 6枚の花びらに黒い斑点があり、花びらの根元に隙間があります。


 隙間のある様子がスカシユリの名の由来です。

紅色 

エゾフウロ フウロソウ科

 

 高さ30~60㎝で、茎や葉に毛が多く、葉は手のひら状に5-7つに深く切れ込みます。


 花の直径は2.5-3㎝です。


 5枚の紫がかった紅色の花びらに、濃い紅色の脈が目立ちます。

紅色 

ナワシロイチゴ バラ科

 

 地を這うように育つ木イチゴで、3ないし5枚の葉が一組となって枝に付きます。


 葉は表面が明るい緑で、葉裏には白っぽい毛があります。


 花の直径は1.5㎝で、薄い紅色の花びらは5枚です。

薄紅 

エゾカワラナデシコ

 ナデシコ科

 

 草丈30~50㎝で、細い茎は上部で枝分かれします。


 先がとがった細長い葉の付け根は茎を包みます。


 直径4㎝程の花を茎先に咲かせ、5枚の花びらは先が細かく切れ込みます。

紅色 

ヒメスイバ タデ科

 

 ヨーロッパ原産の帰化植物です。


 長さ2~6㎝の葉は先がとがり、基部は、左右に耳状に張り出て鉾型に見えます。

 

 オス株とメス株があり、細く伸ばした花茎に数百の小花を咲かせます。

紅紫

ミヤマラッキョウ ユリ科

 

 高さ15~30㎝の茎先へ、長さ4㎜の小さな紅紫色の花を集めて咲かせ、半球形になります。


 細長い、幅3~5㎜の葉が3~4枚、根元に付きます。


 よく似たアサツキの葉は円筒形(中空)です。

紅色 

アカツメクサ マメ科

 

 ムラサキツメクサ、レッドクローバーともよばれ、シロツメクサ同様日本全国に帰化しています。


 花茎は短く、花のすぐ下に葉があり、葉に白い斑紋があります。

 

 シロツメクサと比較すると面白いです。

青紫 

ナミキソウ シソ科

 

 海岸砂丘から草原にかけて、地面の中に細長い根を伸ばします。


 四角い茎の一カ所に、長い楕円形の葉を2枚ずつ向き合って付けます。


 青紫の花は基部が折れ曲がって、ほぼ直立します。

青紫 
ムシャリンドウ シソ科
 
 
 高さ15~40㎝に四角い茎を伸ばし、茎や葉に毛が生えています。
 
 花は青紫色で、長さ3~3.5㎝、筒状の花弁の先端が唇のように上下に分かれています。
 
 花は茎の上部に咲きます。
 
紅紫

ハマエンドウ マメ科

 

 茎が地上を這い、その先が斜めに立ち上がります。


 葉軸の左右に、卵形の小葉を3~6対付けます。葉軸の先端のまきひげが何かに絡みついて草を支えます。


 スイートピーに似た花を3~6個、まとまって咲かせます。

紫色 

ハマウツボ ハマウツボ科

 

 ヨモギの仲間に寄生する植物で、葉緑素を持つ葉がありません。


 高さ10~30㎝の太い花茎に、紫色の花を穂状に咲かせます。

 

 

 

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ワッカ原生花園 7月上旬の花 白、黄、黄緑

2024-10-24 00:01:24 | 東北&北海道 夏の花旅

 ワッカ原生花園で観察した21種の花を、2回に分けて紹介します。

 

 

花色 説明 画像
白色 

 エゾノシシウド セリ科

 

 高さ1~1.5mに達します。

 

 小さな葉が3枚ずつまとまって出ます。

 

 小さな花が無数に集まって咲き、全体がパラソル形になります。

 

 エゾノヨロイグサ、アマニュウなど、よく似た花と見分ける必要があります。

 

白色 

ハマボウフウ セリ科

 

 草丈5~40㎝で、葉は厚く光沢があります。


 小さな花が20~40個の半球形を作り、その半球形が20~30個ほど集まって、大きな半球形を作ります。

白色 

エゾチドリ ラン科

 

 高さ20~50㎝に茎を伸ばし、葉は細く2枚が向き合うように付きます。


 茎先の上部に、緑白色の花を穂のように集まって咲かせます。

 

 花の後ろに2~2.5㎝突き出た部分があります。

 

白色   

シロツメクサ マメ科

 

