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湖の渚にて

2011-10-12 18:11:49 | 山陰・山陽 秋の花旅

 

 

 2011年9月25日 松江の朝です。

 今こうして写真を見直すと、松江は本当に水の街だと思います。

 上海旅行の時も水が文明を育むことを実感したことを想い出しながら、昨晩であった松江の印象的な光景は私に、この街の洗練された暮らしぶりは、水の街ならではと思わせました。

 

 

 ほんの百年程前まで、大陸と大陸を繋ぎ、異文化を運んでくるのは船だけでした。 

 

こんな小さな島国の日本が、世界で存在感を示せるまでの国になれたのは、日本海を介して奈良や京都の時代にアジア文明を吸収し、太平洋を介して東京で西洋文明を取り込み、常に新陳代謝を続けてきた結果なのでしょうか。

 

 「従来からの特徴を残しつつ、新しいものを組み入れる」

 そう言えば、日本は昔から、近年流行りの「ハイブリッド方式」が得意技だったのかもしれません。

 

 

当初の予定には無かったのですが、今日はとっとり花回廊の情報コーナーで知った松江イングリッシュガーデンに寄ってみることにしました。

 

 

 

 

 松江イングリッシュガーデンは中学校の跡地に作られた施設のようです。

 

 宍道湖に面した素晴らしいロケーションでした。

 

 

 

 

 園内には、南面に宍道湖が広がるレストランが設けられていました。

 

 沈みゆく夕日を眺めながら、良く冷えたワインに、どんな料理をオーダーすれば良いのでしょうか。

 

 

 

 

 バラ園や「計画的な混乱」をコンセプトにした英国式庭園などを、多目的ホールやギャラリーが囲んでいます。

 

 

  松江デザイン学校の生徒さん達が、ギャラリーの一角で作品を展示し始めていました。

 目の涼やかな生徒さん達の顔を見たら素通りもできなくなり、お付き合いで小ぶりな「湯のみ」を頂くことにしました。

 藍鼠の色彩を見て、夕餉に、これで赤いワインを飲んだらお洒落かなと思ったのですが、この湯のみでワインを飲んでも茶碗酒でしょうか?

 

 

 

 

 松江イングリッシュガーデンを出た後も、湖畔に沿って道は続いていました。

  

  

 次の目的地は松江フォーゲルパークですが、その前に道の駅「秋鹿(あいか)なぎさ公園」へ寄ってみました。

 

 

 道の駅に、飲食店や物産店、島根の観光地を紹介するコーナーなどが設けられていました。

 

 湖の渚に美しく枝を広げた合歓の木が印象的です。

 

 カヌーやボートを貸し出すコーナーで若者が所在無げに客を待っていました。

 

 

 

 

 マリンスポーツの季節は去りましたので、釣り人でも待っているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 渚に浮かぶ樹脂製の桟橋の、不思議な程に鮮やかな色彩が宍道湖にマッチしています。

 

 

 

 

 湖畔を、映画「RAILWAYS」で、49歳で運転士になった主人公が運転する一畑電車が通りかかりましたが、電車も爽やかなレモン色に染められていました。

 

 

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闇を演出する街

2011-10-11 00:16:38 | 山陰・山陽 秋の花旅

 宍道湖畔で夕日のロードショーを堪能して車へ戻りました。

 

 何時もですと、夜は次の目的地へ向かって車を走らせ、距離を稼ぐのですが、今夜は松江の夜を堪能する予定です。

 「とっとり花回廊」で偶然手にしたパンフレットで「松江水燈籠」というイベントを知り、大いに興味をそそられていました。

 説明によれば、9月から10月にかけての土、日、祝日に松江城と周囲の水辺を燈籠でライトアップし、と水の幻想的な景観を楽しむ催しだそうです。パンフレットの写真を見て直ぐに、これは絶対見ておこうと思いました。

 

 車で松江城に近づくにつれて、浴衣の女性などの姿が目に入り始めます。

 城の周囲を車で走り、食事のできそうな店と駐車場を探しました。

 市役所の駐車場が無料開放されていますが、一人で入れそうな店が見当たりません。祭りの夜の飲食店の稼ぎ時に一人でテーブルを占拠するような愚は冒したくありませんし、居酒屋も見当たりませんので、今夜は気軽に牛丼屋で定食となりました。

 

 食事を終えて、マクドナルドへ入り、持参したPCでメールをチェックします。

 マクドナルドにはコンセントの備わった席があるので、最近は旅に出ると便利に使わせて頂いております。

 

 メールチェックに予想以上の時間が掛かり、松江城に入ったのが20時半頃でした。

 だいぶ人も少なくなって、静かな場内に手作りの行灯が並んでいました。

 

 

 静かです。

 

 勿論、綿菓子屋も金魚掬いもありません。

 上質な時間が流れていました。

 

 

 

 

 見上げると、松江城が闇の中で、行灯の灯りを妨げない程度にライトアップされていました。

 

 

 

 

 あてずっぽうに歩いて行くと、場内の一角で能が演じられていました。

 

 

 

 

 暑くもなく寒くもない場内では、多くの観客が芝に敷物を敷いて、舞台に目と耳を傾けています。

  

