車は大館能代空港の滑走路の下を潜り、鷹ノ巣の先で国道7号線に入りました。
この先は、何度も経験のある道が続きます。
今日は時間に余裕があるので、秋田青森の県境で、秘湯として名が知られる日影温泉に入ろうと考えていました。
しかし、温泉入口のやたて峠に近づくと「日影温泉休館中」の看板を目にすることになります。
更に、この記事を書くに当って、日影温泉を検索すると「2014年8月 日影温泉廃業」の記事を認めました。残念です、一度入りたかったのに。
青森県に入り、碇ヶ関を過ぎ、国道7号から県道13号に入り、猿賀公園に正午過ぎに到着しました。
予想以上に大きな鏡ヶ池が、夏雲の下に水を湛えていました。
猿賀公園は猿賀神社に隣接する鏡ヶ池と、見晴ヶ池を囲むように作られた公園で、二つの池の周囲には桜が植えられ、夏になると、鏡ヶ池には「北限の和蓮」とされるハスの花が咲き揃います。
猿賀神社は、平安時代の802年(延暦21年)に坂上田村麻呂が蝦夷征討で大勝した後、桓武天皇の命により807年に造営されたと伝わる社で、農漁業、交通、眼の守護神として知られています。
それにしても暑い日でした。
天空から降り注ぐ陽射しが肌に突き刺さるようです。
そんな鏡ヶ池に、午後の微かな風に散ったハスの花びらが、小さな箱舟のように浮き、流れてゆきます。
私は公園内の、さるか温泉の食堂で昼食を摂ることにしました。
暑い日にはカロリーと塩分を多目に補給するに限ります。
いつもの昼食よりカロリー多目の、熱々の辛味噌ラーメンをオーダーしました。
そして食べ終えるとすぐに、さるか温泉の掛け流し天然温泉に浸って汗を流しました。
入浴料は350円、内湯の他に少しぬる目の露天風呂もあり、少し黄色みを帯びた透明なお湯が溢れ、ツルツルスベスベした気持ち良い浴感に、全身から全ての力が抜けて行くような、開放感を味わうことができました。
ん~ 最高です。
猿賀公園の横の盛美園を覗いてみました。
明治35年から9年間かけて作られた枯山水で、国指定名勝です。
盛美園には、庭を見るために建てられた和洋折衷の盛美館がありました。
一階は、純和風の数奇屋造り、二階は、8角形の展望室を持ったルネッサンス調の珍しい建物で、我が国では他に例がないといわれています。
私は今日まで、日本全国に足跡を残してきたつもりですが、まだまだ未見のものがあることを改めて認識させられたことでした。
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