原田さんがやせ細った車椅子姿で完成試写会に
臨んでいる映像を見ているうちたまらなくなり、
映画館に走りました。
原田芳雄に会いに飛んで行ったのです。
館内は「デンデラ」と同様、中高年が半数を占める入り。
「大鹿村騒動記」は
長野県の村に
古くから伝わる民衆歌舞伎を軸に
幼馴染と駆け落ちした挙句、
認知症になって戻ってきた妻(大楠道代)とその夫(原田)、
回りの人々の人情喜劇。
原田さんは出ずっぱりで
しゃべりっぱなし。
歌舞伎の台詞も朗々と響き渡る声量で
石橋蓮司と共に魅せてくれた。蓮ちゃんもやっぱりすごかった!
二人とも腹の底から声が出ていて聞いててスカッとした。
小倉一郎も歌舞伎台詞、意外と(?)力強くて驚いた。
原田VS大楠道代のツーショットは
あの鈴木清順の「ツゴイネルワイゼン」を思い出させてくれたが
時の流れを感じて頭がクラクラした~~
ゴージャスな出演者たちの中でも
三國連太郎はランクが違う感じが・・・
年齢を超越した凄み。
わずかの出番でも作品に深みを与えてくれるたいへんな役者だ。
ただ野原を歩くだけでも映画!になってしまう職人芸を見せてくれてこれぞ国宝級!
拝みたくなった。
ギャグの演出って難しいと思う。
ここでは決して大笑いを誘うわけじゃなく
くすくす笑いを引き出す系。
ギャグにはセンスが合う合わないがあって、私個人は大笑い系が好みだけど。
多彩な人物の台詞や描写も決して深く重たくは無い。
日本全体が疲れ果てている今日、エグ味の無い癒されるものをみんな見たいのかも。
テンポは良いが
せっかくの歌舞伎のシーン、
爆発的とは言わないまでも、もうちょっとカタルシスが欲しいと思った。
原田さんは文句無く素晴らしいです。
原田さんが主役の本格的な時代劇がもう一本見たかったなあ・・・
「この週末、大鹿村にちょっと遊びに行ってこよう!」
「原田さんに会いに行って来るか。」
そんな気軽な気分でごらんになると楽しめると思います。
1000円という鑑賞料金も嬉しいですね!