 

 

 観客席の横を抜けて、裏手から城外へ出ました。

 

 城を囲む堀には川船が浮かび、音もなく水面を去って行きます。

 

 

 

城内から堀まで、わずか数百メートルの距離を歩いただけで、松江という街を理解し、街を活性化しようとする人々の姿を垣間見た気が致しました。

 

この地は数百年程前には大陸文化への最前線だったはずです。

洗練された意識の継承を感じる夜となりました。

 

静かなのに何故か、活動的で躍動感の伴う印象の夜となりました。 

   

 

 

 仄かな明りで闇を効果的に演出する営みは、能や茶道、華道などで継承されてきた、抑制的な伝え方や間を重視する術などの延長線上にあるように思えます。

 

 

 開国以来、地中海を源とする太陽の文明の習得に努めてきた国で、闇と静寂を意識する街と出会った、忘れられぬ夜となりました。 

 

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宍道湖の夕日

2011-10-07 17:20:42 | 山陰・山陽 秋の花旅

 宍道湖の夕日の見事さは良く知られています。

 

 

 夕日も花と同じで、季節とロケーションが揃った時の美しさは言葉に現せないものがあります。

 

 

しかし夕日も花も、その時々の気象条件に大きく左右されますので、目当ての場所へ出向いても、常に思い描いた光景に遭遇できるとは限りません。 

 

 

今、目の前で沈む夕日は、絵のような輝きで湖面を照らしています。

 

地球上であれば、日々何処にでも陽は沈みますが、今この場所、このシチュエーションであればこそと思える美しさです。 

 

 

 宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島の松の梢に見送られ、湖面を照らしながら、静かに神話の国へ沈んでゆく夕日は、見る者の琴線を震わせます。

 

 

 

 

 桜の花の散る姿に美しさを感じる人々が見送る夕日は、一日の終わりが終焉ではないこいとを告げているのかのようです。

 

 

 

 

 空に輝き、恵みをもたらしてくれた太陽は今、一日の仕事を終えて、月と星に道を譲りますが、雨と嵐が地上を覆うことはあっても、明日はまた、必ず東の空へ戻って来てくれるのです。

 

 

 父母や祖父母の頃から、更には神々の時代から、沈む夕日が明日の約束を違えぬことを知り、人々は夜の眠りに身を委ねてきました。

 

 

 東の海に陽出る国の人々は太陽に感謝し、花を眺め、鳥の声を聞き、子を育んできたことを、夕日が思い出させてくれました。

 

 

 46億年も前から地球は回り続け、陽が沈み、陽が昇る繰り返しの中で、人々は明日を信じて生きてきました。

 

 

 今日も安らかに夜の帳が降りてゆきます。

 

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空は海の色に染まる

2011-10-07 14:25:59 | 山陰・山陽 秋の花旅

 美保関を後に、松江に向け車を走らせます。

 途中、鳥取県と島根県の境に中海という汽水湖がひろがっていました。

 この中海の中に大根島という島があって、全国有数のボタン花と高麗人参の産地として知られています。

 

 今の季節ボタンの花を見ることはできませんが、後学のために寄り道をしました。

 

 再び境水道大橋を渡り、境港市へ入ります。

 

 傾きかけた陽光の中、大橋から見下ろした境港の街が、現実感を喪失した寓話の世界のように見えたのは、きっと私が、旅の気分に浸りきって、日常から解き放されていた証なのでしょか。 

 

 

 人は何故旅をするのかも分かったような気がして、黄昏る街へ下って行きました

 

 

 境港から中海を渡って江島、大根島へと向かいます。 

  

 

 大根島には幾つかのボタン園がありますが、代表的な由志園に行ってみました。

 

 

 この時点で略17時でしたから中へは入りませんでしたが、ボタンの花の咲く頃に再度訪ねてみたいものです。

 

 

 

 

  

 大根島から中海を横切る埋め立て道路へ入ります。

 

 

 

 陽の傾きを確かめながら、ナビで松江までの距離を測りました。

 

 夕日を宍道湖畔で見るには、頃合いのタイミングのようです。

  

 松江へ向かう途中で、湖上に大山の姿を認めました。

 

 

 

 

 青い水面に浮かぶ大山は見納めと思えたので、トンネルを抜けると道を逸れて、小さな湖畔の村へと旧道を進みました。

 

 

 大山の頂きに雲は消え、中海と空は青のグラデーションに包まれています。

 

 

 

 村の漁港に一本の松が枝を広げ、その奥で大山の頂きが微かに陽に染まっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 思い通りのタイミングで、宍道湖の夕日スポットに到着することができました。

 

 

 心に掛かる由無しごともなく、幸福な時間を紡げた一日を象徴するかのように、湖畔に静かな黄昏が迫っていました。

 

 

 

 

 空に浮かぶ茜雲が、至福のひと時を迎える人々を祝福しているような、そんな気がする夕暮れどきでした。

 

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切なく甘い

2011-10-06 21:49:12 | 山陰・山陽 秋の花旅

 美保関には重厚な美保神社がありました。

 

 