 知らない人は少ないと思いますが、こんな場所にもと思う人が居るかもしれません。


 ヨーロッパ原産で、江戸時代に日本に渡来し、全国に広く帰化しています。

 

 アカツメクサと比較すると興味が増します。

白色 

コゴメハギ マメ科

 

 中央アジア原産の帰化植物で、縁がギザギザの葉を3枚まとめて付けます。

 

 白いスイートピーに似た花を、茎先に数多く咲かせます。

 

 
白黄

エゾカワラマツバ 

 アカネ科

 

 草丈は30~80㎝ほど。


 幅2~3㎜、長さ2~3㎝の細長い葉を、茎の同じ高さの場所から7~12枚放射状に伸ばします。


 小さな黄白色の花を泡が吹くように咲かせます。

 
黄色 

ホタルサイコ セリ科

 

 草丈50~150㎝に茎を伸ばし、上部で枝分かれします。


 茎に付く葉の付け根は茎を円く包みます。


 直径3㎜程の黄色い小花が10~15個集まって、小さな傘形を作って咲きます。

 
黄色 

センダイハギ マメ科

 

 40~80㎝に茎を伸ばし、小さな卵形の葉を3枚ずつ集めて付け、フジの形に似た黄色い花を、茎先へ房状に咲かせます。

 

黄色

コウゾリナ キク科

 

 30~80㎝ほどに茎を伸ばし、先端で枝分かれします。


 枝の上部に、直径1㎝ぐらいのタンポポに似た花を咲かせます。

 
黄緑

コウボウムギ

 カヤツリグサ科

 

 海岸の砂丘に育ちます。


 砂の中で根を横に伸ばし、節から高さ20~30㎝の太く硬い茎を立ち上げます。


 茎の先に黄緑色の花穂を付けます。


 オス株とメス株がありますが、オス株はメス株よりも細いです。

 

 

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ワッカ原生花園で野の花を楽しむ

2024-10-23 01:15:52 | 東北&北海道 夏の花旅

 ワッカの森に「資源倍増の森」と記されたディスプレーが掲げられていました。


 昭和31年にトドマツ、アカエゾマツの苗を船で運び、この地に森を作ったと記されます。

 


 サロマ湖はホタテや牡蠣の養殖が盛んで、砂がサロマ湖に飛散するとホタテに悪影響を及ぼします。

 

 また緑は漁業資源に養分を供給するので、佐呂間漁協や常呂漁協はサロマ湖周辺の山林を購入し、積極的な植林作業を進めてきたことを、私はこのブログを書きながら知りました。

 


 私はワッカの森でトドマツとアカエゾマツの観察を行いました。

 

 針葉樹は北海道に広く育ちますが、簡単に観察できる場所は以外に少ないのです。


 両者の明らかな違いは幹です。


 トドマツの幹は白っぽく滑らかですが、アカエゾマツの樹皮は赤褐色で薄片となって波状に浮きあがり、はげ落ちます。

 

 


 私は樹木に興味を持ちますが、それ以外の方は退屈かと思いますので、詳しい説明は省きます。


 ワッカの森を更に進むと、昭和57年(1982年)~に植林されたナラガシワが枝を広げていました。

 

 林の右手奥にワッカの泉が見えていました。

 


 帰りは先を急がず、遊歩道に咲く花を楽しみながら自転車を進めました。

 

 

 第二湖口をまたぐ橋の上から、右手にサロマ湖、左手にオホーツク海が見渡せました。


 視界の良い日は、オホーツク海の先に知床連山が見えるそうです。 

 

 

 遊歩道に数か所、海岸に出る通路が設けられていました。


 砂地の海岸に、遊歩道と異なる種類の植物が花を咲かせていました。

 


 花の写真を撮りながら、のんびり、ゆっくりとネイチャーセンターに戻りました。


 花の名が幾つか分からなかったので、駐輪場の係の方に、誰か植物に詳しい人は居ませんか?と尋ねました。


 すると係の方がセンターの女性に声をかけてくれて、導かれるままに中に入ると、壁に現在開花中の花の名が掲げられていました。

 


 私は、名前が分からない花のカメラ画像を示し、一つずつ名前を確認してゆきました。

 

