
本日、北陸新幹線の金沢駅から福井駅、敦賀駅までの延伸区間が開業し、午前6時台に東京駅発、敦賀駅発の一番列車が発車しました。東京駅・福井駅間が2時間51分、同敦賀駅間が約3時間で結ばれることになりました。これまで東京から見た北陸の福井県は、心理的に遠い所というイメージがありましたが、これで払拭されるような気がします。北陸新幹線が金沢駅まで延伸した2015年以前の8年間(2004年4月から2012年3月まで)、石川・富山両県で暮らしたブログ主は、そのように思います。
この15年余りの間に、北陸新幹線以外にも北海道の函館から南九州の鹿児島までが新幹線で結ばれました。これら一連の事業は1973年(昭和48年)11月13日に、当時の田中角栄内閣が策定した整備新幹線計画に基づく事業で、半世紀の長きに亘って進められた遠大な国家事業ということになります。故田中角栄氏といえばロッキード事件、信濃川河川敷買収問題など、今日に繋がる金権政治・政治腐敗の元祖のような存在で、全く褒められる要素のない政治家だったことは間違いないのですが、それでも50年後(田中氏の没後からも30年後)の日本で実現するような仕事をその生涯に成し遂げたことまでは否定できないと思います。2024年現在、裏金問題の渦中にある政治家諸氏は田中氏のような未来の日本に遺せるような仕事を果たしてしているのでしょうか。全くそうは思えないのです。彼らが手を染めている悪事もその政治活動も、田中氏と比べると本当に粒の小さな劣化コピーに見えるのです。
もちろん整備新幹線が本当に日本国民を益する結果をもたらすかどうかは確言できません。地方政治家の利権の道具になっておりますし、少子高齢化・人口減少の進む日本で、整備新幹線が地方の富と人材を益々東京圏に集中させてしまう可能性もあるかもしれませんが、それでも50年後の未来に形になって遺せるものが作れた数少ない人物が田中氏だったのだなと思うのです。