 こちらの御祭神は商売繁盛、漁業・海運の神様のゑびすさま」で、全国えびす社3千余社の総本社なのだそうです

 

 

 

 

 「ゑびすさま」は昔から鳴り物がお好き」なのだそうで、安政5年に樹齢千年の欅をくり抜いて作った大太鼓が奉納され、それが国の有形民俗文化財に指定されているそうです。 

 

 

 

 

  神社の境内入口の横に青石畳の趣ある小路が続いていました。

 

 

 

 旅館や土産物屋などが並んでいますが、ほとんどが開店休業状態のようです。

 

 

 昔は参拝客などで結構賑わっていたのかもしれません。

 

 著名人の訪問も多かったようで、旅館の格子には吉井勇の短歌などが掲げられていました。

 

 

 

 

 

 石畳みの小路を奥へ進むと佛谷寺という寺があり、その門の看板をみると「八百屋お七の恋人 小姓 吉三の墓所」と記載されています。

 

 

  へ~~~ そうですか! 江戸と美保関が繋がっていたのですか! 

 またまた興味深いものを見付けました。

 正に「犬も歩けば」ですね。

 

 蛇足を承知で補足致しますと、天和3年、1683年に江戸の鈴ヶ森で16歳の少女、八百屋お七が火あぶりの刑に処されました。

 お七は、ある大火で一時寺に避難しますが、そこで寺の小姓の吉三と会い、たちまち恋に落ちます。

 やがてお七は家へ戻りますが吉三のことが忘れられず、火事になれば再び吉三に会えるのではと思い、家に火を付けて直ぐに捕えられ、火刑に処された、というお話です。

 

 

 

 

 石畳の小路を戻る途中で太鼓醤油店という店に立ち寄り、みほ太鼓という地場の刺身用の醤油を購入しました。

 

  

 愚かで切ない恋物語の舞台で購ったお醤油のせいか、甘くて濃厚な味がしました。

 

 

 

 

 

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青い海 みどりの岬

2011-10-06 21:09:06 | 山陰・山陽 秋の花旅

 大山パークウェイのドライブは続き、境港の街を出て境水道大橋を渡り、島根県へ入ります。

 

 

 

 

  県道2号線に入り、波打ち際を美保関へ向かいました。

 

 境港を出航したフェリーが目の前を航行して行きます。

  

 

 船と並走する車の速度が優り、程無くフェリーに追いつきました。

 

 美保湾を航行するフェリーの向こうに大山が横たわっていました。

 

 

 

 境港から230分で島根半島先端の地蔵崎に到着しました。

 青い海原と空を背に美保関灯台が、白い姿を見せていました。

 岬を巡ったフェリーが、沖合を隠岐目指して去って行きます。

 

 

 

 

 西の方角に目をやれば、日本海に隠岐の島が浮かんでいました。

 

 

 

 岬の自然探勝路を散策してみました。

  

 探勝路に掲示されていた解説に、次のような記載がありました。

 

「この探勝路は、マツクイムシの被害により失われたクロマツ中心の林から、照葉樹林に移行した林の中にあります。

 

 照葉樹林は、光沢のある厚い葉を持った常緑広葉樹で構成された林で、この自然探勝路周辺にはトベラ、クロキ、ヤブニッケイ、ネズミモチ、スダジイなどの樹種を見ることができます。 

 

 地蔵崎園地からは日本海・大山などの様々な風景を望むことができますが、ここからは美保湾越しの大山を望むことができます。」

 

 

 

 

 ウーン、確かに。

 

 昔は松の枝越しに望む、銭湯の絵にあるような大山の姿だったのでしょうか。

 

 

 

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水木しげるロード

2011-10-06 17:31:23 | 山陰・山陽 秋の花旅

 境港に到着しました。

 

 目の前の水道を跨いで立派な橋が架かっています。

  

 

  橋のたもとに台場公園があります。

 

 台場公園の元となった「お台場」は黒船襲来に備え、全国各地の藩の重要な港に築かれた軍事施設で、「境お台場」は1863年に構築されたそうです。

 

 「境お台場」は鳥取藩の中で最も規模が大きく、山陰の重要港湾として繁栄した境港の歴史を学ぶ上で大きな意義をもつ史跡だと解説板に記載されています。

 

 

 

 

 境港は日本海を介する大陸との交易や防衛上の意義を持つ重要な場所だったようです。

 

 

 海運介して、境港が世界に門戸を開いた象徴が台場公園であるなら、漫画を介して、世界に日本分化を発信している象徴が水木しげるロードだ言えるかもしれません。

 

 

 

 

 「水木しげるロード」は境港出身の漫画家・水木しげる氏を顕彰して、800メートルほどの通りに、氏の漫画に登場する妖怪のブロンズ像を並べています。 

 今日は9月24日。 三連休の中日とあって、通りは観光客で溢れていました。

 ネズミ男の顔や膝は観光客に撫でられてピカピカでした。

  

 

 

 中には入りませんでしたが、妖怪神社などもありました。

 妖怪が神社なの?

