初体験･･･

時は２月、寒空の下、僕ら高校生は初体験に向けて悶々とした気持ちを右手に込めて･･･
もっと、もっと･･･終わりの無い欲望を右手に込めて。

「うっ！もっと慎重になれ、冷静に冷静に」先は長い。

腰を右に左にくねらせ、徐々に動きを早くする。
股間の下で、より一体感が増してくる。
そう、そうだ、もっと、もっと、もっと･･･


来週に迫った初体験となるスクーターレースに向けて、近くの駐車場で練習です。
もっと、もっと、もっと速くと、右手をグイグイ回してました。

ジーンズにトレーナー、膝にはサポーター･･･今では有り得ない装備。
当時革ツナギとか高くて買えなかったし、誰も持ってませんでした。
革のグローブとハイカットのコンバースが、唯一の装備くらいでした。
あとは肘や膝にタオル丸めてガムテで固定してたかな？
マシンも激安ホンダＳＫＹ、ノーマルパターンだがサイズを１つワイドにしてる（グリップと関係は無いと思うが、若者はそんな事知らない）

自分はスクータ乗るのが苦手でした。意味無く膝が開いてたりする･･･

タンクの無いバイクでは太腿グリップを使うことが出来ず、身体をホールドする事が出来ませんでした。
コノ後の練習で転倒して、後続車からフクラハギを轢かれましたが、打撲で済みました。

当時TVで放送され影響されたエディー・ルジャーンを真似てみた。

ルジャーンを知ってる人は相当コアです･･･

で、一週間後無事？初体験を経験してきた訳ですが･･･
右コーナーでフロントが切れ込み転倒しそうになり、右足で地面を思いっきり蹴ったら、反対側に転倒しました。
装備が装備ですので、腰骨付近の肉が３ｃｍ程削れました。
お風呂ではいつも風呂釜にハングオンして入浴し、傷口を濡らさないようにしてました･･･

コノ頃は、赤チンとパフパフ（粉状のヤツで傷口にふりかけ、傷口を固める？薬の事）が手放せない時代でした。