 とても親切に対応して頂き、センターの方が分からない植物は、スマホで誰かに画像を送り、解答を得てくれたのです。


 その時対応してくれた方が手にしていたのが、以下の「龍宮花道」というワッカ原生花園の花を紹介するハンドブックで、109種の花が色別に紹介されています。

 

 一冊千円という手頃な価格で、写真もとても綺麗です。


 勿論私も一冊買い求めてきました。

 

 

 

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サロマ湖砂洲のワッカ原生花園

2024-10-22 00:02:20 | 東北&北海道 夏の花旅

 北浜駅で旅情を深め、再び国道244号を走り始めました。

 

 ナビにはワッカ原生花園が入力されています。

 

 車は網走市郊外の丘陵地を越えてゆきます。


 ヨーロッパの風景を思わせる、美しい景色が続く道で車を停めて、カメラのシャッターを押しました。

 


 何処を走ったかは分かりませんが、北浜駅を出発した2時間後にワッカ原生花園に到着しました。


 最初は、十勝の晩成原生花園のような荒涼とした原野の光景を予測していましたが、駐車場に着くと、舗装された遊歩道に二つの周遊コースが設けられ、ネイチャーセンターに園内専用のレンタサイクルが備えられていました。

 


 ワッカ原生花園の「ワッカ」はアイヌ語で「真水」を意味し、海水のオホーツクとサロマ湖に挟まれた砂洲のワッカの森に、真水が湧きだす場所があります。


 最初にネイチャーセンターを訪ねると、サロマ湖の歴史が解説されていました。


 「およそ1万年前に氷河期が終わり、海水面が上昇し、約9千年前にサロマ湖の辺りが海になります。

 

 およそ4千年前に砂嘴がつながり、サロマ湖は海と遮断されます。

 

 120年前に開拓民が入りますが、雪解けの増水期に水が溢れ、農地が水浸しになるので、人々は湖と海をつなぐ水路を掘削しました」

 

 


 植物に関しては


 「鮮烈な香りが好まれる山菜のハマボウフウは砂丘深く、1mほどに根を伸ばす」


 「ワッカ原生花園の看板花のエゾスカシユリは、花弁の付け根に[すかし]が入る」


 等々、数多くの解説が示されていました。

 

 


 私はいつも、このような場所の解説は撮影するに留め、詳細に読みません。


 旅先の時間は以外に乏しいので、解説を丁寧に読むより、その場でしか観察できない現象や、見学に時間を割くことにしています。


 ワッカ原生花園は、歩いて回れる規模ではないので、レンタサイクルを利用することにしました。料金は650円で「一日乗り放題」です。


 ネイチャーセンターから4.5㎞先のワッカの森を目指し、自転車を進めました。

 


 遊歩道を1kmほど進むと、明治の文豪大町桂月が「この砂洲を龍宮街道と名付けた」と記された掲示板が掲げられていました。

 


 サイクリングロードをゆっくり進み、

 


 3.5km進んで、第二湖口をまたぐ橋を渡り、橋から湖口を覗くと、結構な速さで、海水が海から湖に流れ込んでいました。

 


 第二湖口の先は未舗装ですが、泥道ではありません。


 目の前にワッカの森が見えてきました。

 

 

 

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オホーツックの花園とレトロな駅舎

2024-10-21 00:09:06 | 東北&北海道 夏の花旅

 国道244を走り続け、

 


 8時20分頃、小清水原生花園に到着しました。


 此処も4~5回ほど来ましたが、殆どが夏季休暇中だったので、花を堪能した記憶がありません。

 


 踏切を渡って、海岸沿いに広がる原生花園に足を運びました。


 小清水原生花園は国道244沿いに、オホーツク海と濤沸湖に挟まれた8㎞程の細長い砂丘です。

 


 解説板に「5月から9月にかけて、約200種の野生の花が咲き、一番の見ごろは6月中旬から7月下旬」と記されていました。


 駅舎裏の砂丘に、野生植物の種類を集めています。


 園内を散策すると

 

 

エゾカワラナデシコ や       エゾスカシユリ  

 

ナミキソウ や        ハマヒルガオ

 
   
ハマボウフウ や       エゾカワラマツバ

 
   

 などが目を楽しませてくれました。


 とは言っても、名札がないので実際は、

 

 「あ!これはほら、 え~っと、あれだよ、あれ」と呟きながら歩き回ったのです。


 エゾキスゲの清らかな黄色い花が陽を浴びていました。

 