 

 マーあまり深くは考える必要はなさそうです

 

 

 

 

 

 水木しげる記念館は平成20年にリニューアルされたそうです。

 

 NHKの朝のテレビドラマの影響か、観光客が次々と入館していきます。

 

 

 水木しげるロードには妖怪饅頭や妖怪を模した壺の日本酒などが店頭を飾り、観光客は競って買い求めておりました。

 

 

                          

                      

 

 

 水木しげるロードには、妖怪ジュースや鬼太郎ラーメンなどの妖怪関連商品が並んでいました。

 

  

 

 

           

 

 

 

 このように、特定の漫画にテーマを絞った観光地を他に見たことがありません。

 

 見事な発想と企画力に感心させられました。

 

 

 

 私は全国に花公園やフラワーパークを訪ね歩いていますが、折角の資源を眠らせたままの施設を多く目にしています。

 

 貴重な資源を残し、安定的に施設を経営する為にも、水木しげるロードは参考になるだろうなと思いました。

 

 

 

 勿論、NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の影響は相当にあるようです。

 

 

 

 水木しげる記念館近くの、昔懐かしい駄菓子屋を覗くと、中年のおばさんが一人デ店番をしていました。

 

 

 客は私一人だったので、「この通りはずごいですね」と話かけてみました。

 

 「ええ、10年ぐらい前はシャッターが降りた店が並ぶ、寂れた商店街だったのですが、水木しげるロードの名にしてから客が増えました」とのことです。

 

 

 更には「今年は特にテレビ番組の影響と東北の地震で修学旅行がこちらに周ってきたのでお客さんが増えました」とのお話でした。

 

 

 

 

 日本の漫画は世界中に大きな影響を与え続けています。

 

 物作りも大事ですが、日本には人の心を動かす、眠っている資産が豊富にありそうだなとの印象を得た、鳥取県境港の「水木しげるロード」でした。

 

 

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大山パークウェイにて

2011-10-06 15:15:24 | 山陰・山陽 秋の花旅

 安来市広瀬町のヒガンバナで、今日の予定先は全て訪問を済ませました。

 山陰で訪問を予定している残りの施設は「松江フォーゲルパーク」しまね花の郷」の後二つです。

 今日中にその二つを巡ってしまえば「花の旅」の主目的は達成します。

 会社勤めの頃なら間違いなくそうしたはずですが、今回は無理に急ぐ必要はありません。

 

 それと実は、とっとり花回廊のインフォメーションコーナーで、今宵松江城を中心に燈籠を使った幻想的なイベントがあるとの情報を入手したので、できることなら今夜は松江に居たいのです。

 地図を見ながら、夕刻までに、無駄のないスケジュールで松江に到着するルートを考えました。

 その答えが、境港を経由して美保関へまわり、様子を見ながら松江へ向かうというものでした。

 

 さてさて、どうなることやら。

 結論から申せば、・・・いやいや、言わぬが花でしょう。

 

 

 安来でナビに、境港水木しげるロードを目的地にインプットすると、ナビは米子市を抜け、弓ヶ浜を通り、境港へ至るルートを示しました。

 

 経由地の殆ど全てが私にとって未体験の場所です。

 

 大いに興味が膨らんできます。

 

 出発進行!

 

  

 米子市街を抜けると、右手松林の中に海が見えてきました。 

 

 松林の中の弓ヶ浜展望パーキングエリアへ車を進め、潮風を求めました。

 

 海岸に立つと右手には大山が聳えています。 

 

 

 

 

 左手の美保湾の先に美保関が望めます。

 

 海は穏やかで、パーキングエリアでサーファー達が波の様子を伺っていますが、この静かすぎる波でのサーフィンは多分無理でしょう。

 

 

 

 

 パーキングエリアに「大山パークウェイ」が赤いラインで紹介されていました。

 

 そうか! 今日私が走るのは、大山パークウェイそのものなんだ。

 

 

 そうか、そうだったんですか、お勧めコースなのですね。

 

 

 

 

 パーキングエリアから暫く走ると米子空港の表示が出ていましたが、なんと「米子鬼太郎空港」と記載されてます!

 

 ゲゲゲ、鬼太郎はこの地ではあのニューヨークに於けるJ.F. ネディーと同じ扱いです!

 

 

 

 いやいや、ホントに興味深いことが経験できます。

 

 

 また暫く走ると右手に「夢みなとタワー」の表示があったので、寄り道しました。

 

 

 ひまなので、ダボハゼみたいに何にでも食らいつきます。

 

 鮮魚センターを覗いてみました。

 

 足を伸ばせば左右に1メートル近くありそうな蟹が水槽に横たわっていました。

 

 

 鮟鱇がでかいし、安い。

 

 明日帰るスケジュールだったら間違いなく購入していたでしょう。

 

 

 

 

 どこの街へ行っても、市場を覗くのは本当に楽しいものです。

 

 その地方独特の特産品に出会うことができますから。

 

 鮮魚センターを出て海岸へ行ってみました。

 

 

 

 堤防に沿って自家用車が並んでいましたので、何かな?と思って近づいてみると、家族連れが堤防の上で潮風を浴びながら釣りを楽しんでいました。

 

 

 

 

  

 「何が釣れるの?」と男の子に聞くと、はにかみながら足元のバケツを指さします。

 

