観て来ました~
豊川悦司様の藤枝梅安 いったいどんな?と
ワクワクしながら劇場へ。
冒頭のシーンの掴みから一気に梅安ワールドへ引きずり込まれ
気分は江戸へと。
仕掛け人としての業を背負った二人の男の
台詞がいちいち心に刺さりました。
私は小林桂樹梅安と田村高広彦さんのコンビが一番だと思っていたのですが
トヨエツと愛之助は二人並んだだけで
ぐっときますね。
師走のこたつシーン、良かったなぁ。
あんな年越しの仕方、羨ましい。
暖かい湯気がたちのぼる鍋を囲むシーンでほっと心がほぐれたかと
思うと、緊張が走るハードな場面に突入する。
その絶妙な緩急に身をゆだねていたら
あっという間に二時間が経っていました。
静かで怖くて色っぽいトヨエツ梅安にぞっこん。
バディの愛之助彦次郎にも胸アツでした。
天海祐希さんは噂通り大変美しいし、演出のセンスは良いし
セットは隅々まで凝っているし衣装はスタイリッシュですしねえ。
この私の乾ききったドライアイからもほろりと涙が出てしまったりもして
久々に劇場で贅沢な時間を過ごせたという感じです。
あっ言い忘れていましたが
観終わったら無性に和食が食べたくなりますよ。
池波正太郎生誕100年にふさわしい作品だと思いました。
4月公開の二部が早くも楽しみです!
まだ劇場に行かれていない方はぜひ!
時代劇ブラボー!
◎2023年 河毛俊作監督作品
梅安さんが仕掛で使う針は、本来は極力、細くないと傷跡も残るし、血が噴き出したりするので、そうあるべきなのに、かつての映像技術では、あまりに細いと画面に映らなかったり、光ったりしてダメだったらしいのですが、この作品では、最新の映像技術によって、原作にある通りの細い針での演出ができたらしいですね。
とにかく、池波正太郎さんの江戸情緒の世界が、かなり濃厚に出ていて、豊川悦司の梅安さんが絶品だという事なので、近々劇場でこの一部を観たいと思っています。
時代劇という日本映画の貴重な財産を残したいという事と、世界のマーケットに通じる作品にしたいという製作スタッフの意気込みが凄いという事なので、是非、観たいと思っています。
考えてみれば、今まで数多くの役者が梅安さんを演じられましたね。
TVの「必殺仕掛人」で緒形拳が演じて以来、松竹での映画版1作目で田宮二郎、その後も小林桂樹とか萬屋錦之助などが演じましたよね。
TV版の「必殺仕掛人」の1作目と2作目は、深作欣二監督が、映画並みのカット割り、スピーディーな演出で、TV時代劇のレベルを遥かに超えた作品になっていたのを観て、さすが、深作欣二監督だなと感心した覚えがあります。
このTV版の"必殺シリーズ"は、「必殺仕置人」「助け人走る」「暗闇仕留人」------と続いていくわけですが、このシリーズの原型、基本パターンは、全て深作欣二監督が作ったのだと思いますね。
それにしても、梅安さんを演じた緒形拳、西村左内を演じた林与一が、もう鳥肌が立つような、そんな凄い演技をしていましたね。
この2作目で、梅安さんの過去が語られ、梅安さんと西村左内が、別の仕掛人に狙われ、命の危機を感じながら、こんな仕掛人稼業をしていたら、長生きはできねえだろうなあと、しみじみと語り合う場面などは、本当に仕掛人稼業の切なさ、辛さが表現されていて、素晴らしかったですね。
鋭く細く光っていました。
そういえば先日、萬屋版梅安を観たのですが
首に刺さったら痛そうだなと思うような太さの針でした。
緒形拳の梅安は殺気が凄くて
震えあがるくらい怖かったですねえ。
林与一さんも流石でした。林さんはいまだに
師匠の長谷川一夫さんの月命日には谷中のお墓に
お参りしているんですねえ。
お年を重ねてなお
芸をとことん追求されていてすごいと思います。
今回の梅安はまた少し趣向が違っていますが、
良いものにしよう、時代劇を盛り上げようという
スタッフの意気込みがよく伝わってくる作品だと
思います。
なお
エンドロールが終わるまでお席を立たれませんよう。続きがあります