テレビでは「70年代のファッションが今年のトレンド」って言ってたけど
私の中では
50年代が熱い!!
神保町シアターで上映している
「女優とモード 美の競演」でまさしくそんな時代の
ファッションを観ることが出来る。
日曜の午後、中平康の
「街燈」を観ました。ほぼ満席の盛況ぶり。
衣裳は森英恵。
銀座で洋装店を経営している吟子(月丘夢路)と
渋谷で可愛らしい洋装店を営んでいる
千鶴子(南田洋子)の周りの
にぎやかな人間模様をユーモアを交えてスタイリッシュに描く。
50年代のファッションは
大人の女性を美しく見せる。
細川ちえ子に豹の毛皮はどんぴしゃりだと思ったけど
山岡久乃にミンクがあんなに似合うとは!!
私の知ってる女将さん役の山岡久乃とは違う、
バリバリの有閑マダムがそこにいた!
千鶴子や吟子にいたっては
ヘアスタイル、仕事着にお洒落着に寝巻きまでお洒落。
二人の美貌にも目を奪われる。
カタチの良い唇からこぼれる
美しい言葉にもうっとり。
あの時代の丁寧な言葉遣いがごくごく自然。
南田洋子ってなんて綺麗だったのでしょう。
そして
月丘夢路
の演技のうまさ、エレガントな身のこなしは
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同じ人間とは思えません。
あたりに金粉が、ラメが散りばめられているような
オーラが。
さらに可愛らしいインテリアの小物も
見逃せない。
テキスタイルは幾何学模様だったりして
萌えすぎで息が~~~!!
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マシンガントークのお転婆令嬢(鳥子)役の
中原ひとみ、奇妙奇天烈な洋服に
妙な形の車をすっ飛ばしていて可笑しい。
男性陣ファッションは女性に比べてダサいです。
南田洋子と恋仲になる葉山良二の普段着ファッションは
着古したセーター、素足に下駄、と
ファッショナブルとは言いがたいし
吟子のツバメ役岡田真澄の
だだっ広いスーツははっきり言って野暮ったい。
でもそれがまた味。
それにしても
戦後まもない時代、こんな華やかな映画を観た人は
どれほど晴れ晴れとうっとりとしたことでしょう。
岡田の実家があるバラック横町や
靴磨きをして働く幼い子供たちなども描かれていて
当時の世相が伺えますが。
夜の街での格闘シーンや
靴磨きの子供たちの逃走劇は
アメリカ映画を思わせるし(「第三の男」チック)
最初シャンソン風のテーマソングで始まり終わりもまた
この唄で締めくくるなど
スミからスミまで中平好みのモダン。
カッコイイのに心温まる映画ってそんなにないですよね!
始まる前、場内に流れていたのは
川島雄三「銀座二十四帖」の主題歌「銀座の雀」
(歌っている方がいた!)
観た後の幸福感が似てます。
余談:吟子(ぎんこ)鳥子(とりこ)
って名前も素敵~~
1957年 中平康監督作品
神保町シアターにて