 

 お母さんがアジとかイワシですと答えてくれました。

 

 

 ほっほー、釣れていますね~。

 

 群れが回遊してくると、入れ食い状態だそうですよ。

 

 今夜の献立にもうひと頑張りですね。

 

 

 

 

 

 大山を望みながら家族で釣りを楽しめるなんて、きっと平和で長閑な毎日なのでしょう。

 

 

 

 野に咲く花のような、ほのぼのとする光景に出合えました。

 

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法勝寺川のヒガンバナ

2011-10-05 15:57:07 | 山陰・山陽 秋の花旅

 今回の旅の主要テーマは山陰地方の植物園・花公園の訪問です。

 

 しかし、植物園だけを目的として数百キロも車を走らせるのは勿体ないので、その時々に最盛期を迎えた花の名所なども同時に訪ねることにしていました。

 

 

 特殊な場合を除いて、植物園は季節を選びませんので、どのタイミングで訪問するかには拘りません。

 

 

 しかし、その土地々で最盛期を迎えている花は、次に訪ねた時にも満願の笑顔で迎えてくれる保障はありません。

 

 

 ルートの詳細を決定する場合は、現地での花の開花状況を優先しました。

 

 

 そして今現在、最盛期を迎えている花はヒガンバナです。

 

 

 私のホームページ「PAPYRUS」では、島根県安来市のヒガンバナ群落を名所としてリストしていました。

 

 

 此処までの状況から考えて、安来市のヒガンバナ群落はきっと最盛期を迎えているはずです。

 

  

 ということで、次は安来市広瀬町に向かうことにして、「とっとり花回廊」の駐車場でナビへ目的地を入力して車をスタートさせました。

 

 

多分、県道1号線を走ったのだと思います。

 

 田園地帯を抜けて、1時間ほどで法勝寺川を渡りました。

 その時上流に目をやりますと、赤い曼珠沙華が川の堤を赤く染めていました。

 

 

 

 

 ちらっと見て、群落はかなりの規模であると思えました。

 

 

 橋を渡って直ぐに左折し、堤防の砂利道を上流へ向かい、群落の様子を観察します。

 

 

 どうやら、右岸の桜並木の下の花密度が高いようです。

 

 最初の橋から二つ目の橋でユータンして右岸に渡り、堤防のヒガンバナの様子を見ながら、ゆっくりと下流へ向かいました。

 

 

 

 

 桜並木もなかなかのもので、その並木の両側にヒガンバナが数百メートルに亘って咲き連なっていました。

 

 

 

 

 川の反対側の堤の斜面はグリコの工場敷地に接しており、そちら側の曼珠沙華もご覧の通りでした。

 

 しかし、川に面した斜面のほうが花の密度は高いようです。

 

 

 

 

 元の橋まで戻り、桜並木を振り返ると、その両側にヒガンバナの群落を確認することができました。

 

 

こんな並木道を朝晩散歩できたら、それだけで心地よい日々が過ごせそうです。

 

 

 

 

 思いがけなくヒガンバナの花群れに出会うことができました。

 

 

 この場所も季節になれば、きっと誰かが草刈りをしてくれているはずです。

 

 

 楽しい散策ができるように、誰かがきっと整備をしてくれているはずです。

 

 

 ヒガンバナはそんな人の手の温もりも伝えてくれる人里植物なのですから。

 

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とっとり花回廊

2011-10-04 14:18:17 | 山陰・山陽 秋の花旅

 とっとり花回廊は10年程前に来ているのですが、その時は十分に時間がなくて、園内のすべてを見ることができませんでした。

 

 

 

 定年退職して自由の身となった今日の花旅も、車に寝具一式を積んだタイムレス方式です。今日は時間を気にせずに、気の済むまで滞在することができます。

 

 

 列車や飛行機を予約した旅では、偶然巡り会えた花の前でシャッターチャンスを待つことなどはできませんでした。

 

 

 花は気まぐれですから、予測外の場所で花が満開だった時などにも融通は利きませんでした。

 

 

 

 時間の束縛から逃れた今では、目的地まで多少の時間が掛かろうとも、車を利用した旅が最も理に叶っているようです。

 

 勿論、宿泊代節減などの経済効果は抜群です。

 

 しがないサラリーマン生活でしたから、これも大事なポイントです。

 

 

 

 「とっとり花回廊」へ朝9時の開園時間を待って入園しました。

 

 大きな温室の後ろに大山が顔を覗かせていました。

  

 

 

 

 園内の「花の丘」に向かいますと、真っ赤なサルビアの絨毯にどっしりとした大山が座っていました。

 

 

 大山の頂きには、雲が掛かり始めています。

 

 この日旅した全ての場所から、常に大山の姿を望めることができましたが、この日は落日の直前まで、大山の頂から雲が切れることはありませんでした。

 

 平地では雲を意識することのない晴天が続いた一日でしたが、空高く聳える大山の頂は、民住む場所とは異なる世界なのでしょうか。

 

 

 

 

  

 「とっとり花回廊」は雨の日でも周遊できるように、延長1キロにも及ぶ屋根付き展望回廊が周囲を巡り、その中央に大きなドーム型の温室が配置されています。

 

