
「鉄は国家なり」は19世紀後半に統一ドイツ帝国を建設した宰相ビスマルクの言葉として知られています。そのドイツを模範とした明治政府が日清戦争の勝利後に清朝からの賠償金を基に建設した官営八幡製鉄の明治34年(1901年)に行われた火入れ式で初代首相の伊藤博文が同じく「鉄は国家なり」と述べたそうです。その官営八幡製鉄の後身の日本製鉄株式会社(上の写真です)が、このたびアメリカの鉄鋼大手であるUSスチールを約2兆円で買収するという報道がありました(注)。USスチールといえば20世紀に世界最大の鉄鋼メーカーだった(粗鋼生産量で2016年現在は世界24位)ことをブログ主は小学生の時に学習図鑑で知って記憶に留めていたので、この報道には驚きました。21世紀の現在では日本製鉄の方が粗鋼生産量で世界第3位と遥かに大きくなっていたことに改めて気付いた次第です。
脱炭素化やSociety5.0 などといった言葉が幅を利かせる現代では、粗鋼生産量などという「重厚長大な」指標にどれだけの意味があるかは、多くの方は疑問に思われると思います。ブログ主自身は、何となくですが「ものづくり」というのは、鉄とか石とか木とかが基本で、結局そこに立ち帰っていくのではないかと漠然と思っています。
(注)https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231218-OYT1T50161/