今年も残すところ
あと二日となってしまいました。
残ったお仕事を片付けていらっしゃるのでしょうか?
大掃除、忘年会、おせち作り、
年賀状書きでしょうか?障子張り?お餅つきかな?
・・・・・・
とにかく気忙しくされているかと
存じます。
という私は、ちょいとソファに座ってHDDを
ひょいと覗いてしまったのが百年目、
録画した松方弘樹主演の映画
に引き込まれてしまいました。
「脱獄広島殺人囚」(1974年公開)(^_^;)
これが滅法面白くて
他のことはそっちのけになってしまったんですわ。
監督は中島貞夫。
松方弘樹の目の下は真っ黒だし、
広島弁炸裂がまるで「仁義・・・」を思い出させるし、
舞台のほとんどが刑務所だし、
年の暮れに見るにはちょっとヘビイかなと
思っていたのも束の間、
あれ?これってコメディなの?と
思わせる珍妙な演出に思わず身を乗り出してしまったのです。
地上波では放送できないような
演出も多々アリ。実在の人物がモデルだそうな。
何度も何度も脱獄し、捕えられて懲罰房に入れられても
微塵もへこたれることなく、さらに罪を重ね、
破れかぶれで
本能のままに生きる男の生き様に
開いた口がふさがりません。
なんでこんなにしぶといの?
狂犬?いや
ゴキブリのように強靭な生命力です。
西洋映画で
ポール・ニューマン主演の
脱獄映画がありましたが、あんな爽やかなナイスガイとは
対局をなす、ダーティな男です(^_^;)
でも、
粗暴で
シリアスな表情とは裏腹の、
小狡くてハチャメチャな
「心の声」が笑わせます。
筋金入りの極道、
伊吹吾郎とのやりとりには
腹を抱えてしまいました。
あっ、出演陣も
すごく豪華です。
金子信夫、西村晃、梅宮辰夫、室田日出男、大谷直子なんかも出てます。
渡瀬恒彦の、完成されたチンピラ風巻き舌には舌を巻きました (^_^;)
ハードな場面が続く中、ラストシーンは
妙に突き抜けた明るさがあり、救われます。
この男のその後も想像できるだけに、
言い知れぬ感動を覚えました。
松方弘樹の軽妙な魅力を発見した一本でした。
さあ 明日は大晦日!今年も終わりですね!