 その温室から周囲の回廊へ十字型に通路が伸びて、その一つはガラスのトンネルになっていました。 

 

 

 

 

 園内の一角は谷となり、高低差は30メートル程もあります。

 

 回廊はその地形を補い、入園者が苦痛なく園内を周遊できるような設計です。

 

 

 谷の中は、有名なオランダのキューケンホフ公園を模した花園となっていました。

 

 

 水分を多く要する植物や冷たい風に弱い植物などが植栽されています。

 

 

 入園時にもらったパンフレットに、4月のキューケンホフコーナーでは色取り取りのチューリップが満開になると記されていました。

 

 

 

                       

 

 

 園の北側の桜の広場、芝生の広場へと足を向けました。

 

 雑木林の中に心地よい道が続いています。

 

  

 

 

 桜の広場、芝生の広場は季節外れのためか人影もなく、木の切り株を囲んでベンチが弧を描いていました。

 

 

 桜の花の季節にはきっと、お弁当を広げる家族連れの姿が芝を埋めるのでしょうか。

 

  

 

 

 この辺りから見る大山は、さっきとは微妙に異なる表情を見せています。

 

 

言うまでもなく、とっとり花回廊は大山の姿を楽しむための施設でもあるようです。

 

 

 

 

 この季節に花の種類は左程多くはありませんでしたが、私は温室の興味深い熱帯植物と、庭に点在する樹木の姿をカメラに収め、満ち足りた思いで「とっとり回廊」を後にしました。

 

  

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大山

2011-10-03 14:42:45 | 山陰・山陽 秋の花旅

 2011年9月24日 朝日の中で目を覚ますと、岸壁では親子連れが釣りを楽しんでいました。 

 

 昨晩は温泉で疲れもとれ、気持ち良く熟睡できたので、気分爽快な朝を迎えました。

 

 

 車の中でパンとコーヒーの朝食を済ませ、車のエンジンをスタートさせました。

 

 

 

 

 自動車道を米子方面に向かう途中で、前方に大山の姿を認めました。

 

 

 

 

 最初の目的地は、昨日氷ノ山の麓でナビに入力した「とっとり花回廊」です。

 

 ナビは大山の麓を突っ切るように県道30号へのルートを表示していました。 

 

 桜並木の道を進んで行きます。

 

 左手にちらり見えて来たのは、花の百名山に数えられる船上山です。

 

 

 このルートは途中、標高532メートルの一息坂峠を経由します。

 

 

 

 遥か眼下に美保湾と米子の市街が望めます。

 

 右手へ半島が伸びていきす。

 

 あの先はどんな所だろうか、との思いが一瞬頭をよぎりました。

 

 

 

 一息坂峠で一息入れて、暫く走りますと、大山が稲穂の上に綺麗な姿を見せていました。

 

 秀麗なその姿は日本100名山に名を連ねているだけのことはあります。

 

 大山は更に、花の100名山にも数えられています。

 

 

 

 大山の裾を西へ下り、日野川を渡ると

 

 

程無く、とっとり花回廊に到着しました。 

 

 

 

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砂丘の夕焼けと宝喜温泉

2011-10-03 14:23:33 | 山陰・山陽 秋の花旅

 氷ノ山の麓で、ナビにへ入力した目的地は「とっとり花回廊」です。

 

 しかし、走り始めが17時ごろだったので、目的地へ今日中に到達する気持ちはさらさらありませんでした。

 

 

 車に寝具一式を積んでいますので、気の向いた場所で夜を過ごすつもりです。

 

 そして、一番気になるのが「お風呂」です。

 

 早くお風呂を見つけてさっぱりしたいものです。

 

 今のご時世、食事はどうにでもなります。

 

 但し、一人で食事の店へ入ると、どうしてもカウンター席が居心地が良いのですが、そんな店でアルコールがないと、これまた寂しい思いをします。

 

 だとすると解決方法は一つ。

 

 ほどほどの町で、コインパーキングに車を止め、歩いて居酒屋に入り、地魚などを注文して地酒を1~2本嗜む、というのが理想的なパターンとなります。

 

 この辺でそれが叶いそうなのは鳥取市だろうと判断し、暫定目標地に定めました。 

 

 

 鳥取市に近づくと、「鳥取砂丘」の道路標識が目に入りましたので、当然そちらへ向かいます。

 

 既に18時を過ぎましたので、日没に間に合うかどうかは微妙なところでしたが、砂丘の駐車場に車を止めたのが18時20分でした。

 

 鳥取砂丘は多分39年ぶりです。

 

 私の記憶よりも砂丘は狭くなっていましたが、ご覧のような日本海の夕焼けを心に刻むことができました。

 

 

 

 

 鳥取砂丘で朝を迎えるのは素敵なアイデアだと思ったのですが、今回はお風呂を優先しました。

 

 

 ナビは車が走る周囲の銭湯やスパをオートマチックに表示するように設定していますので、ナビの画面をチェックしながら鳥取市街へ向かいました。

 

 しかし、まったくお風呂の気配がありません。

 

 

