邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

かもめ食堂

2008年02月29日 | ★人生色々な映画
舞台はここ日本ではなく
ゆったりとした空気が流れている、
フィンランドだというところがミソである。

青過ぎる空がまぶしい。

雑誌のページをめくるがごとく可愛い雑貨や
カラフルな北欧プリントが目を楽しませてくれる。
この映画が北欧ブームに火をつけたとか。
色がたまらなく綺麗だと思ったらカメラは日本人では無かった。

女の子の憧れ、お店屋さんごっこのような匂いも。
人生のペーソスをさりげなく味付けした料理はとても美味そうだ。

締めくくりの歌は井上陽水、みごとに脱力一貫したファンタジーだ。
登場人物は何故異国、しかもフィンランドで食堂を営んでいるのか。

なんとなく働くようになった二人の女の素性や過去はいったい?
「かもめ食堂」は
「傷ついたかもめが癒し合う食堂」なのではないだろうか?

最初見たときは疑問だらけだった。

先日、
本邦初公開だという、
「北欧ニット」の展示を見る機会があって
日本には無いカラフルな色の洪水と自由な発想に目を見張った。

突き抜けた空の色、美しい緑の森。
濁りの無い海の色。

「かもめ食堂」がそこにあった!

登場人物が出会う場所、物語が語られる場所は
北欧の風土でなければならなかった訳が
やっと分かった気がした。

今の日本が必要としているのは
もしかしてこんな気分?

それにしても見事に男の匂いがしない三人なのである!!
(gomen!)

2006年 監督 荻上直子
脚本 荻上直子
出演者 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
ヤルッコ・ニエミ マルック・ペルトラ
音楽 近藤達郎
撮影 トゥオモ・ヴィルタネン

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日本映画専門チャンネルでは
萩上直子監督作「かもめ食堂」と監督インタビューを放送。

映画は自分の意思とは関係なく一生残ってしまうものだから、
何十年後とかに自分で妥協したことが残ってしまう。
だからこそ・・・
彼女はなぜ映画をつくるのか。
続きはこちら
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「朱雀家の滅亡」

2008年02月26日 | ★人生色々な映画
東京のどこかではこのような芝居が
ぽつぽつ上演されている。
あまり大っぴらに宣伝もされないので私などほとんど見逃してしまって
終演してしまってから地団駄踏んでいる。

テレビで
劇場中継「朱雀家の滅亡」を観た。

太平洋戦争末期、息子(窪塚俊介)を戦争に送り出す
中山仁扮する華族の長と
その妾で、女中のおれい(佐久間良子)。
佐久間は自分が産んだ子であるにもかかわらず、
窪塚を「若様」と呼んでいる。

舞台から並々ならぬ気迫が迫ってくる。

三島の舞台ならではの流麗な台詞が飛び交う格調高い舞台。
現代語とは一線を画す言葉の応酬に
とまどいながらも徐々にどっぷりと浸っていく。

金田龍之介の代役として出た中山仁もよかったけど
しずしずとしたたたずまいの
佐久間良子の変貌(後半)にはたまげた。
高潔な夫をののしる本音の嵐。

窪塚俊介も一本鉄の棒が体に通っているかのような
びしっとした立ち姿からして
当時の若者を髣髴とさせた。

華族の崩壊を通して人間は
何のために生きるのかを問う。
三島由紀夫の煩悶がそのまま舞台になったかのような芝居。
俳優の渾身の演技を堪能した。

ただ、
歌舞伎を見る際にも時々感じるけど、
気になる、気に障ることがひとつ。

あきらかにそういう場ではない箇所で沸き起こる「笑い声」だ。
せっかく入り込んで見ているのに一気に白けてしまう。
ちょっとした言葉のあやなどでそれは巻き起こる。
演出に笑いを取り入れた芝居が多いせいなのだろうか?

三島の舞台に笑いは無いでしょう。

「あうるすぽっと」にて 録画中継
原作 三島由紀夫
演出 宮田 慶子

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「2番目の彼女」

2008年02月23日 | ★愛!の映画
「2番目でいいの、私とつきあって」
と、ぷっくり唇の若い娘に言われた日にゃあ~~・・!

あなたならどうする?