 インフォメーションセンターを訪ねると、開花期順に花の写真が掲示されていました。


 私はデジカメで撮影した花の写真と見比べ、花の名を確認しました。


 なので、花の名前は間違っていないと思います。

 

 信用して下さって大丈夫です。

 


 花に会えてよかったと安堵し、次にサロマ湖東岸のワッカ原生花園を目指しました。


 ワッカ原生花園はいつも、旅のルートから外れるので、訪ねたことがないのです。


 そして国道244を走り始めるとすぐに、ノスタルジックな風情の駅舎が目に留まりました。


 以前の私なら、駅舎などは、気にもせずに通り過ぎたでしょう。


 しかし昨年の青春18きっぷの旅以来、小さな古い駅舎が気になります。

 


 駅前に車を停めると、駅舎に「北浜駅」の文字が見えました。


 その駅舎の玄関に「COFFEE & LUNCH 停車場」と記された看板に気づきました。


 駅舎の左半分がレストランのようです。

 
 営業はAM11:00~PM6:00なので、人影はありませんでした。  


 駅舎横の木製の展望台に上ってみました。

 


 展望台は屋根より高く、展望台の柵に知床連山の山名を示すガイド図が設けられていました。


 今日は視界が悪く知床連山は見えませんが、残雪の山々が目に浮かびます。

 


 北西を望むと、釧網本線がオホーツクの波しぶきを浴びていました。

 


 振り返えれば渚に沿って、鉄路がまっすぐに延びていました。

 


 展望台を下り、人気のないホームから待合室に入ると、

 


 数多くの旅人の旅情が壁を飾っていました。

 


 

 

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時は移ろい サイロも鉄路も消える

2024-10-20 00:14:12 | 東北&北海道 夏の花旅

 標津町で国道244号に入り、オホーツクの小清水原生花園を目指しました。


 十勝の原生花園は花が終わっていましたが、オホーツク海沿いの原生花園は、花の季節に間に合う筈です。


 この記事を書きながら、それにしてもな~と苦笑い。


 今から50年前の20歳代の頃、私は春夏秋冬の休日を山で過ごしましたが、北海道の山は、7月上旬から高山植物が咲き始めます。

 

 今の季節、十勝平野で花が終わるのは当然なのです。

 

 ああぁ、今頃そんなことに気づくなんて! 


 国道244を走り始めると、道路に下向きの赤白矢印が見え始めました。


 これは、積雪時に路肩の位置を示す標識です。道路が雪で覆われる季節、車はこれを目印に、路肩を外さないように走ります。


 稚内辺りの、ブリザード吹き荒れる冬道を思い出します。

 


 国道244号は標津町伊茶仁で左折し、海に別れを告げると、左右に広大な牧草地が広がりました。


 正面に斜里岳やサマッケヌプリ山などが見えてきました。


 あの山塊の右が知床連山です。

 


 牧草地の中に、牧草を円筒形に梱包したロールベールが点々と見えます。


 刈り取った牧草をポリエチレンで円筒形にラップし、その中で牧草を発酵させるのです。


 昔はサイロを使ってサイレージを作りましたが、近年この方法が普及し、新たな景観を見せるようになりました。

 


 眼前に山稜が近づいてきました。

 


 そして両側にシラカババ林が広がります。

 


 忠類川に沿って、根北峠を越えました。


 何時かは忘れましたが、花の百名山を訪ねて羅臼岳に登った記憶があります。

 

 その時は羅臼からウトロに抜ける知床峠を越えたので、根北峠を越えるのは今回が初めてです。


 根北峠は標高487mで、国道はかなり手前から高度を上げますから、いつ峠か分からない内に、分水嶺を超えて北見支庁に入りました。


 車の姿はなく、国道244を貸し切り状態で走っていると突然、コンクリート製の構造物が現れました。


 ブレーキを踏み、少し通り過ぎてからバックし、「なんじゃこりゃ」

 


 掲げられた解説に、


 「第一幾品川橋梁(越川橋梁) 


 この橋は旧国鉄根北線の為に昭和14年に着工した10連アーチ橋で・・・


 根北線は越川橋梁まで線路が延びず、昭和45年に廃線となりました。

 

 橋梁は当時のコンクリート技術と戦時下の過酷な労働を伝える歴史遺産として貴重なものです」

 

 と記されていました。

 


 橋は全長147m、高さ20mだったそうです。


 牧場を象徴するサイロ、丘を越える鉄路、

 

 時の移ろいとともに消えてゆきます。

 

 

 

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オジロワシ現る

2024-10-19 00:23:34 | 東北&北海道 夏の花旅

 車から降りて、トドワラの写真を撮って車に戻るその時、道路脇のテトラポットで羽を休める大きな鳥に気づきました。

 

 オジロワシです!!