 刻々と時間が過ぎて行きますので、途中で理想形は諦め、たまたま目にしたスーパーマーケットで焼き肉弁当と缶ビールを買い求め、郊外の温泉を目指すことにしました。

 

 この時間帯での判断はとても重要です。

 

 地方都市では飲食店が21時頃に閉まったりするので、二兎を追い、風呂も食事も得られなかった苦い経験が何度もあるからです。

 

 ということで、今夜のお風呂は鳥取市郊外に見つけた「宝喜温泉館」。

 

 入浴料は420円と良心的です。

 

 変わっていたのは通常の浴槽以外に深さ1メートル程の小さなプール並みの歩行入浴用浴槽があったことです。

 

 子供達が楽しそうに遊んでいました。

 

 地下1300メートルから汲み上げる源泉を、沸かさない、循環させない、かけ流す温泉で、お湯は無色透明でした。

 

 

 

 ゆっくりと温泉に浸かって、さっぱりとした後、更に米子方面へ走り、偶然見つけた漁港の岸壁に車を止めて、夜を過ごしました。

 

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氷ノ山の麓で

2011-10-02 19:45:44 | 山陰・山陽 秋の花旅

 但馬高原植物園の近くにある氷ノ山は、私のホームページでリストしている花の百名山です。

 

 

 但馬高原植物園を退園するとき、受付の方に氷ノ山が見たいので山容を確認できる場所をご存知ないでしょうかと聞いてみました。

 

 

 

 すると横で話を聞いていた初老の方が、それだったらハチ高原がいいと教えてくれました。

 

 ナビに養父市別宮と入力すれば良いと、とても親切なご説明です。

 

 時間を確認すると16時半ごろになっていましたが、日没までは十分に余裕があります。

 

 

 早速にエンジンをスタート。

 

 

 ナビのままに走り、とある集落を通過しました。

 

 道路の中央に融雪用の消雪パイプが設置されていました。

 

 冬に中央のノズルから地下水を噴出して道路の雪を解かす装置です。

 

 この辺りの冬の光景が目に浮かぶようです。

 

 

 

 

 30分弱でハチ高原に到着しました。

 

 スキー場とスキー客向けのロッジなどが姿を見せていました。

 

 

 左手遠方になだらかなピークが垣間見えたので、車で村外れの林を抜けて行くと、段々畑の奥で氷ノ山が夕日を浴びていました。

 

 

 氷ノ山は標高が1510メートルで、新田次郎の「孤高の人」のモデルとなった加藤文太郎が愛した山とされています。

 

 

 周囲にイヌワシやツキノワグマが生息し、「日本の秘境100選」にも選ばれているそうです。

 

  

 

 道路脇に公園事務所ふうの小屋を見かけました。

 

 近づいてみると、壁に解説が掲示されています。

 

 

 県指定文化財「別宮の大カツラ」

  

 樹高27.32メートル 幹周り14.50メートル

 枝張り東西24メートル 南北26メートル

  

 このカツラは雌株で、主幹を中心に大小100本近くの幹が叢生し、根本からは多量の清水が湧き出している。

 

 葉は対生の円心形で、長さ幅はともに3~7センチぐらい。

 

 果実は円柱形で、種子は小型で扁平な形をしている。  

 

 

 但馬高原植物園で紹介していた「但馬の名木」の一本を偶然に訪ねる結果となったようです。

 

 

 

 

 

 小屋の後ろの森を見上げると、カツラの巨木が豊かに枝を広げていました。

 

 

 

 

  絶え間なく湧水が流れるコンクリートの畦道を巨木カツラに近づいて行くと、見る者を圧倒するような存在感を示して、森の主が鎮座していました。

 

 

 

 

 白っぽい幹を無数に束ねた容姿は樹木というよりも、何か別の生命体を見ているような思いがします。

 

 根本から滾々と湧き出る清水は、まるで地下水脈から巨木カツラ自体が汲み出しているかのような錯覚を覚えました。

 

 

 このカツラも但馬高原植物園のカツラと同様に、枝々に瑞々しい緑の葉を茂らせています。

 

 

 

 果てるともない湧水が、豊かに、静かに水路から溢れ出し、畔道のコンクリートの小石を浮き上がらせていました。

 

 

 

 少し離れた場所から、もう一度カツラの大木を振り返りました。

 

 

秋のススキと一緒に夕日を浴びながら、こんもりと葉を茂らせた姿に、老木のイメージを微塵も感じ取ることができませんでした。

 

 

 氷ノ山は背後からの西陽を受けて、一足早く闇の中へと沈み始めようとしています。

 

 

 さて、私も今宵のねぐらを求め、そろそろ次の目的地へ走り始めることに致しましょうか。

 

 

 

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但馬公園植物園

2011-10-02 16:28:49 | 山陰・山陽 秋の花旅

 園内には到る所にベンチなどが用意されていました。

 

 フィットンチッドに包まれて、のんびり、ゆっくりと広い園内を散策できるような配慮がなされています。

 

 

 

 

 

 園内で草むしりの作業をしている方がおられましたので、話を聞いてみました。

 

 但馬公園植物園は自然林の植生をそのまま保存し、平成9年に開設されたそうです。

 