主人公は
証券会社を辞めて
本屋でバイトしながら原稿を書いている鳴かず飛ばずの脚本家。

恋人がありながら、
ある日行きずりの若い女の子と寝てしまったことから
ドタバタが始まる。

元々内省的だった彼は迷い惑い
別れを切り出すが、

「私も草野君を楽しむから。あなたも私を楽しんで。」

女の殺し文句にあっさりやられてしまうのだった。
可愛い顔をしておるが、なかなかの女だ。

私が男なら怖くなると思う。

胸に迫ってくる台詞がそこここに散りばめられている。
どきりとする言葉がぽろりと吐かれる。
劇中劇がはさまれる構成が楽しい。

同業の友人とその元アイドル妻、
国際線スチュワーデスの彼女の家族など、
周囲の人物も面白可笑しく誇張されている。
鼻持ちならない業界丸出し女プロデューサーがいかにもという風で笑った。
数々のドラマ脚本を手がけ、制作の裏側を知っている
大森監督ならではの描写だと思う。

「もっとシンプルに生きられたら・・」

主人公の若者の
もやもやした閉塞感が共感を呼ぶ。

恋愛も自分を発見する大きなきっかけになるのかもしれない。

はっとする台詞が多い中で気になる言葉が。
「エッジが立った」原稿を、私も書けるようになりたいです!

監督・脚本・編集:大森美香
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日本映画専門チャンネルでは
大森美香監督作「2番目の彼女」と監督インタビューを放送。
あなたはなぜ映画をつくるのか?
大森美香「一人で脚本を書く作業は孤独。
でも監督も、たとえ現場に多くの人たちがいても、
一人で考えなければ、判断しなければ・・・(続きは公式サイトで)
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今年もGS特集

2008年02月22日 | ★TV番組
ちょいと出ました三角野郎が~~

違うか。

またまた出たGS特集!BS2!
30分過ぎてからチャンネルを合わせると
真木ひでとが「ダンシング・セブンティーン」を熱傷・・ではなく
熱唱していた。

今回の目玉は
なんといってもパワーアップした
ブルー・コメッツの演奏でしょうか?
井上 大輔(忠夫)が亡くなり
元気も無くなっていた彼らが見事に復活。
力いっぱいの演奏で感動!
特にベースの彼の気合と、
七十歳を迎えられたジャッキー吉川のドラムは凄いキレ!
このあいだは
歌が超へたくそなんて書いてごめんなさい!
復活、おめでとうございます。

シャープホークスも出ていたけど
肝心のVO.安岡力也は入院中だとのことで
後のメンバーが「遠い渚」をダミ声で歌っていた。

エイミー・ジャクソンの
「涙の太陽」が聴けるとは思わなかった。

「ゴールデン・カップス」は現役の匂い今もプンプン。
デイブ・平尾の日本語は普通ではない。
と思ったら英語も普通ではなかった。
そして
少し恰幅がよくなったけど、ルイズルイス加部は相変わらず愛想が無くて
よかった。

ミュージシャンというのもつぶしがきかない職業だ。
いかにも玄人さんというカンジで
お年を召されている方や
昔カッコよかったはずの人が
しぼんでしまって(爆)
かえって七十歳のジャッキーが一番かっこよかったりするという
運命の逆転!も見られた。

人生は最後の最後まで
勝負がわからないものなのだ!う~ん・・・・・・

今後はぜひ
封印されている方々も出演され、おお!というものを聞かせて欲しい。
たとえば
宇野重吉の息子とか黒澤の息子さんとかもどうでしょうか?
それとやっぱりショーケンとジュリー、
それと
樹木希林のダンナ(GSじゃない?)とかもこの際一緒にどうでしょう?

前回のGS特集の記事


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「爆笑レッドカーペット」を見た

2008年02月20日 | ★TV番組
私は今回初めてみたけど、
もう
七回を数えているフジの人気番組だそうだ。

イキのいい芸人たちが三時間に渡って
一分前後のお笑いを披露し競い合う
お笑い爆弾番組だ。

たまに不発弾もあるけど(爆)

昔ながらの漫才スタイルでは
ジャルジャルの「滑舌」と「ロッチ」の
「関西から来た銀行強盗」がシンプルながら楽しかった。

「そんなの関係ねえ!」で、
去年ブレイクした小島よしおの
「マリオネットネタ」の前半は、
江戸川乱歩的世界が展開されていて
グロテスクながら妙にひきつけられる深遠な世界にうなった。

「乱歩」といえば
もうひとつ。

審査員の江守徹さん(文学座)も絶賛の
シュールな演劇的コント?を見せ付けたのは
チュートリアル」だ。

不気味なマネキンの小道具といい、
予測不可能な「怪人」の行動といい、
異常な雰囲気は乱歩的退廃を感じさせ、爆笑した。

潜在的なサディズムを刺激されるのは
縛られている少年の、
「イヤミ」みたいな
髪型のせいだろうか?

噂に名高い「世界のなべあつ」さんは
3の倍数に「あほ」になるという人気ネタをバージョンアップさせ、
さらに
5の倍数に「犬」になる技を組み合わせ、離れ技をみせてくれた。

大笑いして脳みそにも春が来た。

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