
1980年6月12日は、当時の大平正芳内閣総理大臣が、心不全のため入院中の都内虎の門病院で死去した日でした。翌日の報道でその事実を知った私は「えっ」と驚いたことを42年後の現在も昨日のことのように覚えています。その十日後に開票された衆参同日選挙で自民党が大勝したこともです。私は当時満19歳、学部の2年生で選挙権はまだありませんでしたが、政治には大いに関心があったので、この選挙結果には愕然とした記憶があります。有権者の大平総理を悼む気持ちが自民党への支持につながったということのようで、「人情」を政治判断に優先する有権者の判断に釈然としない思いを抱きました。その前前年の12月に首相に就任して1年半、享年70歳という指導者として志半ばで斃れた無念は察するに余りあるとしてもです。
さて、明日はいよいよ参議院議員選挙投票日ですが、どうか有権者の皆様には2012年12月以降の安倍政権、菅政権、岸田政権の実績をよく思い返していただき、冷静なご判断を投票にお願いしたいのです。安倍元総理を悼む気持ちと政治判断は分けて考える必要があると思います。人情としては難しいとし
てもです。20世紀初頭のイギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルの言葉”Cool Head, but Warm Heart”(冷静な判断を暖かい心で)を皆様にお贈りしたいと思います。