 この辺りでは冬は雪に覆われるので、開園は雪解けを待って、4月の上旬頃になるのだとか。

 

 その頃にはザゼンソウ、カタクリなどが咲き、やがてニリンソウ、シラネアオイなどが咲き続いてゆくとのことでした。 

 

 

 

 

 園内の湿原には木道が渡され、

 

 

 

所々に東屋が設けられていました。

 

 

 

 

 先ほど作業をしていた方のお話では、毎年花だけではなく、蝶などの昆虫の姿を求めて訪問される方も多いそうです。

 

 

 大カツラの近くに湧き出していた泉は湿原を流れ下り、下流に小さな池を作っていました。

 

 

 池の周囲ではオタカラコウが水面に秋色の花影を映し、池の底に茂る水草が深遠な雰囲気を醸し出していました。

 

 

 

 

 

 池から溢れ流れ出た細流は、清流にしか生育できなバイカモを育んでいました。

 

 

 

 

 但馬高原植物園は兵庫県観光百選の第1位に選ばれているそうですが、さもありなんと思える、数多くの魅力に溢れる植物園でした。

 

 

 最後は絶対に味わおうと決めていましたので、散策後にセンターハウスのレストランで、千年水と名付けられた湧水コーヒーを賞味しましたが、美味しい水で淹れたコーヒーが必ずしも旨くなるとは限らないようで、コーヒーはいたって普通の美味しさではありました。

 

 

 

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和池の大カツラ

2011-10-01 16:04:16 | 山陰・山陽 秋の花旅

 遠阪峠を下って、山東町で国道9号線 山陰道に入りました。

 

 養父市を通り、村岡町を目指します。

 

  

 

 渋滞とは無縁と思える道を淡々と1時間程も走ると、国道脇に「但馬高原植物園」の看板が見えてきました。

 

 

 案内表示板を辿りながら坂道を登って行きますと、「但馬高原植物園」の大きなプレートを掲げたロッジ風の建物の前に至りました。

 

 駐車場には車が数台停まっています。

 

 

 

 

しかし、この時生憎、地を這うような雲が周囲を覆い、大粒の雨が降り始めました。

 

  

どうしようかな~!

 

取りあえず手ぶらで建物の中に退避すると、玄関の左手に受付が、その奥に訪問者が撮影したと思われる写真が展示してありました。

 

花の一番綺麗な瞬間を写し取ったと思われる傑作ばかりです。

 

こんな写真を見てしまうと、傘を差してでも入園したくなります。

 

車に戻って、暫く様子をみることにしました。 

 

 

 

15分程だったでしょうか、○○心と秋の空とは好く言ったものです。

 

大粒の雨も瞬く間に止んで、雲の間からお日様が顔を出しました。

 

喫茶室で様子を見ていた他の客も、皆一斉に入園口へと向かいます。 

 

 

 残念ながら、入ってすぐのキレンゲショウマは既に花を散らせていましたが、 

 

 

 ジャコウソウモドキがピンクの花を咲かせています。 

 

  

 園内案内図がボードに表示されていましたが、結構な広さがありそうです。

 

 

 

 園内の小さな水路を清冽な水が溢れんばかりの勢いで流れていました。

 

 こんなに清んだ水は久しぶりに見た気がします。

 

 メートルの千分の1がミリ、その千分の1がマイクロ、その千分の1がナノです。

 更にその千分の1のピコ単位までも不純物のないと思える程の清らかな水でした。

 

 きっとこれは一兆分の1、ピコの清水でしょうね。

 

 

その清らかな水の横に、オタカラコウが清しく黄色い花を咲かせていました。

 

雨上がりのためか大振りの葉も艶やかに、高原の秋のひと時を存分に演じています。

 

 

その先ではハナトラノオ、ミゾソバ、サラシナショウマ、サワヒヨドリなどが可憐な姿を見せていました。

 

 

 しかし、入園の時にもらったパンフレットを見ると、此処の一番の目玉はどうやら大カツラの古木のようです。

 

 パンフレットを頼りにその姿を求めました。

 

 経路の途中に大カツラの解説が掲示されていました。

 

 

 此処の大カツラは「和池の大カツラ」と呼ばれ、幹回りは16メートル、樹高は38メートルだそうです。

 

 この大カツラの上手からは一日に5000トンもの水が湧き出し、その水は極めて純度の高い軟水でコーヒーや抹茶などに適しているそうです。

 

 そして、これがその大カツラです。

 

  

見事なものです。

 

横に立つ人と比べればその大きさがお分かり頂けると思いますが、小川を跨いでまだ余りある巨木でした。

 

それでいて枝先に葉は瑞々しく、幹の一部は朽ちていても、新しい命の営みを維持する姿に神々しさを漂わせていました。

 

 すぐ横に湧水が樋で導かれ、飲用のグラスも用意されていました。

 水温は10度だそうですから、それ程冷たい訳ではありませんが、「純水」の味を存分に堪能することができました。

 

 このような豊かな清水と、ピュアな環境が、神々しいほどの巨木の命の営みを支えてきたのでしょうか。

  

 

 

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