この映画、実は何度みたかわからないほど見ている。
谷崎潤一郎の原作を市川崑監督が映画化。
戦前の関西・芦屋の旧家を舞台に、
美しい4人姉妹のそれぞれの運命を描く。
姉妹と四季の風景を映し出す画面が美しい。
吉永小百合は「なかなかやり手」の
三女雪子を演じてピカイチだ。
吉永小百合はきっと役を「解釈する」能力に長けている女優さんなのだと思う。
岸恵子がしっかり者の長女、蒔岡鶴子。
貫禄があり抜群に美しい。
次女幸子には佐久間良子。
夫(石坂浩二)が三女の雪子(吉永)に気があることに気づき、
やけ食いする場面では可愛らしさを出している。
帝国劇場の舞台では長女鶴子を演じていたが
そちらも良かった。
現代的で活発な四女妙子(こいさん)には古手川裕子。
入浴シーンで抜けるような白い肌を披露していてびっくり!
岸恵子の夫伊丹十三が
あまり出番は多くないが、現実的な銀行員を演じていて
とても存在感があった。
私は個人的には
監督よりも役者としての伊丹さんの方が好きだったので
長生きして色んな役を演じてもらいたかった。
姉妹そろっての嵐山のお花見のシーン、
出かけるときに袋帯をとっかえひっかえ締める様子、
キュ~~っと鳴る帯に笑い転げる姉妹。
豪華な着物をありったけ出して虫干しするシーンなどは
着物好き、よだれがでること間違いなし。
作品の持つ
どっしりとした厚みと全編に溢れる日本情緒に、
見た後も深い満足を覚える傑作です。
登場人物の微妙な心理が上手く表現されていた。
日本人に生まれてよかったなあ!と、
喜劇「サラリーマン忠臣蔵」を見た後に続き、そう思った。
*1983年度 東宝映画 市川崑 監督作品
■ブログランキング参戦中
よろしゅうにお頼み申しあげます~!!
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戦前の関西・芦屋の旧家を舞台に、
美しい4人姉妹のそれぞれの運命を描く。
姉妹と四季の風景を映し出す画面が美しい。
吉永小百合は「なかなかやり手」の
三女雪子を演じてピカイチだ。
吉永小百合はきっと役を「解釈する」能力に長けている女優さんなのだと思う。
岸恵子がしっかり者の長女、蒔岡鶴子。
貫禄があり抜群に美しい。
次女幸子には佐久間良子。
夫(石坂浩二)が三女の雪子(吉永)に気があることに気づき、
やけ食いする場面では可愛らしさを出している。
帝国劇場の舞台では長女鶴子を演じていたが
そちらも良かった。
現代的で活発な四女妙子(こいさん)には古手川裕子。
入浴シーンで抜けるような白い肌を披露していてびっくり!
岸恵子の夫伊丹十三が
あまり出番は多くないが、現実的な銀行員を演じていて
とても存在感があった。
私は個人的には
監督よりも役者としての伊丹さんの方が好きだったので
長生きして色んな役を演じてもらいたかった。
姉妹そろっての嵐山のお花見のシーン、
出かけるときに袋帯をとっかえひっかえ締める様子、
キュ~~っと鳴る帯に笑い転げる姉妹。
豪華な着物をありったけ出して虫干しするシーンなどは
着物好き、よだれがでること間違いなし。
作品の持つ
どっしりとした厚みと全編に溢れる日本情緒に、
見た後も深い満足を覚える傑作です。
登場人物の微妙な心理が上手く表現されていた。
日本人に生まれてよかったなあ!と、
喜劇「サラリーマン忠臣蔵」を見た後に続き、そう思った。
*1983年度 東宝映画 市川崑 監督作品
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主演は高峰秀子で、四女の役。下層階級だが能力のある男と一緒になろうという、彼女こそ戦後民主主義にはふさわしかったのだ。最近、フィルム・センターで見たが、大変立派な作品だった。長女・花井蘭子、次女・轟夕起子、三女・山根寿子。
二度目は、1959年大映で監督は島耕二。京マチ子、山本富士子、轟夕起子、そして叶順子。
台風を特撮できちんと描いているが、全体はたいしたことはない。
市川の『細雪』はいい映画だが、何もしない吉永小百合が幸福をつかむというのは、いかにも当時の日本である。
絶対見に行こうと
予定に入れていたのに見られませんでした。
く、く悔しい~
戦争中にこの小説が発表禁止になったのは、全ての人々の努力が戦争に集中されるべき時期に、金持ちの一族の贅沢な日々ばかり描いているのはけしからん、という理由でした。
事実、この谷崎潤一郎の「細雪」は、上流家庭の生活を描くことの少ない日本の純文学作品としては、稀にみる緻密さで金持ちの商家の社交生活を描いているんですね。
1938年、日中戦争はすでに始まっているが、まだ人々はさほどの危機感も持たず、特に上流階級の女たちなど、まことにのんびりと、ひたすら社交にあけくれる日々を過ごしていた。
この映画は、そんな時期の大阪の船場の豪商・蒔岡家の四人姉妹の物語だ。
長女(岸恵子)は婿(伊丹十三)を迎えて本家を継ぎ、次女(佐久間良子)は会社員の夫(石坂浩二)に嫁いで家を出、三女(吉永小百合)は姉たちの義兄たちの世話で次々に来る縁談で、お見合いを重ねている。
帯に短し襷に長しで、なかなか適当な相手と出会えないお見合いのあれこれを、過ぎ去りし日々の優雅な社交生活のマナーへのノスタルジックな愛着を込めて、ユーモラスに展開することが、ストーリー的にはひとつの軸になっていると思います。
四女(古手川祐子)は、上流社会の型にはまった姉たちのような生き方に飽き足らず、自立を目指し、また、様々な階層の男たちと奔放な恋愛や失恋を繰り返して、姉たちや義兄たちをハラハラさせている。
このように、四人のスター女優たちが、艶やかに、上品に、豪奢な風俗の中で、その美しさを競う女性映画の大作ではあるが、この女たちが心おきなく優雅にふるまえるよう、日々、心を砕く婿たち二人、伊丹十三と石坂浩二の姿もまことに印象的で面白い。
特に、義妹で三女の吉永小百合に、やっと素敵な配偶者を見つけることが出来た後、石坂浩二の義兄がひとりで黙々と桜の花の散る下で、盃で酒を飲んでいる姿など、義妹へのほのかな感情が愛なのか、家族としての自然な親しみなのか分からないような、微妙なところに味わいの深さがあり、石坂浩二がさりげなく醸し出す、奥行の深い演技には、鳥肌の立つ思いがするほど素晴らしかったと思います。
それにしても、お花見という習慣を、こんなにも美しくさわやかな日本的情緒の中で描いた映画も、そうはないと思いますね。
四人姉妹の優雅なお花見シーンから始まるこの映画、ちょっとユーモラスで 時々どきっとするほど色っぽくて何度観てもうっとりしてしまいます。
市川監督が切り取る細雪。ほんとうに素敵な監督さんでしたね~~
石坂浩二の複雑な面持ちが忘れがたく哀しく。姉妹はそれぞれ別れて行き・・・
夢のように儚く美しいお花見シーンが心に残りました。