 まさか、これほどの近さでオジロワシが見られるとは思いもしませんでした。


 私のカメラはキャノンIXYという安価なバカチョンカメラですが、高級カメラに負けない写真が撮れました。


「弘法は筆を選ばず」って、自慢したくなりますが、ん~ 腕じゃないか・・・

 


 思わぬ幸運に恵まれ、頬が緩みました。


 しかしオジロワシは直ぐに飛び去り、

 

 私は「なぜ巡り合うのかを♪、私たちは誰も知ぃ~らない♪」などと口ずさみながら、車を先に進めました。

 

 それにしてもです、昨日はラッコとエゾシカ、そして今日はオジロワシと、野生動物が次々と至近距離に姿を現します。


 やっぱり北海道は凄い!

 

 私の家内はどさん子(北海道生まれ)ですが、北海道らしいニュースに接するたびに「北海道は日本じゃないよね」と口にします。


 毎年恒例の、都道府県別魅力度調査で北海道が常にダントツ1位なのは当然かもしれません。


 実は私も本当は、北海道の大自然の中で牛を飼いながら、宮沢賢治のような「雨にも負けず」の生活を志したのですが、どこで間違っちゃったんでしょうか?


 暫く進むと、またトドワラが見えたのでパチリ。


 しかしこれは、ミズナラが枯れ残ったナラワラだと、後で分かりました。

 


 ナラワラの景色が見えた辺りから、荒野にエゾカンゾウの花が広がりました。


 昨日の霧多布湿原と、緯度にそれほど差がないので、エゾカンゾウは環境変化に敏感なのかもしれません。

 

 そう言えば、霧多布岬のエゾカンゾウは満開でしたから、海風が影響するのかな~?


 野付半島には、エゾカンゾウ以外にエゾキスゲや

 


 ハマナスが花を咲かせていましたが、

 


 しかしやっぱり、エゾカンゾウ群落が一番目を引きます。  

 

 

 ところで、ここまで書いてきてふと、昨日エゾシカが居た辺りでエゾカンゾウを見なかったことを思い出しました。


 もしかすると、シカに食べられた可能性があるかもと閃きました。


 そこで、「エゾシカ エゾカンゾウ」で検索すると、稚内付近のサロベツ湿原や暑寒別岳の雨竜湿原で、エゾカンゾウがシカの食害を受けているとの記事がヒットしました。


 やっぱりね~ そうなんですか。 


 霧多布湿原と霧多布岬は数キロしか離れていません。

 

 エゾカンゾウの開花期に差が出るのは、どう考えても不自然です。


 霧多布湿原のエゾカンゾウは、エゾシカの食害を受けているかもしれません。

 

 

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トドワラの意味 私の珍説

2024-10-18 00:41:20 | 東北&北海道 夏の花旅

 17時半頃野付半島のネイチャーセンターに着きましたが、既にドアは閉ざされていました。


 とりあえず、壁に掲げられた、北海道遺産「野付半島と打瀬船」の解説文をパチリ。

 


 今その内容を確認すると、


 「野付半島は全長26㎞の日本最大の砂嘴(さし)で、北海シマエビ漁に用いる打瀬船は野付湾の風物詩で、シマエビの住処であり、餌となるアマモを傷つけない為に三角帆で風を受ける漁法は、明治時代からあったといわれます」
 と記されます。


 既に薄暗くなり始めましたので、今夜の宿泊場所を決めなければなりません。


 車を進めると、「ここから先一般車通行止め」と示された場所のパーキングエリアに、数台のキャンピングカーが止まっていました。

 

 ここで津波に襲われたら逃げ場がない、とは思いましたが、東の空から日が昇る景色を想像し、今夜はここで夜を過ごすことにしました。


 そして驚くことに、すぐ横の草地で、エゾシカの群れが草を食んでいます。

 

