邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

仲代達矢「知るを楽しむ」最終回

2008年04月25日 | ★TV番組
仲代さんの
大きな目から涙が零れ落ちた。

愛妻の死を語っていたときのことだった。
インタビュアーの黒田あゆみさんも
声をつまらせた瞬間だった。

奥様のことを語り始めた時
すでに
目はうるんでいたのだが。

二人三脚で
取り組んできた無名塾を続け、
若い人を育て、
伝えていくことによって
宮崎恭子さんも自分も
生き続けることになるのだと。

ひと言ひと言搾り出すように語る姿をみているうちに
こちらも
こみあげるものが・・

今まで見たどんな仲代達矢よりも
ステキだったなあ。

素直に感動してしまった!!

あなたの芝居を見続けますついて行きます何処までも。

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「夜叉」感想

2008年04月24日 | ★人生色々な映画
冬が、雪が、海が
それと背中で吼える?いや微笑む夜叉の刺青が
健さんに似合わないはずがない。

健さんと海
たまらんですね~~

ミナミのネオンと健さん

ご馳走だ!

妻の故郷で猟師をしている修治は
元はおっそろしくどうしようもない極道だった。
過去は随所にフラッシュバックされる。

堅気になって三人の子持ちになり、
女房の実家で
どてらを着てこたつでうたたねをするような平穏な毎日が
いかにもワケ有風の女の出現によって
元の黙阿弥に・・・??

同じ監督の「駅 STATION」に比べ、より
作品としての完成度が高いと思った。
感傷に流されない巧みな台詞のせいか
ベストな配役のせいだろうか。

木村大作のカメラは
どっちも素晴らしいけれど!

修治(高倉健)の
啖呵はかっこいいけど
女(田中裕子)の色香に惑わされて
思う壺にはまっていくのは少々情けなかった。

女によって
男の内面にくすぶっていたものがあからさまになったのか。

田中裕子は
「天城超え」が好きな方は必見の色っぽさだが
女から見ると、あざとい台詞や場面も多いので、
見ているうちに

「ああ、健さんそんな言葉に乗っちゃダメ」
「それは嘘だから」
「その目に惑わされるな!」
挙句
全く健さんともあろうものが!」
と憤慨し、
錯乱してしまった。

修治にぞっこん惚れている(いしだあゆみ)→妻は
いつものいしだあゆみよりちょっぴり抑え気味で(爆)
でも地声で吼えるシーンと
鼻を赤くして泣くシーンはやっぱりあった!(爆爆)

対照的な二人の女の対決はなかなか見もの。

よけいな台詞が無くても
十分心情が伝わってくるのは役者がそれぞれいい味出しているからか。

あき竹城と田中邦衛の猟師夫婦、
小林捻持が演じるチンピラ
ビートたけしのダメ男ぶり、
どしっと構える乙羽信子、どんぴしゃりである。

思わせぶりなラストもウィットに富んでいる。
ミナミの女親分(奈良岡朋子)に
「骨の髄まで極道や」といわれる修治だが
女には弱いのが 「難」!

しかし結局のところ、
女二人どっちを取るか?というよりも
海かミナミかどっち?」だったのかも。

今思ったんだけど、
ビートたけし(タケシか)って、
健さんになりたかったのね


監督 降旗康男
脚本 中村努
撮影 木村大作
音楽 佐藤允彦 トゥーツ・シールマンス
美術 今村力

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「どん底」(観劇)

2008年04月18日 | ★人生色々な映画
全員が難有ながらも
のんきに暮らしていた貧民窟に
ある日、救世主のような老人がやってきて
みんなの心をかき回して去っていく。

ぐちゃぐちゃながらもそれなりに均衡を保っていた世界は
刺激が加わって
バランスを崩してしまうのだ。

ケラリーノ・サンドロヴィッチこと
ケラ演出・脚本。ロシア人ではありません。

黒澤明も映画化したことで有名なこのお話。
ケラ脚色演出で
駄洒落も乱れ飛ばし人生訓も散りばめられていて
かなり明るめ、
しかしよくよく台詞を聞くと
ロシア人ってなんでこんなに暗いの?」と
思うほど救われない。

黒澤版と比較してみよう。

泥棒ペーペル(江口洋介) 黒澤版では三船敏郎
大家(元天上棧敷の若松武)→ すごいメイクだった中村鴈治郎 
ワシリーサ(荻野目慶子)→山田五十鈴 
ナターシャ(緒川たまき)→香川京子
巡礼の老人ルカー(段田安則)→左卜全
アル中の役者(山崎 一)→藤原釜足
錠前屋(大鷹明良)→東野英治郎
瀕死のその妻アンナ(池谷のぶえ)→三好栄子
自称・元貴族の男爵(三上市朗)→千秋実

などなど。
大筋は同じだが別の味。

謎めいた巡礼老人は段田安則
台詞のキレがよくて
よちよち歩きが可愛いらしかった。

江口洋介はさすがに、
出てくるとぱあっと華やぐ男前。
声も図太く、舞台映えがする役者さんだ。

荻野目慶子は「魔性の女」そのものをナマで見せ付けてくれて満足満足。
この方は舞台だとよりおどろおどろしく時には天使にも見えて素晴らしい。
声が楽器のようで、綺麗なのよね~。
ど迫力あるしね
胸がすくようなキレぶりで、
この方がわめけばわめくほど
スカッとしてくる

思いっきり暴れてくれい!」
と声をかけたかった。

妹役の
緒川たまきのことを私は「モデルさん」と思っていたのだが
ちゃんとした役者さんなのだった。
どんでん返しがある難しい役で、ちょっと激しい表現に
無理があったように思う。

群像劇とあって色んな人物が次から次と登場して
色んなことをしゃべりまくるが
にぎやかな
台詞の応酬がピタピタと決まって
リズムとバランスがとても良かった。
メリハリがついた演出。

夜の部は7時から開演で終わると10時過ぎ。
渋谷は真昼間のように明るく人でごった返していた。

シアターコクーンにて。

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