時にはブラボーと言えないこともある。
優しすぎる。
「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」
そして「雨あがる」、と優しい侍の
つつましい生き方を描いた作品を続けて見た。
山本周五郎や藤沢周平に恨みは無いし
寺尾聡は嫌いではないし永瀬正敏も
よかった。真田広之は大好きだ。
「雨あがる」
前に見て印象が薄かったのでもう一度見てみた。
貧乏人たちの宴会がちょっとくさくないですか。
侍と妻のやりとりが不自然だし。
妻、言葉少ないながらも押し付けがましい。
色気はない。
三船から太い声と豪快な容貌を取って、
ぎゅっと押したような息子が出ている。
吉岡秀隆は侍らしくなさすぎるし。
大小差してるんだからもっと腰を据えろ!
腹で呼吸せい!と言いたくなった。
ベネチュアでスタンディング・オベーションが起こったとか。
大体海外のスタンディング・・ほど当てにならないものはない。
これを見終わって晴々とする人たちもいるのだろうか。
そういう映画を作るようにと黒澤監督が言ったとか。
ほんとは凄い腕を持っているが、それはひ・み・つ・で、
人を押しのけない、出世も望まない、
目の前にいる女を大事にして生きていく・・マイホーム侍たち。
・・なにかふっきれないものを感じるのは
私だけかも。悪口ばかりですみません。
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宮崎美子の妻が、藩の家老に言う「あなたたちのような無能な人に家の人は分からないでしょう」
家老と言えば、現在では言えば内閣官房長官である。浪人などは、現在で考えれば住所不定無職のヤクザものであり、それが官房長官に向かって「馬鹿」と言うだろうか。現在なら、言ってもおて
こんな台詞、設定があるわけはないと思い極めて不快だった。
山本周五郎の原作はどうなっているのか、気になっていながら調べていないが、恐らく原作から借りたのは、設定だけで問題の箇所は創作だと思う。
上は、途中でいきなり切り替わってしまったのです。
失礼しました。
三船の息子を出したりして
オマージュとするなども安易で、
シャレになっていないと思いました。
センスが・・理解に苦しみます。
詳しくは、「さすらい日乗」をみて下さい。
この映画が初めて劇場で公開された時、晩年の黒澤明監督の作品に違和感を持つ者として、黒澤明の残した脚本を、黒澤組の助監督が映像化する話には、最初、あまり興味と魅力を感じませんでした。
どうせ直球一辺倒で、正座して観なければならないような映画だろうと思ったからです。
しかし、観終わった時、それは予想に反し、心地よい方へと見事に裏切られましたね。
この映画は、「赤ひげ」など黒澤明監督が好んだ山本周五郎の原作。
江戸時代、剣の達人・三沢伊兵衛(寺尾聰)は、不器用なために浪人暮らしを余儀なくされていた。
妻たよ(宮崎美子)と旅をする途中、大雨で足止めされた土地で領主(三船史郎)と出会い、仕官の話が持ち上がるが----------。
この映画を観て、夫婦は互いに信頼し合おうとか、他人を押しのけて出世するのはよそうとか、そんな薄っぺらなヒューマニズムを読み取ることも可能だとは思います。
しかしながら、この映画を深読みして観ると、これは何と言っても、ウェルメイドのコメディーなんですね。
伊兵衛に試合を挑んだ威張り屋の領主が、転んで垣根の向こうに消えた直後、水しぶきの音が聞こえるという処理の仕方。
物静かなたよが、いつもの丁寧な口調で、客人に暴言を吐く間合い。
真面目な演技をすればするほど、おかしみが生じる。
特に、力みかえった三船史郎の演技には、素人の演技ながら、何度も吹き出させられた。(それにしても、三船史郎の声は、本当に実の父親の三船敏郎の声にそっくりですね)
無論、黒澤の名で足を運ぶ観客への目配せも怠りない。
冒頭の突き刺さるように降る豪雨。
安宿で繰り広げられる歌と踊りのセッション。
そして、侍の首から噴き出す血など、ほとんど「椿三十郎」のパロディーかと思うほどのサービスぶりなんですね。
しかし、飄々とした演出で笑わせる、小泉堯史監督のセンスは、明らかに黒澤明のものとは異なっていると思います。
大巨匠の縮小再生産の映画ではないかと思い込んでいた偏見を、大いに反省しましたね。
その上で、小泉堯史監督という新しい才能の登場を、心から喜びたい心境になりましたね。
偶然ですが今日BSで放送されていましたね!
晩年の黒澤作品に違和感・・まったくそのとおり
私も感じていました。
コメディーだ!とおっしゃるご感想に
目からうろこといいますか
な~~るほど と思いました笑
そう思うとこの軽い爽やか?な演出も合点がいきます。
そういえば昨年暮れの紅白歌合戦に寺尾聡さんが
♬曇りガラスの向こうは~♬と カッコよく唄っておられ、お父様の宇野重吉さんの枯れた域には行っていないのだな~と感じたばかりでした笑