 観光客がカメラやスマホのレンズをシカに向けますが、彼らは全く動じません。

 


 この辺りで彼らに危害を加えるものは何もないのでしょう。

 

 観光客から3~4m程の近さで、夕餉を楽しんでいました。


 さて、そろそろ私も夕食を摂ろうと思います。

 

 今夜のごはんは、透明なプラスチック容器に盛られたカツ重と、500㏄の缶酎ハイ、そして晩酌のお供はスルメです。

 

 

 昨晩少し飲みすぎたのか、缶酎ハイを空け終わる前に強い睡魔が襲ってきました。

 


 7月4日、野付半島の先端で朝を迎えました。


 朝空を照らす太陽を期待しましたが、東の空は雲で覆われていました。
  
 昨夕、野付半島の道道950号を走り来た時、道路脇に多くの花を見ました。


 車の中でコッペパンだけの質素な朝食を済ませるとすぐに、国道244号との分岐点目指し車をスタートさせました。


 原野の中に、「野付半島原生花園」と「ラムサール条約登録湿地 野付半島・野付湾」と記された表示板が掲げられています。

 


 更に進むと、野付湾に伸びた砂嘴の畔で、エクルベージュ色に立ち枯れたトドワラが幻想的な姿を水面に映していました。

 


 ところで、トドワラの意味ですが、気になって調べてみると、

 

 “トドワラ”は“トドマツの原っぱ”が語源との説明がありました。

 

 私はてっきり、“トドマツが枯れて藁(ワラ)状になった” の意味かと思ったのですが・・・

 

 でもしかし、トドマツ林が枯れ残っても、原っぱには見えないので、自分的には「私の判断が〇」です。
 

 

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至福の時に溶け入る

2024-10-17 00:07:13 | 東北&北海道 夏の花旅

 岬の先へ歩を進めました。

 

 
 地球の孤を微かに感じさせる水平線が青い空と海を隔て、散策路は北国の花に包まれていました。

 


 岬の先端に立つと、微かに白穂が揺れる海風の中、親潮流れる蒼いキャンパスに幾つかの岩礁が描かれていました。

 


 海の香を存分に胸に満たし、元来た道を戻りました。


 恋する灯台の尾根に駆け上る草の斜面が、エゾカンゾウに染まります。

 


 岬を訪ね来た人達が、花に染まる桃源郷で、至福の時に溶け込んでいました。

 


 散策路を戻る途中、西の斜面もエゾカンゾウで覆われていることに気づきました。


 斜面の先に、海を隔てて、あやめヶ原へと続く台地が横たわります。


 あの台地に沈む夕日に照らされた、エゾカンゾウの鮮やかな光景が脳裏に浮かびました。 やっぱり此処は、恋する灯台に相応しい場所のようです。

 


 霧多布岬を出発して、浜中湾に沿う道道142号を東へ走りました。


 頭の中に凡その地図があるので、ナビに目的地を入れずに、走り続けました。

 


 私は学生時代を含め、北海道で20年程の歳月を過ごしました。

 

 北海道で知らない街はないと言い切れるほど、仕事や趣味で北海道のほぼすべてを走り回りました。


 しかし今走る場所の景色は初めてです。


 根室も3~4回は訪ねましたが、いつも国道44号かJRを利用してきました。

 

 霧多布岬を経由する道道142号を走るのは今回が全く初めてなのです。


 国道142号は、根室から別当賀駅辺りまで走ったことがありますので、別当賀駅を目標に車を走らせました。


 そして去年の夏、花咲線の普通列車から眺めた、国道142号の景色の中に身を置けたことの達成感に浸りました。

 



 ん~ 我ながら、ほとんど意味はないかな、と思います。


 でもいいんです、それが人生の贅沢と言うものです。

 

 そんな贅沢が人生を豊かにしてくれるのです。


 さて、別当賀駅の脇の踏切で時刻を確認すると16時半を過ぎていました。


 今日はもう、根室まで足を伸ばすのは無理です。


 路傍に車を停め、ナビに野付半島ネイチャーセンターを入力しました。


 野付半島も数少ない未訪問先で、根室湾の海岸線を北上する、国道244号も走ったことがありません。


 そして私は、国道244号から野付半島へ伸びる道道950号分岐点付近のコンビニで、夕飯と晩酌、明日の朝食を購入し、野付半島へ車を進めました。

 

 

 

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